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2015/05/06

【Responsible Investor】スチュワードシップ、コーポレート・ガバナンス、持続可能な長期投資に関する日本および世界の視点「RI Asia 2015」開催!

| by:サイト管理者


 2015年4月21日(火)、22日(水)、世界中の機関投資家に責任投資、ESG、持続可能なファイナンスに関するニュースやイベント情報を提供する Responsible Investor は、グローバルな責任投資コミュニティ、年金基金、アセット・マネージャー、金融機関等から有識者を招き、東京証券取引所において「RI Asia 2015」を開催した。開会式には、Responsible Investor 共同創設者&編集長 ヒュー・ウィーラン氏が登壇。また、東京証券取引所 誉田 由美氏が司会を務めた。



 オープニング講演「持続的成長への変革シナリオ -全体最適に立ったインベストメント・チェーン改革-」では、一橋大学大学院商学研究科 教授 伊藤邦雄氏が登壇。伊藤氏は、本格化してきた市場改革・企業変革のポイントを挙げ、変革は reactive から proactive になったとし、スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードによる情報開示・対話・エンゲージメントなどによるミクロの目とMIF(Management Investor Forum)の創設によるマクロの目による企業価値創造改革を推進していくことで一気呵成の変革により「対話先進国」の実現を目指すグランドビジョンを示すと共に、企業、投資家、個人におけるインベストメントチェーンの高度化やCFO人材の養成など投資家と企業の双対型ガバナンス改革の必要性を唱えた。



 パネル・ディスカッション「より効率的かつ衡平な投資チェーンを通じて持続的成長を創出」では、スピーカーとして、経済産業省 企業会計室 室長 福本 拓也 氏、野村総合研究所(NRI)上席研究員 堀江 貞之 氏、ファーストステート・インベストメンツ 責任投資グローバルヘッド ウィル・オルトン氏、青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科 教授 北川 哲雄 氏が登壇、ヒュー・ウィーラン氏がモデレーターを務めた。



 基調講演には、富国生命保険相互会社 代表取締役社長 米山 好映 氏が登壇。パネル・ディスカッション「日本版スチュワードシップ・コード」では、スピーカーとして、米山氏、QUICK 取締役 ESG研究所長 広瀬 悦哉 氏、アクサIM 投資責任グローバルヘッド マット・クリステンセン 氏、日興フィナンシャル・インテリジェンス アナリスト 杉浦 康之 氏が登壇、マーサー社 取締役 資産運用コンサルティング部門 大塚 修生 氏がモデレーターを務めた。



 基調講演には、PRI Board会長 マーティン・スカンケ氏が登壇。パネル・ディスカッション「日本版コーポレート・ガバナンス・コード」では、スピーカーとして、金融庁 総務企画局 企業開示課長 油布 志行 氏、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント サステナビリティ・ヘッド Meryam Omi氏、三菱商事 法務部長 藤田 和久 氏、三井住友信託銀行 証券代行コンサルティング部 審議役 小森 博司 氏、スウェーデンAP2公的年金基金 ジェネラルカウンセル マーティン・ヨナーソン 氏が登壇、FTSE ESG エグゼクティブ 岸上 有沙 氏がモデレーターを務めた。



 パネル・ディスカッション「受託者責任~持続可能、且つ、強靭性の高い投資へ」では、スピーカーとして、連合(日本労働組合総連合会)総合政策局 総合局長 川島 千裕 氏、国連環境計画・金融イニシアティブ 投資審議コーディネーター エロディ・フェラー 氏、セコム企業年金基金 常務理事 八木 博一氏、ニッセイアセットマネジメント インベストメント・リサーチ・ヘッド 笹本 和彦 氏が登壇、PRI事務局 アジアヘッド ネットワーク&グローバルアウトリーチ 森澤 みちよ 氏がモデレーターを務めた。



 パネル・ディスカッション「世界各国のスチュワードシップとコーポレート・ガバナンス」では、スピーカーとして、APG Asset Management Asia コーポレート・ガバナンス・スペシャリスト YK パク氏、ユニリーバ年金基金 グローバルCIO マーク・ウォーカー 氏、MSCI ESG Research バイスプレジデント シニアESGアナリスト 鷹羽 美奈子 氏、ブリティッシュ・テレコム年金基金 責任投資部門ヘッド ダニエル・イングラム 氏が登壇、CFA Institute 前議長 T&Dアセットマネジメント最高投資責任者 チャールズ・ヤン氏がモデレーターを務めた。

