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2016/07/25

【DIAMアセットマネジメント】「新興国中小型株ファンド」 新興国への投資で低リスク+高リターンを目指す、2つの運用戦略に注目~運用6年目に突入するネット証券専用ファンドの現状と今後【2】~(ネット証券4社資産倍増プロジェクト)

| by:ウェブ管理者


 資産倍増プロジェクト専用ファンド第1弾のうちの1本である、DIAMアセットマネジメントの「新興国中小型株ファンド」。名前の通り、新興国の中小型株に絞って投資しているファンドだ。

 同ファンドの直近1年の運用状況と今後の見通し、さらにリスクが高いと思われがちな新興国株への投資で、低リスク+高リターンを目指すための2つの運用戦略について、菊地尚文・DIAMアセットマネジメント株式運用本部上席ポートフォリオマネジャーに話を聞いた。

■厳しかった1年のリターンは-23.08%ながら、参考指標は上回る


 初めに、2015年6月~2016年5月末までの新興国市場とファンドの値動きを振り返ってもらった。

 「新興国市場にとっては、厳しい1年だったと言わざるを得ないですね。中国のリスクが拡大する一方、先進国では米国の金融引き締めが新興国からの資金引き揚げにつながり、引き続き金融緩和の方向にある日本やヨーロッパでも、マイナス金利の影響がクローズアップされて、その流動性が新興国市場の支えになるという流れにはなりませんでした」(菊地上席ポートフォリオマネジャー・以下、カギカッコ同)

 「ただし」と菊地上席ポートフォリオマネジャーは続ける。「中国では、日本で考えられているような『バブル崩壊』あるいは『ハードランディング』は実際には起きていません。それは、この1年だけではなく、過去5年間を振り返っても起きていないし、恐らく今後3年くらいに関しても起きる確率は低いと言えるのではないでしょうか」。

 とは言え、中国株の下落が大きかったのも事実だ。中国については、過剰になっている設備を縮小しようという動きが強く、製造業を中心に中国の株は一気に冷え込んだという。

 「8月に中国株が大きく下げた後、昨年11月頃からは今度は原油価格の下落が加速。資源国であるブラジルやロシアにとってはもちろん、新興国全体にもマイナスに働きました。さらに、今年に入ると中国株が再び下落しました。

 しかし、2月になって原油価格の下落に歯止めがかかると株価も底打ちとなり、米国の利上げも当初の予想より回数が少なくなると予想されたため、そこからは『割安な新興国』に目が行くようになりました。3月以降は、買い戻しがずっと入ってきているという状況です」

 5月末までの直近1年間のパフォーマンスは、-23.08%(税引前分配金再投資ベース)。また、参考指標であるMSCIエマージング・マーケット中小型株インデックス(円換算ベース・配当込み・為替ヘッジなし)は-26.7%。「マイナスの中身に注目すると、昨年5月末時点のドル円レートが124円程度、今年5月末が110円台ですから-10%程度が為替の下げによるもので、新興国市場自体の下げは-17%程度だったと言えます」。

 ファンドのパフォーマンスは、参考指標を3.6ポイント上回った。「新興国全体が下げた1年ではありましたが、下げ幅では相対的にアセアンやインドが優位でした。また、足元2~3カ月についてはブラジルやロシアなどの資源国も反発してきています。ファンドの国別アロケーションがプラスに働いたこともあり、参考指標と比べてマイナス幅を食い止めるという効果は発揮できたと考えています」。

 なお、2016年5月末時点の基準価額は9,763円、純資産総額は12億3,000万円。また、設定来の累計分配金(税引前)は5,000円となっている。

■大きく下落した分、今後の新興国株は反転していく可能性

 さて、3月以降買い戻され、若干持ち直してきているという新興国市場だが、これから先についてはどのように見ているだろうか。ここからすぐに大きく改善するのは難しいとしても、今後1~2年という期間では反転の可能性は十分にあると、菊地上席ポートフォリオマネジャーは語る。

 「理由の1つは、経済成長率で見ても企業収益で見ても、新興国は先進国を歴然と上回っていることです。たとえば、直近の数字では米国や日本、欧州のGDPは1%台後半程度ですが、新興国は中国が6~7%、インドが7%、全体でも平均4%前後という高い成長率となっています。また企業収益は、減益が続く米国に対して、新興国は2ケタの増益です」

 にも関わらず、この1年の株価の動きでは米国の一人勝ちとも言える状態で、新興国は大きく下落した。現状では、米国の株価はPER(株価収益率)から見ると割高感は否めないという。

 「確かに、新興国には経常収支の赤字とインフレという2つの悪材料があり、そこに歯止めのかからない通貨安も加わったため、株価は大きく下落しました。ただ、インフレや経常赤字の問題は、この3年間でかなり小さくなってきています。各国でインフレ率が下がり、経常赤字も縮小。外貨準備も、余裕がみられます。

 多くの新興国では、ここ3年で10~20%以上も通貨が下落しましたから、一気に逆回転とはいかないまでも新興国を徐々に買い戻す動きが続くのは妥当と言えるでしょう」

 新興国のこうした状況を見過してはもったいない、と菊地上席ポートフォリオマネジャー。「今がボトムになっているのであれば、なるべく早く投資する、あるいは投資を再開したほうがよいでしょう。たとえば、新興国の中小型で売り上げと利益が両方とも伸びていて、かつPERの低い銘柄であれば、大きな上昇が期待できる。そこに資金を振り向けることは、かなり魅力のある投資になると考えるからです」。

 そうした投資を可能にするのが、実は新興国中小型株ファンドなのだが、その特徴と運用戦略については、次項で詳しく見ていきたい。

 なお当然ながら、今後の新興国にリスクがないわけではない。最大のリスク要因として挙げられるのは、やはり「中国」だという。「今年の前半のように人民元の上げ下げが一定のレンジ内で収まっていればよいのですが、当局が抑えきれないような事態が起きて、再び中国が下落するリスクはある程度、頭に置いておくべきでしょう」。

 中国以外では、ブラジルの政治リスク、またリスクではないがインドやインドネシアには、構造改革の効果が期待ほど上がっていないという課題もある。繰り返しになるが、それでも経済成長や企業収益への期待と通貨の大幅安の反動などから、新興国株の買い戻しは徐々に進んでいくものと菊地上席ポートフォリオマネジャーは見ている。

■リスクを抑えつつ、高いリターンを狙うための2つの運用戦略とは?

