今回の調査レポート「フィンテックと銀行の将来像(The Future of Fintech and Banking)」は、第3回ロンドン先進金融テクノロジーラボの「投資家の日(Investor Day)」において発表され、大手行の多くがデジタル革命への取組みが不十分であることを明らかにしています。同レポートにおける、先端技術活用によるイノベーションを担当する25名の銀行経営陣に対する調査によると、72%はデジタル革命に対する取り組みが「断片的である」または「場当たり的である」と感じており、40%は「先端技術を活用した打ち手を実行するまでに時間がかかりすぎる」と答えています。その結果、「効果創出機会の取りこぼしがある」、または「まったく利益を生み出していない」と捉えています。
2012年にアクセンチュアが大手金融機関と協力して開設した「ロンドン先進金融テクノロジーラボ」は、ロンドン市長、City of London Corporation、Innovate UKの支援を受けています。本テクノロジーラボは、英国、欧州、その他地域で生まれた黎明期にあるフィンテック企業の支援を目的としています。ロンドン 先進金融テクノロジーラボが開設されて以来、このプログラムに参加した14の企業は3500万ドル以上の新たな資金調達、約50件もの銀行とのビジネス契約、そして170%の売上増を達成しました。2015年度のプログラム参加企業は、Atsora、Cytora、Duco、Pontus Networks、Ripjar、Torusware、xWare42等となります。これら企業が開発する革新的な技術には、リアルタイムの地政学リスク評価、零細企業オーナー向けの財務管理ソリューション、また高速データ交換・リコンサイル技術などが含まれます。
ロンドン先進金融テクノロジーラボは、2010年にアクセンチュアと「Partnership Fund for New York City」が共同設立した、同様のプログラムをモデルにしています。「Partnership Fund for New York City」は1億1000万ドルの資金を擁した「Partnership for New York City(www.pfnyc.org)」の投資部門です。またアクセンチュアは2014年、香港に「アジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボ」、アイルランドに「ダブリン 先進金融テクノロジーラボ」を開設しました。第2回「アジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボ」は、2015年5月1日に募集が開始される予定です。