アズ・ア・サービスの拡がり 今年のFIN/SUMのテーマは、「フィンテック・アズ・ア・サービス(Fintech as a Service)、デジタル社会のプラットフォームを目指して」です。この「アズ・ア・サービス」(as a Service)という用語は、最近、いろいろなところで目にします。その使われ方は、製品機能のサービス化、平たく言えば、顧客に商品を売り切る「販売」に対し、顧客が必要な時に「サービス」として提供するビジネスモデルのことを指しているようです。
例えば、ソフトウエアサービスは、購買と利用の組み合わせで成り立っていました。しかし、ネット化した社会では必要な時に必要なサービスを呼び出せばよく、スマートフォンでレストランを予約する際には、予約サービスのみを享受しています。企業活動においても、会計経理サービス、受発注・請求サービス、顧客管理や営業支援サービス、人事労務管理サービスなど、多様な業務アプリケーションが、必要な時に呼び出される「ソフトウエア・アズ・ア・サービス」(Software as a Service)として提供されています。
こうした動きは、ソフトウエアにとどまりません。車を所有せずに移動サービスを購買する「モビリティ・アズ・ア・サービス」(Mobility as a Service)、サーバーなどITインフラのハードウエアを所有せずに利用サービスを購買する「インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス」(Infrastructure as a Service)など、経済のサービス化の流れにも乗って、様々なアズ・ア・サービスが次々に登場しています。これらを総称して「エヴリシング・アズ・ア・サービス」(Everything as a Service)という言い方もあるそうです。