 では改めて、新興国中小型株ファンドの特徴と運用戦略について見ていきたい。まず、すでに述べた通り、ファンドの投資対象は「新興国の中小型株」に絞っている。

 新興国株ファンドというと、国内はもとより米国のファンドでも大型銘柄で構成されているものがほとんどだが、「あまり知名度の高くない中小型銘柄の中にこそ、大きな成長が期待できる銘柄があると考えています」と菊地上席ポートフォリオマネジャー。「その理由は、中小型株は比較的成長ステージの初期に近い場合が多く、ここから大きく成長していくためです。世間からの注目度やアナリストのカバー率が低いため、株価が割安な水準に放置されていることも多いと言えます」。

 また、銘柄数に目を向けると、新興国の中小型株は大型株の実に約4.8倍もの数があり、多くの選択肢の中から銘柄を厳選することが可能だという。「さらに、新興国の成長に伴って株価の上昇が期待される消費やバイオに関連する銘柄が多いということも、中小型株に注目する理由の1つです」。

 ところで、これから新興国株が買い戻されていくと言っても、2000年代前半のように抜群の経済成長への期待感でなんでも力強く上がっていくというストーリーはもはや成り立たないという。

 「そこで有効になってくるのが、『リスクのなるべく低い銘柄を買う』と『成長性があって割安な銘柄を選ぶ』という2つのベクトルを組み合わせた考え方です。そして、これらがまさに、新興国中小型株ファンドの大きな特徴となっている2つの運用戦略です」

 「低ボラティリティ運用戦略」は、変動率が小さいつまりリスクの低い銘柄を中心にポートフォリオを組むことで、高い投資効率を狙うという運用戦略。伝統的な資産運用の考え方では「高リスク=高リターン」とされてきたが、これに対する革新的な運用戦略として近年注目されている。

 しかし、低ボラティリティ運用戦略にも「弱点」があるという。「低ボラティリティ運用戦略は、下落相場やリスクオフの局面では有効ですが、上昇相場では参考指数に負けてしまうといったことがありがちです。それを防ぐ役割をするのが、もう一つの運用戦略である『ファンダメンタルズ戦略』です」。

 ファンダメンタルズ戦略は、割安で成長期待の大きい銘柄を選定する伝統的な投資戦略のこと。新興国中小型株ファンドでは、DIAMとみずほフィナンシャルテクノロジー社が共同開発した独自の計量モデル分析の活用により割安で成長性の高い銘柄を選び、さらに組み入れ比率を調整することで超過収益の獲得を目指す。

 「低ボラティリティ運用戦略とファンダメンタルズ戦略が相互に補完し合うことにより、下げ相場でも上昇相場でも参考指標を上回る投資効果を目指しています」

 実際の数字で確認してみたい。下のグラフは、ファンドと参考指標であるMSCIエマージング・マーケット中小型株インデックスが、上昇・下落の各局面でどのようなパフォーマンスを上げたかを示したものだ。

 「2011年のギリシャ危機や13年の米国の金融緩和縮小観測の高まりなどの下落局面でも、2012年の欧州危機から回復したときなどの上昇局面でも、ほとんどの場合でファンドのリターンが参考指標を上回っています。上昇時には指数は年率で50%を超えて上がっていますが、ファンドはそれより3ポイント以上も上昇。また、下落時にもファンドは参考指標より年率で8ポイント以上上回る数値となっています」

■設定から丸5年、想定通りの成果をあげられている点に注目して欲しい

 リスクを認識しつつも新興国の高い成長性に魅力を感じて、新興国株への投資を検討している人は今も少なくないだろう。

 「すでに述べたように、今が新興国のボトムだとしたら、なるべく早く投資を検討したほうがよいでしょう。その際には、よいものだけを選別して、成長を享受することに投資妙味があると考えます。新興国中小型株ファンドはそれを目指しています。

 5年は1つの節目とも言われますが、2011年7月22日にファンドを設定してから丸5年が経ちます。低ボラティリティ運用戦略とファンダメンタルズ戦略がうまくかみ合って、上昇局面でも下落局面でも参考指標を上回る成果を上げることができたと自負しています。その点をぜひ評価いただければ幸いです」

 最後にコスト面だが、新興国中小型株ファンドの購入手数料はノーロード(無手数料)で、信託報酬は年率2.052%(税抜1.90%)、解約時には0.3%の信託財産留保額がかかる。ファンドの詳細については、こちらのページで確認できるほか、運用報告会では運用状況を動画で解説している。こちらもぜひ参照して欲しい。

(取材・記事:肥後 紀子 / 撮影:/柴田 潔 / 編集・制作:グッドウェイメディアプロモーション事業部)

(オリジナル記事掲載元:ネット証券4社共同プログラム「資産倍増プロジェクト」ネットで投信を買う!







17:55 | 写真:投資家向け




 

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