当日は楠 雄治氏(楽天証券 代表取締役社長)より、決算および事業概要や戦略・施策について説明が行われ、清野 英介氏(同 副社長執行役員)、由井 秀和氏(同 常務執行役員)も同席。進行役を松﨑 裕美氏(同 経営企画部 広報担当)が務めた。
楠氏は1年間の決算概要(1月~12月連結業績)について、新規顧客獲得に要した広告宣伝費を含めた取引関係費の増加が営業利益155.92億円(+3.3%)をやや圧迫した一方で、営業収益自体は895.75億円(+23.9%)と好調に推移したとし、主要オンライン証券との比較しても、営業収益や株式売買代金、信用取引や投信残高の伸びが著しいことを資料を基に説明した。
次に事業の概要について、総合口座数が714万口座で前年同期比+40.6%と大幅な伸びを示した他、信用残高、預かり資産、投信残高、IFA預かり資産などがいずれも同30%超の増加、投信の販売額や残高、積立設定額においては2倍増以上の増加となったと語り、各商品・サービス毎の現状も詳しく紹介した。
今後の戦略・施策については、健全な経営計画の観点から、新規顧客獲得重視からこれまで以上に顧客の長期資産運用における持続的サポートを重視する施策に軸足を移したいとして、家族での資産づくりを支援する「家族プログラム」、投資を学ぶ「トウシル」におけるポイントプログラムなどを、今春以降に順次展開し、顧客とのエンゲージメントを強化していくと述べた。また、国内主要証券初となる電子マネーでの有価証券購入を活用した楽天グループのオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」での投信積立決済の開始、楽天市場の「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」の対象に米国株式を追加するなどの新たな発表のほか、好調なNISA、IPO実績も交えながら紹介し、顧客の利便性向上や定着を目指すとした。
最後の記者団との質疑応答では、施策転換の背景、ポイント還元率変更の影響、オウンドメディア事業の位置付けや展開、米国株の収益割合や顧客属性などについて質問が寄せられ、楠氏、清野氏が丁重に回答した。
新規顧客獲得にも引き続き注力する上で、エコシステムを活用した一層の利便性向上に経営資源を投入し、顧客の楽天へのロイヤリティー向上とファンの定着を目指そうとする楽天証券の今後の取組みと事業展開に注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )