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2013/10/23

【日本銀行】金融システムレポート(2013年10月号)

| by:ウェブ管理者
全文 [PDF 4,367KB]
http://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/data/fsr131023a.pdf
概要 [PDF 2,578KB]
http://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/data/fsr131023b.pdf

金融システムの総合評価

わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している。

金融資本市場や金融機関行動において、過度な期待の強気化など、金融面の不均衡を示す動きは、現時点では観察されない。金融資本市場では、2013年度に入って各市場のボラティリティが高まったが、その大きさは、過去のストレス時に比べれば限定的なものにとどまっている。

金融機関(銀行・信用金庫)では、全体としてみると、規制上の自己資本比率、リスク量対比でみた自己資本、いずれの観点からも、資本基盤は充実しているとみられる。また、十分な資金流動性も確保されている。このため、大幅な景気後退や金利上昇など、さまざまな経済・金融面のショックに対しても、資本基盤、資金流動性の両面で、金融機関は相応に強いリスク耐性を備えている。金利が景気の改善を伴わずに大きく上昇する場合でも、金融システムは基本的に安定性を維持するとみられるが、金利上昇の背景や程度、速さによっては、想定を超えて影響が及ぶ可能性がある点には留意が必要である。また、個別にみると、資本基盤が相対的に弱く、リーマン・ショック後の資産内容の回復が遅れている金融機関もみられる。こうした金融機関では、経済・金融面に大きなショックが生じた場合、自己資本比率が大きく低下する可能性があることから、着実に自己資本の強化に取り組んでいく必要がある。

金融仲介活動は、前回レポート時に比べて、より円滑に行われるようになっている。すなわち、量的・質的金融緩和の導入後、企業・家計を取り巻く金融環境は、より緩和的となっている。金融機関の貸出は徐々に伸びを高めているほか、社債やエクイティ調達など、金融資本市場を通じた金融仲介も活発になっている。

こうしたなか、金融機関の基礎的な収益力は、趨勢的な貸出利鞘の縮小などから、低下傾向に歯止めがかかっていない。これらは、現下の金融システム全体の安定性や仲介機能に影響するものではないが、中長期的には克服していくべき課題である。


原文はこちら
http://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsr131023.htm/

15:13 | 金融:行政・取引所・団体
 

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