2021年12月16日(木)、山形県はジョージ・ヤマガタ氏 Presents 第28回オンラインセミナー「雪国技術イノベーション」を開催した。
県内全域が豪雪地帯の山形県において、雪害事故防止に向けて啓発活動や除雪講習会といった対策が行われてきた中で、今回は技術的な面からもアプローチできないか?という視点で関係者による議論が行われた。
進行役の高橋 航さん(山形県 みらい企画創造部 ふるさと山形移住・定住推進課 / 雪対策担当)からの紹介で挨拶したジョージ・ヤマガタ氏は、全国でも有数の豪雪地で昨冬は191名もの雪害事故の被害があった山形県において、雪深い地域では過疎化や少子高齢化、雪下ろし作業を行う業者・団体の減少、コロナによる帰省・来県の制限が重なり、高齢者が自ら雪下ろしをしなければならないという現状を共有。高齢者でも負担なく安価な事故防止対策が可能になるような技術面、道具面も必要になってきており、山形県でも研究会開催、大学生の公開プレゼンテーションなどを実施している中で、今回は雪国技術イノベーションをテーマに議論をしたいと挨拶で語った。
冒頭、高橋さんからテーマ説明があり、山形県の雪害対策への歴史や現状、取組み等について概要が紹介された。「雪害対策発祥の地」としての条例、除雪活動、死亡事故の他、技術イノベーション創出や交付金について説明が行われ、この内容を踏まえてパネルがスタートした。
パネルには諸橋 和行さん(中越防災安全推進機構 業務執行理事・地域防災力センター長)、工藤 志保さん(日向コミュニティ振興会 事務局長)、藤田 浩之さん(日東電工 研究開発本部基幹技術研究センター 第2グループ長)、那須 広紹さん(那須電機)がパネリストとして出演。高橋さんがそのままモデレーターを務めた。
パネルでは有償ボランティアによる様々な道具を使った屋根雪下ろしの検証・活動報告、企業側から滑雪シートの研究開発内容、大学生プレゼンにヒントを得た積雪感知センサーを活用した製品、中越地方の産官学協働チームにおける雪国イノベーションネットワーク(通称:スノーコイン)による降雪分布システム、路面温度予測配信システムなど、雪害への取組みに関する貴重な情報が共有された後、様々な課題や経験談、事例紹介を交えながら対策の充実化に向けた意見交換やアイデア出しが行われた。また、将棋の駒の生産で有名な山形県らしく、課題を縦・横軸で繋げる「飛車」の動きだけでなく、斜めにも動ける「角」、さらには思いもよらない分野を繋げる「桂馬」の発想を活用することも重要ではという意見も出されてパネルは終了した。
最後にジョージ・ヤマガタ氏が、次回は最終回としてこれまでのオンラインセミナーを振り返りながら、ジョージ・ヤマガタ氏の独演会形式で、「ポスト」ポストコロナ・パラダイムについて語りたいと挨拶してセミナーは終了。
最終回のジョージ・ヤマガタ氏 Presents 第29回オンラインセミナー「「ポスト」ポストコロナ・パラダイム」は、2021年12月23日(木)18:00~19:30に配信される予定だ。