2016年6月27日(月)、東京金融取引所(以下、同社)は、 取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」に「NYダウ証拠金取引」が同日に追加上場したことを記念し、報道陣や会員企業らを招いて上場セレモニー及び特別セミナーを同社の中会議室および金融取プラザで開催した。
日本で「ダウ平均」「NYダウ」などと呼ばれているダウ・ジョーンズ工業株価平均は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが米国を代表する優良30銘柄を選出し指数化した、米国証券市場の代表的な株価指数で、世界の証券市場の動きも左右するバロメーターとして広く浸透している。
セレモニーは 移転して間もない、東京駅に隣接する地上26階の新たなランドマークである鉄鋼ビル内の同社の施設で行われ、多くの来賓や報道陣などがお祝いを兼ねて同社を訪れセレモニーに参加した。
【挨拶】NYダウ上場はかねてからぜひ上場したい商品で、投資家からも要望が多かった商品。今後ますます投資家の皆さんの期待に応えるべく、利便性のよい商品を続々と上場する。
セレモニーが始まり、冒頭の挨拶に立った同社代表取締役社長 太田 省三氏は「先週末の英国のEU離脱で(市場が)荒れているなか、おかげ様で本日に無事スタートできた。東京金融取引所は従来からの金利先物に加え、10年前に為替(くりっく365)を上場、そして6年前に株価指数(くりっく株365)を上場させ、金利・為替・株価指数という金融デリバティブの3つの分野の商品を上場する総合取引所となった。くりっく株365のマーケットは商品性に優れていることもあって、おかげ様で順調に拡大しているが、まだ投資家にしっかりとは知られていないという側面もあり、そういう点でも、今回のNYダウ上場はかねてからぜひ上場したい商品で、投資家からも要望が多かった商品でもあることから、大いに期待している。」と挨拶した。
また、最後には、「貯蓄から投資へという流れがもっと定着すべきと考えているが、そういう意味でも本商品は良い商品といえるので、皆さんに広くご愛顧いただきたい。今後ますます投資家の皆さんの期待に応えるべく利便性のよい商品を続々と上場するということを申し上げ、挨拶としたい。」と今後への強い抱負を語って挨拶を終えた。
続いての祝辞では、カブドットコム証券 取締役 代表執行役社長 齋藤 正勝氏(上写真・左)が、「悲願であった商品の上場で感慨深い。日本では5~6年の間ではFXとかCFDは 個人のマスリテールの金融商品の中ではおそらく最大のヒット商品だ。個人および当社としても取引所デリバティブのポテンシャルは高いと考え、東京金融取引所の上場商品を取り扱っているが、税制一体化の可能性、自由な設計が可能なCFDの特徴と先物と比べての分かり易さ、祝日取引などを考えても、今後も取引所デリバティブは大変有望な商品だ。」と挨拶した。
また、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 日本オフィス統括責任者 牧野 義之氏(同・右)は「当社は2012年の6月末に、旧S&P社と旧ダウ・ジョーンズ社が経営統合してできた企業で、米国を代表する二つの代表的な株価指数、「ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価(NYダウ)」、と「S&P500」という、株価指数のフラッグシップといえるINDEXの算出をしている。」と企業紹介をした上で、「今回の上場にあたり、INDEXのライセンス提供に時間が掛ったが、当社のINDEXがCFDという形で投資家にサービス提供されるのは、オーストラリアに次いでまだ2例目であることから、今回の上場には大いに期待している。」と挨拶で語った。
セレモニーの最後に行われた、太田氏、齋藤氏、牧野氏3名によるテープカットの様子。
終了後、金融取プラザで特別セミナーが行われ、冒頭に同社証拠金営業部証拠金営業グループ長 岡田 貴司氏(上・写真左)から、NYダウ証拠金取引の商品説明が行われた後、エモリキャピタルマネジメント代表 江守 哲氏(同右)による、「NYダウ今後の相場の見通し」と題する講演が行われた。
NYダウ証拠金取引の上場により、「くりっく株365」では日本・米国・欧州というグローバルな株価指数が取引できる体制が整った。 レバレッジや決済期限なし、祝日取引などといったCFD商品の一般的なメリットの他、日経225MINI同様「100倍」で取引ができ、為替(米ドル/円)の値動きの影響を受けないという優れた商品性が投資家に浸透し、多様な投資手段の有力な選択肢となるとともに、新たな投資家層の興味を引き付けて、裾野拡大への貢献を果たすことを期待したい。
(取材、撮影、記事、 編集・制作: 柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )