2021年8月30日(月)、ARCH企画運営室は、デジタル庁の発足に先駆けた特別企画としてARCHセミナー「デジタル庁が推進するデジタル社会の未来像~契約・決済データ利活用による異業種連携の新規ビジネス創出~」を開催した。
ARCHは、世界で初めて大企業の事業改革や新規事業創出をミッションとする組織に特化して設立されたインキュベーションセンターで、虎ノ門ヒルズエリアでグローバルビジネスセンターの形成を目指す森ビルが企画運営し、この日のセミナーも同会場で行われた。同セミナーでは、企業間取引におけるデジタル化推進に関する初期的検討をキャッチアップし、今後想定される契約・決済のデータを活用したアイデアの紹介やユースケースなどについて議論が行われた。
冒頭、佐々 真康氏(森ビル オフィス事業部 企画推進部 ARCH企画運営室)より、ARCHと他のインキュベーションセンターとの違いとして、会員は大企業の中でも事業創出や既存事業の進化を目指す事業部の方のみが利用していることを紹介。新たに発足するデジタル庁がどんなことを考え、目指すDXとはどうようなものか、セミナーを通じて事業創出につながるヒントを得てほしいと語って挨拶とした。この日の司会は、斉藤 舞氏(サークル・オブ・ライフ 代表取締役社長兼CEO)が務めた。
プロジェクトのご紹介
| 「企業間の取引データ連携と経営DX、新規ビジネス創出」 |
続いて、出光 啓祐氏(経済産業省 商務情報政策局 情報経済課)より、「企業間の取引データ連携と経営DX、新規ビジネス創出」と題して、取引の流れがリアルタイムに見えているか、取引データを活用できているかをテーマに、企業の現状と課題、デジタル庁が取組む重点計画として「契約・決済」分野における全体のアーキテクチャーと官民連携の重要性に触れ、関連する取組みと今後のスケジュール、メリット(コスト削減、経営のDX、データの利活用 )について紹介した。
パネルディスカッション
| 「商流金流データの活用による新たなビジネス創出」 |
その他にも、サーキュラーエコノミーや、AML/CFT(マネーロン/テロ資金供与)の観点から商流金流データのリンクや取組みに向けた議論、ライバルではなく仲間として壁を超えた関係構築、長らく議論されてきたことの実装に向けた気付きとして経済界からのインプットの必要性について語られた。続いて、参加者(オンライン参加、リアル参加)との質疑応答が行われた。
最後に、出光 啓祐氏(経済産業省 商務情報政策局 情報経済課)より、お礼の言葉と共に、この日のまとめとして、業種をまたぐデジタルインフラの整備、ビジネス環境の変化へのアジャイルな対応、社会全体に最適なアーキテクチャのデザイン、について語り、挨拶として締めくくった。
新たに発足するデジタル庁が重点領域とする「契約・決済」分野に関して新たなビジネス創出(データ利活用)のイメージを広げ、議論を掘り下げた今回のセミナー。官民の相互連携により多くの新規事業企画が生まれ、デジタル社会の実装が一層加速することに期待し、今後の取組みに注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )