2019年4月18日(木)、一般社団法人Fintech協会は、「地域金融×Fintech企業の取り組み」をテーマとした記者向け勉強会を東京・ベルサール八重洲で開催した。
モバイル決済サービスが勃興する昨今、地方金融機関も地域性を活かした独自のサービスに注力している中、地方金融機関との取り組みを実施している Fintech企業各社が集まり、現在の動きや今後のトレンド等を記者向けに説明するために開催されたもので、地方金融機関からは北國銀行が登壇した。
最初に、真田 紀子氏(インフキュリオン・グループ 広報・IR部)より記者レク概要説明が行われ、続いて、丸山 弘毅氏(一般社団法人Fintech協会 代表理事会長、インフキュリオン・グループ 代表取締役)が冒頭にFintech協会について紹介したあと、Fintech協会がキャッシュレスに注目している理由を、消費や家計等の見える化があらゆる金融サービスの入り口になるからだと説明。決済手段や認証手段について見通しや考えを語った。
次に園 悟志氏(北國銀行 マーケティング部プロダクト課 課長)は、銀行の業態が変わっていく中で地域のキャッシュレスに向けて現金の入り口をなくす取り組みとして平成28年2月から国内で始めて銀行本体で端末を配ってクレジットカードの取り扱いを開始したとし、銀行初の参入となる、ただ商品を買うだけではなく体験を買う、生産者・企業とヒトがつながる通販サイト「COREZO」の概要について紹介した。
また、宮居 雅宣氏(決済サービスコンサルティング 代表取締役)は、決済サービスの基本構造、普及の歴史、QRコード決済の仕組みと中国決済サービス事情、日本のFintechと地域金融についてを解説。地方との取組については、鹿児島銀行の印鑑レス実証実験や沖縄都市モノレールのQR乗車券などの事例を詳しく紹介した。
各社取り組みについてのパネルディスカッション(1)
<パネリスト>
北川 信之氏( マネーフォワード Money Forward X本部 金融機関アライアンス統括責任)
<モデレーター>
真田氏は、「オープンイノベーションを加速する上で重要な点」、「金融機関へ理解を促す際の課題」、「銀行側が知りたい具体的な情報」について質問し、順にパネリストが回答していった。
各社取り組みについてのパネルディスカッション(2)
<パネリスト>
佐藤 顕範氏(freee 金融事業本部マネージャー 兼 freee finance lab 取締役)
同様にモデレーターを務めた真田氏は、「信用金庫と連携する狙い」、「現行の銀行サービスに追加で加えたい情報」、「地銀がキャッシュレス化に取り組むメリット」について質問を行った。
勉強会が終了後は懇親会も行われ、登壇者や関係者が閉会まで意見、情報交換などを行った。地域経済の中核を担う地域金融機関とFintechの融合はまだ手探り状態で歴史が浅い分、普及が加速すれば地域金融から地方創生を後押ししていく可能性もあることから、こうした取組がますます拡がることを期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )