今回の講師はCKキャピタル 代表取締役・CEOの西原　宏一氏。大手米系銀行のシティバンクのチーフディーラーをはじめ、ドイツ銀行、シンガポール開発銀行などの外資系金融機関でトレーダーとして実績を重ねて活躍してきたプロトレーダーだ。「Yen SPA!」でアナリスト（トレーダー）ランキング1位にも選ばれ、「30年勝ち続けたプロが教えるシンプルFX」などの著書やセミナー講師など多方面で活躍中の人気トレーダー。投資関連セミナーではお馴染みの大橋ひろこアナウンサーとの対談形式でセミナーは進行した。

　第一部は「トレード・テクニック～プロのトレード・プロセス」として、主にエントリー前にすべきことに重点を置き対談は進められた。短期トレードか中長期売買か、自分自身の取引スタイルと戦略を明確にした上で、トレード前に、”経済指標”、”ニュース”、”チャート”、”情報交換”、”ブログ・SNS” といった材料をどのようにチェックしていくか、また直近のアベノミクスのように、その時々のマーケットを動かすテーマとテーマの変化（GameChanger）を見つけ、相場に臨むことが重要なポイントであることなど、自身の経験やナレッジに基づく様々なノウハウを解説した。



　第二部は「ディーリング・ルーム」と題し、西原氏の相場展望と質疑応答が行われた。今後の（日経平均の）マーケットの注目点として「9月6日・米雇用統計」、「9月7日・オリンピック開催地決定」、「9月9日・GDP改定値～消費税増税判断への影響は？」、「9月13日・メジャーSQ」、「9月17日・18日・FOMC～QE3縮小の可能性は？」などが挙げられた。中でも消費税増税の実施判断については、当面の景気への影響を懸念して予定通りに増税が実施されない（段階的な実施などへ変更）場合は、今後の政策推進に対する日本の実行力が問われ、海外ヘッジファンドの売り攻勢を浴びる可能性などについて指摘した。



　また、当日は、サイバーエージェントFXが2013年9月中旬より提供を開始する店頭バイナリーオプション『オプトレ！』、および 2013年9月下旬よりリリース予定のタブレットFX取引ツール「iPad Cymo」についても紹介された。

　2013年1月末、日本最大級のインターネット総合サイト「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフーのグループ企業となったサイバーエージェントFX。ヤフーは、「Yahoo!ファイナンス」、「Yahoo!かんたん決済」など、決済・金融事業のさらなる成長に向けた取組みの一環として同社を完全子会社化した。

　サイバーエージェントFXは、メインサービスである店頭FX「外貨ex」のほか、シストレ対応「CyberAgent FX MT4」、取引所FX取引「くりっく365」、インターバンク直結取引「C-NEX」と、幅広い商品ラインナップを提供。さらに、PC向けツール「Desktop Cymo」、プロ仕様の機能を搭載する「Cymo NEXT」、モバイル向けツール「Mobile Cymo」、スマートフォン向けツール「iPhone Cymo」、「Android Cymo」、「Windows Phone Cymo」など、操作性とデザイン性を追求した様々な取引ツールを提供している。そして、今般 店頭バイナリーオプション『オプトレ！』（案内サイト）、タブレット取引ツール「iPad Cymo」と、矢継ぎ早に新たなサービスをリリースする。

　

　再編の動きが続く中、FX業界へ参入したインターネット業界の“巨人”が、圧倒的な知名度とサイト利用者数を誇るインターネットサービスとのシナジーを背景に、いかに潜在的な投資家層を開拓して裾野の拡大を実現していくか、サイバーエージェントFXとヤフーの取組みと挑戦はサービスの一般利用者や投資家のみならず国内外のネット・金融業界からも大きな注目を集めている。