2014年2月26日(水)、インテリジェント ウェイブとジーフィーは、個人投資家の利便性向上に向けて次世代オンライントレードシステムの分野において戦略的な業務提携を行うと発表、翌日の2014年2月27日(木)には、東京・水天宮前にあるロイヤルパークホテルで開催された『第15回日本国際金融システムフォーラム2014』にブースを出展、会場を訪れた大勢の金融業界関係者(銀行、証券、運用、保険、清算・決済機関、政府機関、ベンダーなど)に対して今回の取組みを紹介した。
2014年3月5日(水)、グッドウェイは、東京・新川にあるインテリジェント ウェイブの本社において、今回の提携の背景と狙い、今後のビジョンと製品展開などについてインタビューを行った。
本日はよろしくお願いいたします。あらためまして、プレスリリースの発表、おめでとうございます。
ありがとうございます。SIRIUSは、1年半前から開発に着手したマルチアセット対応のオンライントレードシステムです。先ずFX版から提供を開始し、年内目途に、株式、先物・オプションに対応する予定で開発が進行中です。おかげさまで、プレスリリース発表後、専用サイトへのアクセスが多くありました。
とても興味深いですね。あらためまして、今回の提携の背景と狙いについて教えてください。
これまでインテリジェント ウェイブでは、セルサイド、オンライン証券向けに高速トレード基盤として低レイテンシやSOR(スマート・オーダー・ルーティング)といった分野において海外の実績のあるソリューションや自社製品を組み合わせて主にサーバサイドを提供してきました。一方、昨今のスマートフォンをはじめとする環境変化が急速に進む中、クライアントサイドを含むトータルソリューションが求められており、クライアントソリューションに強い企業を探していた際に、ジーフィーと出会いました。ジーフィーはFXのオンライントレードの分野で8社の提供実績があり、また、豊富な開発実績と経験、高い技術力を持っていることから、提携することで両社の得意分野と強みを生かせると判断し、提携させて頂くことになりました。
手数料競争が激しい株式やFXの分野では証券会社側において収益を確保し続けていくことが難しいようですが、どのような金融機関にどのようなメリットを訴求していかれるのでしょうか?
証券業界ではリーマンショック以降、元気のない大手証券会社が多数ありましたが、昨年からのアベノミクスにより足元では収益が出ており環境は好転しています。また、これまで大手証券会社ではネットチャネルは対面の補完的な位置づけでしたが、個人投資家における若年層の増加やマルチデバイス化によるネットの必要性も高まっており、既存のアカウント証券会社の中にはマーケットデータ基盤を20年以上提供するなど実績を基に、フロントとの融合をテーマに掲げ、再度ニーズを掘り起こしていきたいと考えています。
FX、株式、先物・オプションとマルチアセット対応ということですが、外国株にも対応される予定ですか?
最近は一部のオンライン証券会社でも、グローバル化が進む金融市場において投資家の多様なニーズに応えるべく、米国やアジア市場の株式の取扱いを始めています。付加価値の増大と差別化を図るためのビジネスモデルを支援し、証券会社がその価値に見合う手数料を稼げるよう、市場ニーズにタイムリーに対応できる包括的なソリューションを提供していきたいと思います。
証券会社といろいろなお話をする中で、口座を持つ投資家に対してツールやサービスを提供しても、なかなか遊んでくれなくて残念という声を聞きます。コンテンツ作りとマルチデバイス対応をどのように結び付けていくか、これまで培った実績を活用して提案していきたいです。
遊んでもらうというコンセプトはいいですね。投資は実利的な側面のみならず、プロセスを通じた楽しみや納得感も大事な要素だと思います。開発者の皆さんも、遊び心を養うべく、実際に取引していらっしゃるのですか?
はい、そして、ゲームが好きな開発者も多く、いきなり本取引する前に、何度もシミュレーションしたりトレーニングすることで自信を持って取引に臨んでもらえるような仕組みづくりも大事だと考えています。
今、ゲームの話が出てきましたが、インテリジェント ウェイブ社において遊び心を養う要素技術はありますか?
まだ金融業界に展開をしていませんが、キーボードから入力した質問文章を解析し、その意図を正しく理解してウェブページやデータベースを解析し、サイト内の適切な情報に導くウェブ上のコンシェルジュシステム 『Faceコンシェル(フェイスコンシェル) 』を開発し、ANA(全日本空輸)のウェブサイト内のFAQ用ナビゲーターとして採用されています。
今後、このようなシステムと組み合わせることで、銘柄探しや自分に合った証券会社探しといったサービスに応用していくなど、さまざまな可能性があると思います。
今後、Saas(Software as a Service)による提供や海外展開も考えられていらっしゃいますか?
Saasについてはファシリティーの準備も必要になるお話しなので当初からは予定しておりませんが、今後ニーズも出てくると思いますので考えていく必要はあります。これまでのアルゴリズムやレイテンシと言ったキーワードに加え、パフォーマンスを追及した全体最適化と新しいユーザーエクスペリエンスの提供を通じた顧客満足の向上を図れるサービスの実現を目指していきたいと思います。また、海外展開については、韓国に100%子会社のINTELLIGENT WAVE KOREA INC. もあり、インドでのオフショア開発の経験などを踏まえ、適宜、市場ニーズに応えていきたいと思います。
最近はスマートフォンによる家計簿や決済サービスの利用が広がっているようです。今後の展開の可能性について教えてください。
弊社ではカードビジネスの分野でも強みがあり、カード発行会社や加盟店に向けた事業領域の拡大を推進していく方針です。そのような中で、付加価値の増大につながるあらゆる可能性を視野に入れて取組んでいきたいと思います。
今回の提携により、両社が持つ幅広いお客様とダイレクトにお話をする機会を増やして相乗効果を高めると共に、コンテンツやブランディングの強化を図っていきます。半年毎に新しいデバイスが登場する中、そのスピードに対応できる技術力と多様なプログラム言語を組み合わせ、ベストなパフォーマンスを目指していきたいと思います。
楽しみですね。今後の証券業界における次世代に向けた新しいイノベーションのきっかけとなるサービスの登場に期待しています。本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
-以上-
( 取材、インタビュー、記事:藤野 宙志 / 撮影、編集・制作 柴田 潔 )@株式会社グッドウェイ