なお、伊藤氏は所長を務めているMIT Media Lab において、Bitcoinをはじめとする暗号通貨全般を中心に扱う「MIT Media Lab Digital Currency Initiative(デジタル通貨イニシアティブ)」を2015年4月に立上げ、今回もデジタル通貨の開発や普及に向けて世界をリードする大勢の専門家をスピーカーとして招聘することができたという。(参考:MITメディアラボがデジタル通貨イニシアチブを発表)
先ず、午前の部では、オープニング「今なぜデジタル通貨か」(伊藤 穰一 氏)、基調講演「デジタル通貨とは何か」(MIT Media Lab Director of Digital Currency, Brian Forde氏)に続き、セッション1「デジタル通貨のトレンド」では、講演「デジタル通貨の現状」(Coindesk CEO, Jeremy Bonney氏)、パネルディスカッション「デジタル通貨のホットトピック」(伊藤氏、Brian Forde氏、Jeremy Bonney氏)、講演「様々なデジタル通貨とその応用」(The Stellar Development Foundation Executive Director, Joyce Kim氏)、パネルディスカッション「世界中に広がるデジタル通貨」(伊藤氏、Jeremy Bonney氏、Brian Forde氏、Joyce Kim氏、一般社団法人日本デジタルマネー協会 理事 大石 哲之 氏、Citrus Pay Founder Managing Director, Satyen Kothari氏)が行われた。
ランチ休憩を挟み、午後の部では、オープニング「デジタル通貨の普及に向けた課題」(伊藤氏)に続き、基調講演「デジタル通貨を巡る法規制の最新動向」(Coin Center Executive Director, Jerry Brito氏)が行われた。
オープニング「今なぜ仮想現実なのか」(伊藤 穰一 氏)、基調講演「没入型メディアの過去、現在、未来」(USC School of Cinematic Arts Associate Dean of Research, Scott Fisher氏)に続き、セッション1「仮想と現実の融合」では、講演「仮想現実とコンピュータインタフェース」(MIT Media Lab Director, Living Mobile Group, Chris Schmandt氏)、講演「サイバネティック・インタフェースが実現する近未来」(東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 廣瀬 通孝 氏)、パネルディスカッション「仮想現実/拡張現実は我々の生活をどのように変えるのか」(伊藤氏、Scott Fisher氏、Chris Schmandt氏、廣瀬氏)が行われた。
また、セッション3「VR/ARを実現するハードウエアの最新動向」では、講演「拡張会話について」(Wearality CEO, David Smith氏)、講演「ソニーがSmart EyeGlassで目指す未来」(ソニー DSBG新規事業部門SIG事業室統括部長 武川 洋 氏)が登壇。パネルディスカッション「VR/ARを支える最先端技術」(伊藤氏、David Smith氏、武川氏)が行われた。
仮想現実の世界を体験できる機器を実際に装着し、目の前に広がる新しい世界に吸い込まれる。
セッション4「仮想現実の未来」では、講演「仮想現実とロボット技術が変える医療現場の最前線」(Intuitive Surgical Principal Vision Engineer, Principal, Fakespace Labs, Ian McDowall氏)、講演「リアルとバーチャルの融合はどこまで進むか」(MIT Media Lab PhD Researcher, Living Mobile Group, Misha Sra氏)が行われた。
講演終了後は、スピーカーと参加者の交流を目的としたレセプションパーティーが催された。デジタルガレージ 代表取締役グループCEO 林 郁 氏および同社 取締役 共同創業者 兼 MIT Media Lab 所長 伊藤 穰一 氏、カカクコム 代表取締役社長 田中 実 氏の乾杯の挨拶により始まり、用意された料理や飲み物を片手に歓談へ。最後に、デジタルハリウッド大学 学長 工学博士 杉山 知之 氏が挨拶、2日間にわたり開催された「The New Context Conference 2015 Tokyo」を締め括った。
昨今、注目を集めているFinTechの分野でも主要テーマの一つである仮想通貨。そして、これまで直接体験する機会の少なかった最新の仮想現実の世界。共に技術の進化により新たなユーザーエクスペリエンスとサプライズ、そして未解決の課題解決を追求していく中で、多様な世界観と価値が創造され、人々のライフスタイルは急速に変化し、パラダイムシフトを感じさせる国境を越えたボーダレスなビジネス社会の実現が進んでいる。カンファレンスでは、5年後、10年後の未来の社会をイメージし、先取りするための数多くのヒント、トレンド、技術情報が共有された。これを機に仮想通貨と仮想現実の分野におけるビジネスが加速・活性化されることを願いつつ、また次回の「The New Context Conference」のテーマと開催を心から楽しみにしたい。