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2015/10/19

【日本IBM】IBM、Watson Analyticsのデータ・ディスカバリーおよび質問回答の能力を拡充

| by:ウェブ管理者
IBM(NYSE: IBM(US))は本日、Watson Analytics(US)のデータ・ディスカバリーおよび質問回答の新機能を発表しました。この機能によって、ユーザーはデータから、より簡単に洞察を収集できるようになります。さらにIBMは、この画期的なデータ検索およびデータ・ビジュアライゼーション・サービスに登録するプロフェッショナルが、市場投入から1年で50万人に達し、導入が広範囲に拡がっていることも発表しました。 Watson Analyticsが急速に世界有数の人気を誇るセルフサービス型アナリティクス・プラットフォームとなった背景には、コグニティブ機能をビジネス・ユーザーが手軽に利用できるものにし、偏りのない分析の新時代を切り拓く、その独自の能力があります。IBM Watson Analyticsは、自社システムで保有する既存データのほか、必要性に気づいてさえいない可能性のある外部の有益なデータ・ソースの価値を引き出すうえで役立ちます。当面の問題に最大限のデータを適用することにより、プロフェッショナルは難問に対する解を見つけ、すべての意思決定に洞察と専門知識を組み入れることが可能になります。

Ventana Researchは先ごろ、IBM Watson Analyticsをテクノロジー・イノベーション・アワード(Technology Innovation Award)(US)のビジネス・アナリティクス・リーダーとして表彰しました。この賞は、ビジネスに特筆すべき貢献をしたか、貢献する可能性のあるテクノロジーを表彰するものです。

コグニティブ・コンピューティングは自然言語を理解し、推論し、仮説を生成することにより、人がデータに基づいて新たな方法で理解、推論および学習する手助けをします。本日、IBMはプロフェッショナルの質問、パターンの発見、および予測作成に役立てるため、Watson Analyticsのデータ・ディスカバリーおよび質問回答機能の拡張を発表します。具体的な機能は以下のとおりです。

新たなデータ・コネクターへのアクセス: Watson Analyticsによって、ユーザーはビジネス上の問題により多くの外部データ・ソースを適用することが可能になります。あらゆる意思決定のために適切なデータを収集し、背景状況との関連性、詳細さ、確実性を向上させてデータ管理を支援します。IBM DB2、IBM Informix、IBM Netezza、IBM SQL Database、IBM dashDBおよび人気の高いサード・パーティーのデータへのアクセスが含まれます。

企業データとの安全性の高い新たな接続: クラウドを通じて企業データへ安全に接続する機能が、クラウド・ベースでデータ精緻化およびアクセス・サービスを提供するIBM Dataworksによって強化されています。この新しい機能は、Secure Gateway(US)テクノロジーにユーザーの業務用データベースとWatson Analyticsとを結ぶトンネル接続を要求し、データを自動的に暗号化し、Dockerコンテナーを使って、安全な分析を可能にする専用の接続経路を通じたデータ転送を行います。

Expert Storybooksによるインタラクティブなデータ・ディスカバリー: IBMは業界パートナーと共同でExpert Storybooksという名称の新しいデータ・ディスカバリー・モデルを導入します。これは、予測的な意思決定において、もっとも関連性の高い事実を明らかにし、パターンと関係を発見するためにさまざまな種類のデータ・ソースを使って理解、学習および推論を行う方法に関する指針をユーザーに示すうえで役立ちます。以下はIBMが提供するストーリーブックの例です。

AriBall(US)-ユーザーが野球選手の成績を分析して成績の予測を作成し、それを使って空想上の優位な打順を決めるために役立てるストーリーブック

Deloitte(US)-インセンティブ・プログラムの効果を測定し、セールス・リーダーが売上向上のために短期的なインセンティブを効果的に実行する方法と時期を決定するうえで役立つストーリーブック

The Weather Company(US)-ユーザーが収益の分析に気象データを投入し、気象がビジネスに与える影響について理解するためのストーリーブック

OgilvyOne(US)-マーケティング・キャンペーン・データの分析方法をユーザーに示す一方で、気象情報など異種のデータ・ポイントを統合して独創的なインプットをキャンペーン・プランニングにまとめるためのストーリーブック

Twitter(US)-ユーザーがTwitterのソーシャル・メディア・データを分析して風評リスクを測定するとともに、社会の心理が株価変動の要因にどのように反映されるかについてより深く理解するうえで役立つストーリーブック

American Marketing Association(US)-ユーザーが顧客の収益性を左右する主要な要因を特定し、分析するうえで役立つストーリーブック

Nucleus Research(US)-Nucleus Researchの500件以上のROIケース・スタディーから得たデータに基づいて、ユーザーがプロジェクトの投資利益率(ROI)をベンチマークと比較して評価し、テクノロジー・プロジェクト案の期待利益を予想することを可能にするストーリーブック

MarketShare(US)-ユーザーが業界標準と比較して自社の投資戦略を明確に理解し、テレビ、有料検索、デジタル・ディスプレイ、オンライン・ビデオ、ラジオ、印刷物などのオンラインおよびオフラインのメディア・チャネル全体にわたって投資を最適化する方法を検討するうえで役立つストーリーブック