 その後、東京証券取引所 代表取締役社長 清田 瞭 氏による基調講演とCocktail Reception & Buffetで1日目の開催を終えた。



 2日目は、ERAFP (公務員退職年金補完基金) CEO フィリップ・デフォセ 氏による基調講演のほか、パネル・ディスカッション「機関投資家と低炭素経済」、パネル・ディスカッション「ESGと気候変動指数:ベンチ―マーク・指数の今後の動向」が行われた。



 パネル・ディスカッション「中・長期計画の策定により投資強靭性をポートフォリオに組み込む:パブリックエクイティ、プライベート・エクイティ、およびインフラストラクチャ」では、スピーカーとして、アーク東短オルタナティブ 代表取締役社長 棚橋 俊介 氏、USS Investment Management 責任投資部門共同代表 デイビッド・ラッセル 氏、早稲田大学 大学院ファイナンス研究科 教授(経済学博士) 米澤 康博 氏が登壇、野村證券 フィデューシャリー・サービス研究センター 西迫 伸一 氏がモデレーターを務めた。



 パネル・ディスカッション「グリーン債は持続可能なファイナンスの有効手段となるか?」では、スピーカーとして、欧州投資銀行 IR・マーケティング責任者 ピーター・ムンロ 氏、株式会社日本政策投資銀行 財務部 財務課長 松井 泰宏 氏、日本生命保険相互会社 取締役執行役員 大関 洋 氏が登壇、上智大学大学院 地球環境学研究科 藤井良広 氏がモデレーターを務めた。

 そして、最後のパネル・ディスカッション「2020年ビジョン」では、スピーカーとして、PRI Board会長 マーティン・スカンケ氏、三井住友信託銀行 経営企画部CSR担当部長 金井 司 氏、Environment Agency Pension Fund 責任投資・リスク部門チーフ フェイス・ワード 氏が登壇、ヒュー・ウィーラン氏がモデレーターを務めた。



 その後、PRI Networking Session が行われた。責任投資原則PRI(Principles for Responsible Investment)イニシアティブは、投資家がESG(環境・社会・ガバナンス)を理解して投資の意思決定や株主として行動し、長期的なパフォーマンスを向上することで受託者責任を果たすことを目的とする国際的なネットワークで、世界50ヵ国1,300以上の機関が署名しているという。

 また、PRI日本ネットワーク(議長:セコム企業年金基金 常務理事 八木 博一 氏)は、国内外の署名機関と問題意識を共有することを目的に2010年3月に設立、ESGの諸問題に取り組むための連携を進めているほか、アウェアネスワーキンググループ(議長:ニッセイアセットマネジメント 運用ソリューション部 坪内 力 氏)、プライベート・エクイティ(PE)ワーキンググループ(議長:アーク東短オルタナティブ 代表取締役社長 棚橋 俊介 氏)、不動産ワーキンググループ(議長:CSRデザイン環境投資顧問 代表取締役社長 堀江 隆一 氏)、コーポレートワーキンググループ(りそな銀行 信託財産運用部 グループリーダー松原 稔 氏)など4つの分野において活動を続けており、各議長から近況の取組みについて報告が行われた。



 その後、会場との質疑応答やそれぞれの意見が示され、最後に講演「企業価値創造企業の経済的特徴」(一橋大学 加賀谷 哲之 氏)が行われ、2日間にわたる全プログラムが終了した。



 Environmental(環境)、 Social(社会)、Governance(企業統治:ガバナンス)という観点において、企業や経営者が目指す社会課題解決に向けたビジョンと持続的な成長に向けたロードマップなど、過去の決算データだけでは捉えることができない将来的な企業価値を評価する上で、エンゲージメント(対話)を通じた投資家側の目利き力の重要性はますます高まっている。今後の Responsible Investor、および PRI の活動に注目したい。

(取材、撮影、記事、編集・制作:藤野 宙志 @株式会社グッドウェイ )



06:37 | 写真:金融・IT業界向け




 

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