日産センチュリー証券は、2013年4月18日に「セブンインベスターズの全株式取得について」、2013年4月25日に「ファイブスター投資顧問への資本・業務提携について」を発表しました。今回、グッドウェイは、日産センチュリー証券 代表取締役社長 二家 英彰 氏、セブンインベスターズ 代表取締役 宮入 義勝 氏を訪ね、M&Aの背景と目的、そして今後の取り組みについてインタビューを行いました。(取材日:2013年7月3日)
日産センチュリー証券は、世界で唯一の東京証券取引所、大阪証券取引所、東京商品取引所、大阪堂島商品取引所、EUREXの取引参加者であり、証券取引はもちろんのこと国内外の証券、商品、FX等のデリバティブ取引を1社で完結して取引することができるユニークな証券会社です。全国14店舗網による地域密着型の対面チャネルに加え、国内外のデリバティブ取引を提供するネットチャネルも充実しており、リテールビジネスのみならず、ホールセールビジネスにおいても定評があります。
実は、前回(取材日:2013年2月25日)の二家氏へのインタビューの中で、以下の発言がありました。
『当社の戦略のコンセプトは「マルチプロダクト&マルチチャネル」です。その狙いは、あくまでも投資家が勝つための合理的な仕組みと手段を提供すること。』
そして、 『店頭FXについてもM&Aを含めた事業展開を検討している。』としていました。
今回のM&Aをリードした宮入氏はFX業界における自身の豊富な経験をもとに、今回の店頭FXプロジェクトの責任者として日産センチュリー証券に入社、二家氏から全権を任され直接候補各社のオーナーと交渉にあたったといいます。
『セブンインベスターズを候補先とした理由は、シストレを好む利用者層が多く、NDD(No Dealing Desk)という事業モデルが我々の考えている方向性とマッチしていたからです。』(宮入氏)
『日産センチュリー証券は、店頭FXだけで経営を維持していくわけではありません。あくまでも、投資家に多様な商品を提供していく取り組みの一環と捉えています。』(二家氏)
『セブンインベスターズの一番の強みは、業界でも先立って取組んできたシステムトレードに順応していることです。』と、宮入氏は言い切ります。NDD(No Dealing Desk)によりディーラーを介さずにカバー先に直接注文を流すことで、システムトレードの運用において重要なファクターとなるスリップやリジェクトを低減しているといいます。また、有名な「Trading StationⅡ」や「MT4」の他、「Kaburof」、「VT-TraderII」といったセブンインベスターズだけでしか利用できない取引ツールも用意し、大きな特徴としては、プラグインにより一つの口座でこの3つの取引ツールを利用できる点が挙げられます。これにより、様々な手法で資金効率を高めたFXの運用が可能になります。尚、このプラグインについては、海外からも問合せがあるほど注目を集めているといいます。
セブンインベスターズでは、今後、システムトレードに興味を持つ初心者から上級者までの幅広い投資家や実需取引をしている法人、プロップ取引を行う特殊法人などにも向けたサービスを更に強化すると共に、日産センチュリー証券との統合に向けた準備を進め、株式、日経225、商品先物、大証FXなど、幅広い商品ラインナップの一つとして為替を活用したサービスの拡充、投資家である利用者のロイヤルティーを高められるサービスの開発を目指していくそうです。
ネットと対面の融合、株式、商品先物、FXを含む店頭デリバティブ取引まで横断的に扱える時代の局面を超える新しいスタイルの証券会社の実現へ、今後の統合の行方とサービスの展開に大いに注目したいと思います。
(インタビュー、記事:藤野 宙志 撮影、編集/制作:柴田 潔)
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