Intangent(US)-奨励給をリスク・テイクと整合的なものとするため、財務マネージャーが報酬、業績および貸付における信用リスクの関係を検討するうえで役立つストーリーブック

Watson Analytics導入の急速な拡大と並行して、データ分析のセルフサービス・モデルへの移行も進行しています。自然言語での照会と検索、自動化された高度なアナリティクス、インタラクティブなデータ・ディスカバリー機能を含む「スマート・データ・ディスカバリー」は2018年までに、BIプラットフォーム上におけるデータ・ディスカバリーのユーザー体験パラダイムの中でもっとも需要が増大することが見込まれます。これによって主流のビジネス・ユーザーはデータからクラスター、セグメント、予測、外れ値、アノマリーといった洞察の収集が可能になります。* 分析をクラウド・ベースのセルフサービス・モデルへ移行することにより、ビジネス・ユーザーは多額の資金を要する複雑なITインフラストラクチャーに投資することなくアナリティクス・プロジェクトを合理化し、最終的に重要なデータから、より迅速に洞察を取得することが可能になります。
登録者数が50万を突破したWatson Analyticsは、あらゆる業種のビジネス・ユーザーが成長の促進、効率性向上、顧客との関係の変革に向けて実行可能な洞察を得るための支援を行います。以下はお客様の導入事例です。

MinterEllison(US)はアジア太平洋地域最大規模を誇る多国籍法律事務所の一角を占め、新しいビジネス・チャンスの発掘にWatson Analyticsを利用しています。同事務所は顧客の業績データと、オーストラリア証券取引所から入手した財務データとを統合・分析し、そうする中で顧客企業数社の収益低迷と特定の業界の低迷との相関性を明らかにしています。Watson Analyticsはまた、同事務所にとってより収益性の高い業界を特定するうえでも役立ち、分析結果に従って同事務所は比較的収益性の高い顧客のビジネス機会にリソースを再配分しました。

Mears Group(US)は、英国で公営住宅の修理およびヘルスケア・サービスの提供を手掛ける企業で、従業員の安全性向上のため、負傷報告の分析にWatson Analyticsを利用しています。同社は、負傷に関する災害報告書を含む、6億以上の記録のデータベースを保有していますが、先ごろ、より安全な職場環境の実現につながる相関性の明確化を図るため、Watson Analyticsに移行しました。Mears Groupは自然言語処理機能を使ってさまざまな質問に従い、同社の作業員や介護士が過度な負傷やニアミス事象に遭遇する場所、状況、時間を明らかにしました。健康および安全を担当する上層部は分析結果に基づいて、向こう12カ月間の健康・安全上の重点事項に関する戦略を策定し、新たに特定した懸案事項に説明責任を負う特別タスク・チームを任命しました。現在、Watson Analyticsは健康・安全会議の四半期ごとの議題に組み込まれ、すべてのグループ活動を網羅しています。

Caliber Patient Care(US)は、顧客の自宅とホスピス、病院、医療施設間の患者輸送サービスを提供しています。全米で30を超えるフランチャイズ加盟店を展開する同社のドライバーの月間走行距離は75,000マイルで、輸送ごとのデータは車両管理システムで追跡されています。同社はコスト削減と輸送時間の最適化を目的として実行可能な新規ルートとプロセスの特定に役立てるため、そのデータをWatson Analyticsに移動しました。アナリティクス結果は提案とともに即座にビジュアル化によって表示され、軽視されていた輸送コストについて真の姿の確認に役立てられました。収益逸失に関する追加的な質問を掲示し、データをビジュアル化して表示することにより、Watson AnalyticsによってCaliber Patient Careは収益逸失の原因を迅速に特定することができ、さらに逸失した距離の課金に役立つ会社方針に関して、データに基づいた意思決定をすることができました。その結果、同社は今年末までに750,000ドルの追加収益実現を見込んでいます。

Paschall Truck Lines (PTL)(US)は、米国ケンタッキー州マレーに拠点を置くトラック会社です。従業員の離職や地理空間的移動につながる理由の事前特定に役立つ予測モデルを構築するためにWatson Analyticsに注目しています。同社は毎月5,000通の求人応募書類を処理して200人の運転手を採用しており、運転手の過去の経験・職歴から地理位置情報に及ぶあらゆるデータを収集しています。そうしたデータをWatson Analyticsに入れることによって、採用担当マネージャーは採用分野と従業員定着条件との相関関係を把握できるようになり、運転手の勤務成績に関する洞察を明らかにし、それによって採用パターンを改革し、離職率を低下させ、定着率を上昇させるつもりです。

