2014年10月17日(金)11:00~14:00、日本アジア投資(JAIC)は、東京都・有楽町にある日本外国特派員協会において、取引先や元投資先の上場企業経営者を招いて「JAIC経営者倶楽部 2014.10」を開催した。
主催の日本アジア投資は、日本とアジアに跨る総合的な投資会社として、成長力豊かな企業へ投資し、同社のリソースを活用して日本とアジアの双方向からクロスボーダーに支援しており、本イベントは、広く同社関係先の経営者を対象に、昨今の投資環境の情報提供や参加者同士の情報交換の場を提供することを目的に開催している。
冒頭の挨拶で日本アジア投資 細窪社長は、「リーマンショック以降、ベンチャー企業への投資が難しい時期があったが、日本企業のアジア進出の支援、日本とアジアの成長企業への投資という観点で弊社は活動を継続してきた。アベノミクス以降は株式市場や経済も回復したため、投資戦略を練り直し、今年にチームを再構成するなどしている。」と語った。また、講師の早稲田大学名誉教授 商学博士 松田 修一 氏(公益社団法人 日本ニュービジネス協議会連合会 副会長)については、「40年以上ベンチャーと共に歩んできた経歴から”ベンチャーに関する日本の大家”として、政府に意見を伝えることができる立場にもあり、ぜひ参考にしていただきたい。」と紹介した。
当日の講師を務めた松田氏は、上記で紹介した肩書以外に6社の社外役員や証券リサーチセンター理事長も務めているほか、元日本ベンチャー学会会長でもあり、経済産業省・財務省・文部科学省・総務省などの審議会・委員会委員などを歴任している。
講演では企業・ベンチャーが牽引する米国経済の例を紹介しながら起業・ベンチャーの必要性を強調。資金調達、大企業との連携等様々な面で環境が徐々に整備され始めている点を説明しながら、ベンチャー簇業(そうぎょう)の必要性に触れ、日本での第4次ベンチャーブームにより開業率4%を10%にするぐらいの取り組みが必要と語った。なお、「簇業(そうぎょう)」とは、「草木が湧きいずるように繁茂する創業状況」をいい、このような状況にするためにも開業率10%を目指すことが必要だと強調した。
また、松田氏は、経産省のデータを示しながら、雇用創出に最も貢献していない企業は創業50年以上の会社であり、そのマイナス分をカバーしているのが設立5年目までの企業であることを紹介。雇用創出の面からも「ベンチャー簇業」が極めて日本経済にとって重要であるとの考えを披露した。
懇親会では過去の開催を通じて顔見知りとなった経営者も増え、より深まった意見交換が可能になったほか、初めて参加した経営者も含めて終始リラックスした様子で積極的な意見・情報交換が行われた。
参加した経営者の一人は「上場する前の情報交換会は結構ありましたが、上場してからのこうした懇親会はあまりないので、日本アジア投資さんの取組は、経営者として視野を広げ、コネクションを拡大する意味でも大変有難いですね。」と語る。
日本アジア投資は、次世代を担う新しい技術や斬新なビジネスモデルを持つ将来性豊かな企業、日本からアジア諸国に進出する企業、アジア諸国から日本に進出を希望する企業を支援・育成することで、新しい産業の創出、雇用の創出、日本とアジアの経済連携拡大、および日本経済、世界経済の発展に貢献することを目指している。そのための各種関係者との関係構築の一環として開催している「JAIC 経営者倶楽部」は、今後も継続的な開催を予定している。
(取材、撮影:柴田 潔 、村上 遥 / 記事、編集・制作:柴田 潔 @株式会社グッドウェイ)