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2016/06/16

【近畿財務局】プレジアン証券株式会社に対する行政処分(業務停止命令 )

| by:ウェブ管理者
1.プレジアン証券株式会社(本店:大阪市中央区、法人番号5120001129838)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の法令違反の事実が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた(平成28年6月9日付)。

(1)金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
 当社は、平成27年11月末現在で3社の社債の販売を行っている。
 当該3社の財務状況等を検証したところ、各社において、以下の状況が認められた。

(A社:発行残高2000万円)
・売掛金の大半が予定どおり回収できていない状況

(B社:発行残高9600万円)
・金融機関からの借入金について返済猶予を受けている状況
・回収困難となっている売掛金や費用として処理すべき前払費用が資産として計上されている状況
・社債の発行により調達した資金によって行うとしている事業の売上げに係る計画が、過去の実績に比して大幅に乖離している状況
・6期連続して当期純損失を計上しているところ、純資産額の約3倍に相当する額を計上している繰延税金資産の回収可能性の評価によっては、債務超過となる状況

(C社:発行残高6000万円)
・社債を販売する直前の決算期末において債務超過となっている状況
・当該債務超過についてはその後の増資により解消されたとしているが、当該増資はC社の代表者らが有する特許権を現物出資したものであり、現金流入を伴わないものである状況

 また、当社は、当該3社が上記状況にある中、社債による資金の調達コスト(利率:9%、募集取扱手数料等:実質15%又は19%)が当該3社の財務内容や社債の償還可能性に与える影響について、十分な検証を行っていなかった。

 当社は、当該3社の財務状況等に上記のような問題があることを一定程度認識していたにもかかわらず、顧客に対し、これを一切説明せず、一般的な倒産リスク等の説明を行うだけで、当該3社の財務状況等に具体的な問題が生じていないかのような誤解を与える表示をし、当該3社の社債の販売を行った。

 当社の上記の行為は、金融商品取引法第38条第8号(平成26年5月30日法律第44号による改正前は同条第7号。)に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、(略)重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。


(2)適格機関投資家等特例業務の運営に関し、投資者保護上問題がある状況
 当社は、適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)として、平成26年7月に「ゼタ地球防衛軍第1号投資事業有限責任組合」(以下「ゼタファンド」という。)を組成し、ゼタファンドの出資持分の取得勧誘を行うとともに、出資を受けた資金について、未公開のD社株式に投資することにより運用を行うこととしている(出資者数約20名、出資総額約1億円。)。
 当社によるゼタファンドの運用の状況を検証したところ、以下の問題が認められた。
 
 当社は、D社の創業者で代表取締役である甲(以下「甲社長」という。)が平成26年5月20日に増資を引き受けたD社株式2900株(1株1万円)のうち400株について、3ヶ月も経過しない同年8月6日、ゼタファンドにおいて、価格交渉を行うことなく、特段の根拠もないまま1株6万円で甲社長から買い付けるとともに、同日、ゼタファンドにおいて、D社から1株6万円で1000株の増資も引き受けた。
 なお、上記2900株のうち900株については、同年5月20日及び30日に甲社長から当社顧問でD社取締役の乙に1株1万円で譲渡されている。
 この結果、D社株式は、甲社長が従前の100株と合わせて1700株(1株1万円)、乙が900株(1株1万円)、ゼタファンドが1400株(1株6万円)を保有するに至った。さらに、甲社長は400万円の金銭的利益を得た。
 当該一連の取引は、ゼタファンドがD社株式でのみ運用することを目的とするファンドとして組成されたものであるところ、当社と甲社長との間で、その組成段階から、ゼタファンドを利用することにより、甲社長が金銭的な負担を一切負うことなく、一定の議決権比率と金銭的利益を確保しつつ、D社の資金調達を可能とすることを意図して行われたものである。

 当社は、もっぱらゼタファンドの出資者のためにゼタファンドの運用を行うべき立場であるにもかかわらず、上記のとおり、ゼタファンドにおいてD社株式を高値で買い付けるなどにより、D社及び甲社長に一定の利益を得させる一方、ゼタファンドの出資者の利益を害することとなるような上記一連の取引を行ったものである。

 また、当社は、上記のような利益相反となる資金調達スキームを企図したほか、D社が当該資金調達を行わなければ債務超過であることを認識していたにもかかわらず、ゼタファンドの出資者に対し、これを一切説明しないまま取得勧誘を行っており、ゼタファンドのスキームやD社の財務状況等に特段の問題がないかのような誤解を与える表示をしたものである。
 
 以上のとおり、当社の特例業務の運営状況は著しく不適切であり、投資者保護上重大な問題があるものと認められる。


原文はこちら
http://kinki.mof.go.jp/file/rizai/pagekinkihp20160616syobun.html

16:10 | 金融:行政・取引所・団体
 

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