2. デジタル債を発行するプラットフォームの概要 本デジタル債では、従来の証券保管振替機構による管理に代わり、BOOSTRYが主導するコンソーシアム型ブロックチェーンネットワーク「ibet for Fin」(以下「ibet for Fin」(※2))を用いて発行・管理を行い、発行から期中管理、償還までの業務プロセスを電子的方法により完結させます。ibet for Finに係るシステム上で社債原簿の管理を行うとともに、従来型の社債では困難であった発行会社による社債権者の継続的な把握等を可能にしています。
3. グリーン・デジタル・トラック・ボンドの概要 日本取引所グループは、本デジタル債によって調達した資金使途の透明性を高めるため、日立のデジタル技術を活用して、資金充当した発電設備の発電量を自動的に計測し、CO2削減量に換算する仕組みを構築します。こうしたデジタル技術を活用することで、投資家がいつでも外部からモニタリングできる仕組みを構築し、年次のレポーティングだけではない高い透明性を目指します。また、BOOSTRYへのデータ連携を行い、ibet for Fin上に発電量/CO2削減量を記録することで、データの透明性・適時性を高めることが可能となります。これらにより、将来的にはサステナビリティ目標の達成状況によって利率などの条件を自動的に変更させるサステナビリティ・リンク・ボンドへの応用が検討可能になるものと考えております。なお、投資家が発電量をモニタリングできる仕組み(デジタル・トラック機能)については、下記5.記載の各発電設備において稼働後速やかに実装される予定で、調達資金は開発する発電設備に対し充当します。 本デジタル債は、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりグリーンボンドフレームワークに対するセカンド・パーティ・オピニオン及び調達資金が環境問題の解決に資する事業に投資される程度について5段階の評価を行う「R&Iグリーンボンドアセスメント」の予備評価で最高評価である「GA1」を取得しています。なお、本デジタル債は環境省による「令和3年度グリーンボンド等促進体制整備支援事業」及び東京都による「東京都グリーンボンド等促進体制整備支援事業補助金」の補助金交付対象となっております。