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2014/05/29

【関東財務局】ヴィエナキャピタル・ジャパン株式会社に対する行政処分~無登録で海外ファンドの私募の取扱い、資料の不提出、人的構成が確保されていない状況等により登録取消し処分

| by:ウェブ管理者
1.ヴィエナキャピタル・ジャパン株式会社(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の法令違反行為が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われました。(平成26年5月20日付)

(1)無登録で海外ファンドの私募の取扱いを行っている状況
 当社は、平成20年2月上旬から同26年1月中旬までの間、当社と投資顧問契約を締結している顧客に対し、外国で発行される集団投資スキーム持分(以下「海外ファンド」という。)の資料を提示し、その商品内容、コスト、メリット、デメリット等の説明を行った上で、取得申込書の送付など、取得申込手続のサポートを行うことにより、少なくとも8顧客に対し、取得契約を成立させている。
 他方、顧客による海外ファンドの取得に関しては、当社の代表取締役が唯一の株主・役職員として業務上の意思決定を行うなど当社と一体と認められるVienna Capital Holdings Limitedが、海外ファンドの発行者との間の契約に基づき、当社顧客の海外ファンドに対する投資資産残高に応じた報酬を当該海外ファンドの発行者から受領している。
 このような当社の行為は、海外ファンドの発行者のために行っている海外ファンドの取得の勧誘行為であり、私募の取扱いに該当するものと認められる。
 当社が行った上記の行為は、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第28条第2項に規定する第二種金融商品取引業に該当するものであり、当社が金商法第31条第4項に基づく変更登録を受けることなく第二種金融商品取引業を行うことは、金商法第29条に違反するものと認められる。

(2)報告徴取命令で提出を求められた資料の不提出
 今回検査の過程において、上記(1)の具体的な実態把握のため必要な資料の提出を再三要請したものの、当社は提出を拒否し続けている。これを踏まえ、関東財務局長は当社に対して二度にわたる報告徴取命令を発出し、当該資料の提出を求めたが、当社は正当な理由がないにもかかわらずこれを提出していない。
 当社が行った上記の行為は、金商法第52条第1項第6号に掲げる「金融商品取引業に関し法令又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に該当するものと認められる。

(3)投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていない状況等
 当社は、当社の唯一の常勤役職員である代表取締役が金商法等の理解を欠いているにもかかわらず、投資助言・代理業務に関する十分な知識及び経験を有する役員又は使用人を配置していないなど、必要な法令等遵守態勢の整備を怠っている結果、上記(1)のとおり、無登録で海外ファンドの私募の取扱いを行っていることに加え、契約締結前交付書面などの法定書面の記載不備等、以下のとおり多くの法令違反が認められる状況となっている。
 ア 標識の未掲示(金商法第36条の2第1項に違反)
 イ 契約締結前交付書面の記載不備(金商法第37条の3第1項に違反)
 ウ 契約締結時交付書面の記載不備(金商法第37条の4第1項に違反)
 エ 投資顧問契約に基づく助言の内容を記載した書面の未作成(金商法第47条に違反)
 オ 契約締結前交付書面の写し、契約締結時交付書面の写し及び投資顧問契約の内容を記載した書面の未保存(金商法第47条に違反)
 カ 事業報告書の記載不備(金商法第47条の2に違反)
 キ 説明書類の公衆縦覧の不履行(金商法第47条の3に違反)
 ク 訴訟当事者になった旨の届出の未提出(金商法第50条第1項第8号に違反)
 また、上記(2)のとおり、当社の代表取締役には法令等遵守意識が著しく欠如している。
 以上のことから、当社は、金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていない状況にあると認められる。
 当社の上記の状況は、金商法第29条の4第1項第1号ニに掲げる「金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者」に該当するものと認められ、このような当社の状況は、金商法第52条第1項第1号に該当するものと認められる。

2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金商法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行いました。


(1)登録取消し
  関東財務局長(金商)第1729号の登録を取り消す。

(2)業務改善命令
 1) 本件についての適切な顧客説明を行い、顧客の求めに応じ、誠実に対応すること。
 2) 現在、当社と投資顧問契約を締結している者との契約を適切に終了させること。
 3) 本件行為の責任の所在の明確化を図ること。
 4) 上記1)から3)について、1ヶ月以内に書面で報告すること。


原文はこちら
http://www.fsa.go.jp/news/25/syouken/20140528-2.html

18:18 | 金融:行政・取引所・団体
 

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