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2013/11/22

【大証】先物・オプションレポート2013年11月号

| by:ウェブ管理者
1 はじめに

代表的な金融時系列データである資産収益率の経時データ一般には、分散項の高変動(あるいは低変動)期間が持続するボラティリティ・クラスタリングの存在が実証分析により知られている。そうした性質をとらえるための、ボラティリティ(分散項) が時間変動するモデルとして一般的なのものは一般化自己回帰条件付き不均一分散(Generalized Autoregressive ConditionalHeteroscedastic, GARCH) モデルと確率的ボラティリティ(Stochastic Volatility, SV) モデルである(Bauwens et al. (2012)、渡部(2000))。
これらは、ひとつの系列を対象とする一変量モデルにとどまらず、系列間の関係を説明するため、複数の系列を対象とする多変量モデルに拡張される。金融時系列間の相関はそれ自体が関心の対象であることに加え、実務上もその実態を知ることには意味があるためである。例えば資産運用などの際、資産収益率間の相関を考慮してポートフォリオを構成することで、有効なリスクヘッジとよりよいパフォーマンスが期待される点が挙げられる。

金融時系列データについて、そうした資産収益率間の相関は時間変動することも知られており(McNeil et al. (2005))、分散項のみならず資産収益率間の相関項も考慮すれば、より現実に即した金融時系列モデリングの実現につながる。データが多次元になると、推定するパラメータが一変数の場合と比較して急増して推定が困難になることが多いが、本稿ではその中で最も単純な、二変量の資産収益率データ系列を対象とする、データ間の相関が時間変動するSV モデルを取り扱う。GARCH 型のモデルは本シリーズの里吉・三井(2011)、渡部(2011)、三井(2013) などに見られるように実証やモデルの拡張なども多いが、SV モデルは最尤法等で推定
することは難しく、GARCH 型ほど利用されているわけではない。ここでは、そうしたSV 型のモデルについて紹介し、実証面での有用性に触れていく。


原文はこちら
http://www.ose.or.jp/f/research_reports/679/reports/rerk1311.pdf

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