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2017/07/27

【アクセンチュア】銀行の経営幹部は、AI活用が、銀行の情報収集と顧客とのコミュニケーションに変革をもたらすと予想――アクセンチュア調査レポート「バンキング テクノロジービジョン2017」

| by:ウェブ管理者
アクセンチュア(NYSE:ACN)が毎年発表している、世界のテクノロジートレンドに関する調査レポート「Accenture Banking Technology Vision 2017(以下、バンキング テクノロジービジョン2017)」によると、多くの銀行は人工知能(AI)活用の次なる段階として、顧客の意図や感情の理解、ならびにそれらの理解を通じた、より効果的なコミュニケーションの実現に向けた検討を進めていることが明らかになりました。

年次調査レポート「バンキング テクノロジービジョン2017」は、25名以上の有識者で構成される諮問委員会による分析、テクノロジー分野の有識者や業界の専門家へのインタビュー、および約600名の銀行の経営幹部およびIT部門責任者を対象とした調査結果に基づいて作成されています。なお、この中には、30名の邦銀の経営層およびIT部門責任者が含まれています。

本レポートによると、回答者の79%(日本では80%)が、銀行の情報収集と顧客とのコミュニケーションの方法は、AIによって大きく変わると考えています。そして、銀行の経営幹部の78%(日本では90%)は、シンプルな対話形式のユーザーインターフェースがAIによって実現し、より人間味のあるカスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)の提供につながると考えています。さらに、そのような対話形式のユーザーインターフェースが、今後3年以内に顧客との第一接点となるであろうとの回答は76%(日本では87%)に上りました。

アクセンチュア株式会社 金融サービス本部 銀行グループ統括 マネジング・ディレクターの宮良 浩二は次のように述べています。「顧客一人ひとりのニーズや優先事項が多様化するなか、顧客とのコミュニケーションの方法を見直す時期が来ています。AIを搭載した対話形式のツールにより、顧客の嗜好を把握し、銀行員に優れた洞察や感情的知性を与え、銀行員は顧客との信頼関係を深化させることが可能になります。その一方で、必ずしも既存のIT基盤と互換性のないAI技術をいかに速やかに自社の仕組みに導入するか。今後、各銀行においては工夫が求められてきます。」

「テクノロジーを“ひと”のために」をテーマに掲げる今年のレポートでは、顧客の“今、目の前にあるニーズ”にほぼリアルタイムで応えるために、先進テクノロジーの活用を呼びかけています。これまで、多くの銀行では振込のような単純な取引がデジタルチャネルへ移行し、支店網のスリム化とデジタルの世界でのプレゼンス強化が進められてきました。今後は、AIを中心としたテクノロジー導入が、支店および銀行員による顧客サービスも含めた組織全体へと拡大するでしょう。調査対象となった銀行の経営幹部の80%(日本では90%)が、AIを中心としたテクノロジー導入が組織全体へと拡大し、それらテクノロジーを活用した各種ツールやリソースが、銀行員による顧客サービスの質を向上させるだろうと答えています。

また、AI導入の課題については、「プライバシー保護の問題」が38%、「現在のIT環境との互換性の問題」が36%、「人とのやり取りを望むユーザーが多いこと」が33%でした。一方、日本で多く見られた回答は、「プライバシー保護の問題」が60%、「コスト上の制限」(システム導入や保管費用など)が60%、「AI利用によって発生した影響に対する懸念」が53%でした。

アクセンチュアはこれまでの「テクノロジービジョン」同様、調査やインタビューなどによって浮き彫りになった世界の重要なテクノロジートレンドを予測、定義し、2017年版のレポート内で紹介しています。なお、今回紹介するトレンドは、「AIは新しいユーザーインターフェース(「顧客体験」の新たな担い手へ)」、「無限の可能性を持つエコシステム(“We(連携)”ならではの可能性を形にする。すべては顧客のために)」、「人材のマーケットプレイス(未来を創造するために)」、「“ひと”のためのデザイン(顧客群から「一人一人の個客」へ)」、「未踏の領域へ(新しい産業と標準の創出)」の5つです。

本レポートのトレンドの一つである「無限の可能性を持つエコシステム」で述べているように、多種多少なニーズを有する顧客とより適切な関係を構築するために、デジタル・エコシステム・プラットフォームに中核機能を連携・開放する銀行が増えています。調査対象となった銀行の経営幹部の98%が、プラットフォームベースのビジネスモデルの導入とエコシステムへの参加は、「重要である」もしくは「非常に重要である」と考えており、回答者の25%がエコシステムへの参加を「積極的に進めている」と答えています。

多くの銀行が、顧客の利益を考え、第三者機関による口座情報とカードの集約データへのアクセスをすでに許可しています。しかし、こうしたエコシステムへの参加は重要と考える一方で、リスクが伴うことを認識している銀行も多数存在します。回答者の76%が、エコシステムに参加すれば全面的なビジネス改善(スピード、アジリティ、新規顧客へのアクセスなど)は進む一方で、コントロールという意味では断念せざるを得ないことも生じるだろうと考えています。しかし、最適なパートナーおよびエコシステムを選択することで、自行の競争上の優位性が促進されると考える回答者も同数存在します。

前述の宮良 浩二は次のように述べています。「銀行の経営幹部は、エコシステムに参加することには様々なメリットがあると考えています。例えば、顧客満足度の向上やソリューション開発のスピードとアジリティの向上、新規顧客へのアクセスの実現といったメリットです。今回の調査においても、銀行幹部の76%(日本では93%)は「競争優位性は銀行単独の力ではなく、パートナーとの関係性や参画するエコシステムに依存する」ことを認識するなど、エコシステムに対する期待の高さが伺えます。加えて、特に日本では、「顧客満足の改善」、「増収」、あるいは「自行にないスキルあるいは能力へのアクセス」をエコシステムに期待しています。その一方で、パートナー企業に縛られることに対する懸念が高いのも、日本の特徴です。」


原文はこちら
https://www.accenture.com/jp-ja/Home/BucketContent/Company-Local-Content3/company-news-releases-20170727.aspx

19:05 | IT:一般
 

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