冒頭の挨拶は会場を提供したBNPパリバ証券 代表取締役社長 フィリップ・アヴリル 氏(Mr. Philippe Avril)が登壇。
続いて、基調講演「THE FINTECH REVOLUTION : WHAT IT MEANS FOR LUXEMBOURG」と題し、ルクセンブルク財務大臣 ピエール・グラメーニヤ 氏(HE Mr. Pierre GRAMEGNA)が登壇。今回の来日の理由やヨーロッパで起きているギリシャ救済に関する背景などコンテキストについて解説すると共に、金融セクターを中心に4%成長を遂げているルクセンブルクのヨーロッパにおけるイニシアティブについて紹介。金融と技術が出合う交差点となるFinTechについては、エレクトロニクス、ペイメント、仮想通貨、クラウドファンディングといった新しいものばかりではなく、従来のビジネスモデルの上にあるレイヤーそのものだとし、21世紀の全てのビジネスが対象となると語った。また、ルクセンブルクのカギとなる強みとして、ビジネスに欠かせないアイデア、ファンディング、人材、市場、環境といった5つの観点からその具体的な詳細と枠組みについて披露し、ぜひ実際にルクセンブルクに足を運び、再確認してほしい、歓迎したいと締め括った。
また、続いてのプレゼンテーション「LUXEMBOURG'S FINTECH ENVIRONMENT - AN OVERVIEW」では、ルクセンブルク・フォー・ファイナンス 副CEO トム・テオバルド 氏(Mr. Tom Theobald)が登壇。来場者や関係者へのお礼の言葉に続き、なぜFinTech企業がルクセンブルクを選ぶのか、その理由について語った。もともと国内市場が小さなルクセンブルクは海外に目を向けたサービス展開が主流となっていること、規制当局が新しい動向やイノベーションに対して柔軟かつ前向きに対処していること、多様性のあるエコシステムが構築されていること、優秀な人材が数多く集まってること、ヨーロッパ域内での高速通信網のハブとなっていること、世界的なVCやプライベートエクイティのほかアクセラレーターやインキュベーターが進出していることなどを挙げ、国際金融センターをリードするルクセンブルクのFinTech環境の概要とメリットについて解説した。また、FinTech企業のサービス領域、金融技術領域、雇用者数とサービス領域に関する統計データを用いて、先進的/伝統的、国内/海外におけるFinTech企業をタイプ別な観点から立ち位置とアプローチについて紹介した。
続いて日本企業よる具体事例として、プレゼンテーション「OVERVIEW OF RAKUTEN GROUP」では、楽天ヨーロッパ CEO 廣瀬 研二 氏が登壇。楽天の概要について紹介すると共に、Viberや楽天会員に向けて楽天が構築しているエコシステム(イーコマース、デジタルコンテンツ、金融サービス)や、世界No1のインターネットサービス企業となるためのグローバルネットワークへの取組み、2008年から現在に至る楽天ヨーロッパの沿革、ヘッドクォーターのあるルクセンブルクからヨーロッパ域内の5ヶ国(イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、オーストリア)の市場に展開しているビジネスの概要を披露。日本で展開している楽天の金融サービスのグローバリゼーションにおいてヨーロッパの果たす役割は大きいとし、これからのシナジーと抱負を語った。