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2015/05/19

【マネックスベンチャーズ】「未来の金融」の創造にチャレンジ、マネックスグループのベンチャーキャピタル事業を担うCVC マネックスベンチャーズのミッションとは、直撃インタビュー!

| by:ウェブ管理者



 昨今、アベノミクスによる日本経済と企業業績の回復の兆しを背景に、FinTech(Finance + Technology)をキーワードに、日本においても金融とITを融合した新しいサービスを展開するスタートアップ企業が生まれている。そのような中、2015年2月26日(木)に開催されたFinTachの先導役とも言える「金融イノベーション ビジネス カンファレンス FIBC2015(主催:電通国際情報サービス(ISID))」(取材レポート)では、金融イノベーション企業、ベンチャーキャピタル、金融機関の担当者が大勢集まり、FinTech領域に特化したピッチコンテスト「FinPitch」などが行われた。

 2015年4月27日(月)、グッドウェイは、その「FinPitch」の審査員を務めた
マネックスグループ 執行役員 新事業企画室長 兼 マネックスベンチャーズ 取締役 高岡 美緒氏を訪ね、インタビューを行った。

 マネックスベンチャーズは、「未来の金融」の創造を目指すマネックスグループのベンチャーキャピタル事業を担うコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として、FinTechの分野を中心に、「個人のライフスタイルに、変革を」を掲げ、マネックスグループの豊富なグループリソース、事業・組織構築のノウハウや独自ネットワークを活用し、単なる資金提供に留まらない支援を行っている。これまでの投資実績(2015年5月11日時点)としては、
ライフネット生命保険(東証マザーズ上場)、ユーザベースマネーフォワードクラウドクレジット八面六臂Shift Paymentsなどがある。


 海外の大学を卒業し、ゴールドマン・サックス証券、モルガン・スタンレー証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)など外資系金融機関を経て、2009年よりマネックスグループに入社し、オリックス証券、
BOOM証券TradeStationなど、自社としての戦略投資やM&Aを担当しました。現在は、マネックスグループの新規事業開発に加え、マネックスベンチャーズを通じて、本当に金融を良くするためのベンチャー企業への投資を中心に行っています。最良の金融サービスを提供することは、マネックスグループ創業時からのミッションでもあります。


 金融/非金融のボーダレス化が進み、銀行をはじめとする金融機関の役割も大きく変わってきています。金融庁も銀行規制転換に向けた検討を始めるなど、将来の金融の世界がどのようになっていくのか、仮説と検証を繰り返しながら状況を捉え、投資対象の判断をしています。ここ1年ほどでFinTech業界に大きな波とエコシステムができつつあり、主な投資先の情報は、そのネットワークの中で紹介を受けるケースが多いです。また、メガバンクでもFinTechイベントを開催するなど、大企業とベンチャーの間で刺激の連鎖が起きており、CVCも積極的に活動してくると予想しております。



 マネックスグループ全体のR&Dとしての位置づけもあり、事業シナジーがあれば、普通のVCが投資しづらい案件でも手がけることもあります。基本スタンスとしては、シードやアーリーといったステージでマイナー株主として参画し、適切な距離感で投資先が経営しやすい良い関係を維持しつつ、例えば金融商品取引業者としての登録など、アイデアがあっても金融サービスを手がける上でクリアしなければならない参入障壁をスムーズに乗り越え、本業に注力できるよう支援しています。マネックスグループにはシステムやコンプライアンス、証券のみならず銀行など多様な経験を持つ人材がおり、求められれば金融サービスの実務的なサポートを柔軟に行えることが特徴です。



 もともとマネックスグループ自体も金融ベンチャーとして立ち上がってきた背景もあり、その経験を生かして投資先企業の経営者の人物像を重視しております。日本ではシリアルアントレプレナーは少ないためトラックレコードで判断するケースはほとんどなく、経営者の求心力やピボット力(寄り添う力)があるかという点を大事にしています。もちろん事業内容など中身が大事なのはいうまでもありません。投資対象の計画は規模や件数ありきではなく、あくまでも、グループとして魅力を感じる企業を厳選しています。また、国内の企業だけでなく、海外の企業も投資対象としています。グローバル・ビジョンという新しい価値の提供を目指し、投資先とともに発展していきたいと考えています。


 世界最大銀行の一つ、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が他行よりフェイスブックやグーグルを競合として意識しているとの発言にあるように、これまでの競合の捉え方や関係に変化が出始めています。配車サービス会社UBER(ウーバー)の登場などにみられるように、人々のライフスタイルを変容する新しいシェアリングエコノミーやショッピングエクスペリエンスの提供がなされ、コンシューマービジネスの進化に土地勘のあるプレイヤーが資本力と技術力を持って金融サービスを提供し始めてきています。金融機関は既存プレイヤーとマーケットの奪い合いよりも、まだ見えない第三者のテクノロジーやサービスの変化にどのように対応していくかが大きなミッションになってくると思います。そういう意味では、ここ数年はおもしろい展開が続くのではないでしょうか。一つ一つの技術は時間とともに陳腐化しますが、目先の動向にとらわれず、そのサービスの本質は何か、求められているものは何か、を追求する人、そのようなチャレンジャーが数多く出てくることを期待しています。その上で、マネックスベンチャーズは、そういったベンチャー企業の信用補完をする存在として、投資先の経営者を信じて応援していきたいと思います。




 (インタビュー、記事: 藤野 宙志 /  撮影、編集・制作 : 柴田 潔 @株式会社グッドウェイ) 



14:17 | 写真:金融・IT業界向け




 

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