2016年11月18日(金)、楽天証券(以下、同社)は、同社と契約を結んでいる全国のファイナンシャル・アドバイザー約200名、およびIFA事業を支援する投資信託会社も招いて、第15回「IFAカンファレンス」を東京・内幸町にあるイイノホール&カンファレンスセンターで開催した。
IFA(Independent Financial Adviser=金融商品仲介業者に所属する独立系ファイナンシャル・アドバイザー)とは、個人投資家に資産の運用についてのアドバイスを専門に提供するアドバイザーのことで、 あらゆる金融商品の中から最も適切な商品や運用方法などを中立的な立場で投資家に提案してくれる専門家を指す。
【挨拶】楽天証券 IFA事業部長 大嶋 広康氏、および代表取締役社長 楠 雄治氏
開演の挨拶にたった 大嶋氏(丸写真)は、来場者への御礼の言葉を述べた後、契約事業者数、預かり資産残高について、「10月末現在60社と契約しており、所属IFA数は、4月末581名、10月末629名と人数としては半年間で8.2%増加した。また、預かり資産残高は、4月末1,975億円、10月末2,115億円で10.7%増加、本日現在はトランプ相場の影響もあって2,150億円を超えてきている。」と事業の好調ぶりを紹介。他にも、IFA事業を推進する社内体制やインベストメント・チェーン、新サービスの楽天IFAラップ、確定拠出年金などを挨拶の中で紹介した。
また楠氏は挨拶冒頭で楽天がスペインのFCバルセロナのスポンサーになったことを改めて紹介した後、決算説明会の内容について概略を説明。ボラティリティが低かった上半期業績はやや厳しい状況だとしながらも、収益構造の多角化、分散化は進んでいると語り、投資信託やラップサービス、確定拠出年金への取組やFinTechへの投資を通じた新たなサービスについても言及した。
【IFA アワード表彰 受賞者発表】
両氏の挨拶の後、上半期の表彰式が行われ、「ベスト・パフォーマンス賞」、「ベスト・アセットグロース賞」、「特別賞(新規登録アドバイザー)」部門の授賞者は、壇上に上がって表彰&記念写真に収まりながら会場から大きな拍手を浴る。
【講演】楽天証券 常務執行役員兼IT本部長 平山 忍氏「システム計画レビュー」、 内部管理統括責任者 今井 隆和氏「最新のコンプライアンス・トピック」
平山氏(写真左)はIFA事業の預かり資産、口座数、事業者数等の推移を振り返りつつ、上半期のシステム開発の実績と下半期以降の予定についてを説明し、クラウドの徹底活用やブロックチェーンを含めたFinTechへの取組およびAPI連携強化も加速したいと語った。また、今井氏(同右)はフィデューシャリー・デューティーについて解説した後、販売会社における課題や苦情事例、上半期の訪問検査結果について現状を説明した。
【講演】レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長 藤野 英人氏「投資のチカラで日本を根っこから元気に~楽天証券IFA様と一緒に取り組んでいきたいこと~」
藤野氏は冒頭で日本における投資文化について語り、日本人の預金偏重、投資嫌い、低い投資教育への意識について現状を説明。労働嫌い、会社嫌い、投資嫌いという負のスパイラルが根底にある可能性を指摘する一方、投資の実践の差が家計の差にもなっているとも語り、まずは働くことは楽しいことと理解し、いい会社に投資して、日本を根っこから元気にする意識を持つべきだとして、投資に関する様々な見解を披露した。
講演終了後は同社取締役副社長 髙澤 廣志氏の乾杯の挨拶により懇親会がスタート。参加者は挨拶や情報交換などを行いながら歓談の時間を過ごす。また、当日参加していた投資信託会社も終盤に挨拶を行った。
特定の金融機関に属さず、独立・中立的な立場から資産運用のアドバイスを行う専門家であるIFAは、米国では医師や弁護士と並ぶほど社会的地位が高く、IFAという制度も広く認知されているという。同社は今後もIFAカンファレンス開催などを通じて積極的にIFA事業を推進するとしており、今後の事業の伸びが注目される。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : 柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )