ふるさと山形を思いながら、首都圏の企業に就職していく若者も多いなか、県外で長くビジネスキャリアを積んできたパネリストが支店長としてふるさとに戻り、仕事や生活の中で改めて感じた山形県のポテンシャルや注力すべきポイント、およびふるさと山形の魅力的なビジネス環境構築について議論した。
感染対策を万全に行った上で、進行役の平塚さん(山形県 産業労働部中小企業創業支援課)、パネリスト4名が山形県直結の霞城セントラルに集まり、会場からのリアルな議論としてオンライン配信した今回のセミナー。
ジョージ・ヤマガタ氏は挨拶で、本セミナーは視聴者の皆さんと共に創っていくもので、よいアイデアがあれば積極的に事務局にご連絡をと呼びかけた上で、今回は県外で長くビジネスキャリアを積んできた支店長の方々に、会社の肩書を捨てて久しぶりに故郷に戻って仕事・生活をして改めて感じた山形県のポテンシャルや、他県と比べて力を入れる必要があると感じる視点などを議論いただき、故郷・山形を若者たちにとって魅力的なビジネス環境にするための提言をしていただければと語った。
また山形県では、大学進学などにより毎年多くの若者が首都圏に旅立っており、令和元年10月から令和2年9月の山形県の状況を見ると、18歳から24歳までのいわゆる若年層が県外へ転出していく人数は6,751人もおり、逆に県外からの転入者数は3,879人で転出超は2,872人と、若者の県外流出が人口減少の大きな要因の一つとなっている現状も補足して説明した。
さらに、ジョージ・ヤマガタ氏 Presents 第20回オンラインセミナー「漆経済エコシステムと日本のものづくり~高度付加価値社会に向けた第一歩~」にパネリストとして出演した榊原 憲二さん(ミクロン精密 代表取締役社長)の提案により今回のセミナーが実現したことを報告。これを受けて榊原さんは、転出が多い中で奇跡的に山形県出身者の方々が支店長として山形にいることで、県外から見た山形と、県内から見た山形の中で気づくことが多くあるだろうことから、議論を通じてこれから巣立っていく若者に山形の良さ、魅力を伝えてもらえればと挨拶した。
パネルディスカッション | 「Yamagata 支店長会議!!」 |
パネル「Yamagata 支店長会議!!」では、池田 邦恭さん(みずほ銀行 山形支店長)、林上 拓哉さん(大和証券 山形支店長)、渡会 俊輔さん(東日本電信電話 山形支店長)がパネリストとして出演、小林 剛也さん(山形県 みらい企画創造部長)がモデレーターを務めた。また、ゲストとして榊原さん、および山本 尚史さん(拓殖大学 政経学部教授)もZoomで参加した。
パネルでは、自己紹介を兼ねてそれぞれ出身地や山形から転出した時期や経緯などを紹介後、県外から見た山形について、若い頃には知らなかった山形県内の優良企業の素晴らしさを県民が認識していないという課題を提起しつつ、これから就職する若者の目線で、山形にビジネス環境の魅力を伝えるにはどういう取組をしていくべきかをメインテーマに意見を交わした。
また、県内企業を県外・海外に向けてPRするにあたって、地元企業同士の連携が乏しい点や、県民の県外へのコンプレックス、新しい企業の創出がしにくい点なども課題に挙げられた。山形県が着手し始めている地域経済エコシステムや霞城セントラルの創業支援センターでのベンチャー支援・ビジネス環境づくりなどについても共有されるなど、改めて企業創出に力を入れる必要性も語られた。
最後に進行の平塚さんは、山形出身で大学は東京へ行き、就職する際に山形に帰ってきた自身の経歴も共有し、外に出たからこそ分かる山形の良さを胸に秘めておくのではなく、いろいろな機会を捉えて発信していくことが重要だと感想を述べ、ジョージ・ヤマガタ氏の閉会挨拶を経てセミナーは終了した。
次回のジョージ・ヤマガタ氏 Presents 第24回オンラインセミナーは、日本で唯一自治体名に鮭の名前が入る山形県鮭川村とコラボし、鮭川サーモン月間として1ヶ月サーモンだけを考えるイベントを実施中の鮭川村の増殖・養殖・活用・保護をテーマとした「Salmon Day Online」を2021年11月11日(木)18:00~19:30に開催する予定だ。