Kristalytics(US)は、米国テキサス州にあるマーケティング分析会社です。Watson Analyticsの予測およびデータ可視化能力を使用して、消費者行動の傾向を明らかにし、顧客別にカスタマイズしたレポートを作成しています。また、顧客の収益データと公表されている消費者データとを合わせて分析することによって、顧客が利用できる市場行動に関する深い洞察を提供し、マーケティング戦略を伝えています。同社は最近、予測に役立てるとともに顧客と共有できる新たな洞察を得るため、同社のデータをWatson Analyticsに入れ、ある顧客の業績不振の理由を即座に特定しました。Watson Analyticsは、その顧客の男性を対象とする業績が不振であることを示す、性別、年齢およびKristalytics専有データの相関関係を明らかにしました。次に続く一連の質問を提案することによって、また性別・年齢別の内訳にアナリストを注目させることによって、Watson Analyticsは数カ月ではなく数日で洞察を示すのに役立ちました。Watson Analyticsの可視化も、顧客別にカスタマイズした情報画像を作成することによって、新たな説得力のある方法で顧客にデータを示すのに役立っています。

Mueller(US)は、米国中部・南西部のトップ金属屋根メーカーです。Watson Analyticsを使用して、収益予測の改善と合理化を図っています。Watson Analyticsを使用する前は、手作業のレビュー・プロセスに基づいて収益予測を立てており、不正確な上に時間のかかる作業でした。同社はその収益分析をWatson Analyticsに入れることによって、方程式に新たな変数(インボイスのデータ、進行中のプロジェクトの件数、かかってきた電話の件数など)を追加し、より正確かつ迅速に予測できるようになりました。同社が得た洞察によって、予算に合わせたプロジェクトの人員調整がリアルタイムで可能になりました。
Benco Dental(US)は、米国最大の歯科用品販売会社(株式非公開会社)です。Watson Analyticsの自然言語質問能力を使用して、特定の販売促進プログラムの効果を調べ、長年にわたって信じられてきた伝統的なマーケティング戦術が誤りであることを証明しています。同社は販売データをWatson Analyticsにアップロードすることによって、同社の製品を顧客に買ってもらえるような販売構造ではないことに気づきました。これをきっかけに、全在庫の価格設定戦略の見直しが始まりました。Watson Analyticsは、販売データの量から単純に手の届かなかった隠れた洞察を明るみに出し、Benco Dentalが提案の妥当性を実証するために仲間に示せるような可視化を行いました。

Legends(US)は、プロスポーツおよび大学スポーツのイベント企画サービス会社の最大手です。Watson Analyticsを使用して、売店の業績に関する迅速な洞察を得て、販売戦略をリアルタイムで調整しています。取引時間、入場者数、営業売店数、天気に関するデータをアップロードすることによって、Legendsは優良売店の成功促進要因について理解を深めることができました。また、このデータを利用して、売上増加を目的に全売店共通の優れた販売方法の標準化を進めています。
全米の大学でも、医療、マーケティング、経営の教育課程にWatson Analyticsを取り入れて、アナリティクスに基づく意思決定の専門知識を持つ求職者の需要激増に備える学生を支援しています。

University of Connecticut(US)は、ギリッシュ・パンジ(Girish Punj)教授が教鞭をとるいくつかのMBA課程(「デジタル・マーケティング」や「ビッグデータと戦略マーケティング」のクラスなど)にWatson Analyticsを取り入れて、データ科学者の助けを借りずにデータを分析する方法を未来のマーケティング専門家に教えています。Watson Analyticsによって、学生はFacebookやTwitterをはじめとする情報源から抽出している洞察に基づいて、長期的なマーケティング計画を作成する方法を学習しています。

University of West Florida(US)は、医療情報のクラスにWatson Analyticsを取り入れて、ぜんそくのデータセットやフロリダ州67郡全域のEPA報告書を対象としたデータセットのデータ分析を実施しています。高度なデータ可視化と自然言語処理を通して、学生は行動と肥満の相関関係に関する洞察を明らかにする方法を学習しています。それによって学生は、現実世界の患者の治療法について、より多くの情報に基づく提案をすることができます。

Iowa State University(US)は、一連の管理情報システムのクラスにWatson Analyticsを取り入れて、販売サービスや製品ライフサイクル管理についてより多くの情報に基づく意思決定を行うため、ソーシャル・メディアのセンチメントを利用する方法を学生に教えています。学生はWatson Analyticsを通して利用できるTwitterのセンチメント分析を使用して、リアルタイムでマーケティング活動の調整に利用できるTwitterでのディスカッションと販売データの間の関係性を明らかにしています。

University of MemphisのFogelman College of Business and Economicsには、数百人の学生が在籍しており、「批判的思考法とプロジェクト・マネジメント」という必修科目の一部としてビジネス・アナリティクス入門にWatson Analyticsを使用しています。ガイド付きデータ・ディスカバリーにより、Watson Analyticsは、アナリティクスの上級者から初心者まで、さまざまな背景を持つ学生の迅速な洞察と高度な可視化を可能にしています。

新たなデータ接続とWatson Analytics向けのExpert Storybooksは、2015年11月にベータ版が利用可能になります。Watson Analyticsの詳細については、www.watsonanalytics.com(US)をご覧ください。


原文はこちら
http://www-06.ibm.com/jp/press/2015/10/1902.html

18:05 | IT:一般
 

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