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2021/12/24

【国際協力銀行】わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告~2021年度海外直接投資アンケート調査結果(第33回)~

| by:ウェブ管理者
株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:前田 匡史)は、わが国製造業企業の海外事業展開の動向に関するアンケート調査を実施し、本日結果を発表しました。今回の調査は、本年7月に調査票を発送し、10月にかけて回収したものです(対象企業数965社、有効回答数515社、有効回答率53.4%)。本調査は、海外事業に実績のある日本の製造業企業の海外事業展開の現況や課題、今後の展望を把握する目的で1989年から実施しており、今回で33回目となります。(報告書全文:わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告(PDF: 3.9MB))

本年度調査では、「事業実績評価」、「中期的な事業展開姿勢」、「有望事業展開先国・地域」などの定例テーマに加え、個別テーマとして「サプライチェーンの中期的な見通し」、「DXに向けた取り組み」、「脱炭素に向けた取り組み」などについて調査を実施しました。

本調査結果の要旨は以下の通りです。
(1)日本の製造業は新型コロナに続く物流のひっ迫・半導体不足などに翻弄、影響は長期化の様相
今年度は、各国・地域で繰り返される新型コロナの感染拡大・収束の波に加え、半導体不足や物流のひっ迫など、解決を見通せない要因を複数抱える中での調査となった。2020年度の海外生産比率はほぼ横ばいの33%台、中期的な見通しは35%台と低く、新型コロナ前の水準への回復は先送りとなっている。こうした中、今後の事業展開についても現状維持とせざるをえない模様で、直後に急回復したリーマンショックの時とは異なり、新型コロナとその余波を受けた不透明要因の影響がやや長期化する様相を見せ始めている。

(2)有望国ランキングでは中国が首位を維持、米国がほぼ20年ぶりに3位に浮上
今後3年程度の有望な事業展開先国については、昨年度調査に続き中国が首位を維持。調査実施時点で新型コロナの感染拡大による操業制限などの影響が深刻化していたインドやASEAN各国が軒並み得票率を落とすなか、景気拡大を続ける米国が幅広い業種からの支持を受けて3位に浮上、台湾もほぼ10年ぶりに上位10カ国にランクインした。今回の調査では、インドの得票率が2005年以来の低水準となる一方で、3位となった米国の得票率が2001年以来の高水準となっており、来年度以降に両国の逆転が起きるかが注目される。

(3)サプライチェーンを巡るリスクは"物流の途絶"が最大、半導体不足は全業種へ影響
サプライチェーンを巡る外的リスクについては"疫病"を抑えて"物流の途絶"が最多の回答を集めた。スエズ運河の通航障害や海運の混乱などが意識されており、複雑で長い調達網を抱える企業にとって物流の安定的な維持が最重要課題であることを示した。また、半導体不足の影響は全業種にマイナスの影響をもたらしつつも、わずかではあるが半導体製造関連を中心に幅広い業種からプラスの影響との回答も寄せられ、半導体産業の裾野の広さを印象づけた。なお米中デカップリングについては、昨年度に続き両国のバランスをとる姿勢が示唆されている。


原文はこちら
https://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2021/1224-015678.html

15:18 | 金融:銀行
 

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