2015年4月20日、センティリオン（以下、同社）は、マルチデバイス対応のDSPプロダクト「Fullout DSP」を提供するフルアウト（本社：東京都渋谷区）と共同で、金融・経済系メディアに特化してオーディエンスネットワークを構築し、両社の持つ先鋭的なノウハウを基にオーディエンスマネジメントを行いクライアント様の広告配信を最適化するオーディエンスターゲティングサービス「Centillion　オーディエンス」のサービス提供を開始（プレスリリース）したと発表した。

　これを受け、グッドウェイは同年5月19日（火）、同社を訪れ、今回の新サービスを開発 / 担当したビジネス・ストラテジック・プランナー　田口 晶士氏にサービスの概要について話を聞いた。

　担当の田口氏はネット広告事業に10年以上携わってきた実績があり、今回のサービスはその豊富な業務ナレッジと知見をベースに設計されたサービスとなっている。また、近年オーディエンスデータ（ネットユーザーの属性情報と行動ログ）を使った広告配信技術が広く普及する中、センティリオンとフルアウトでは両社のこれまでに培ってきたデータマイニング技術、広告運用ノウハウを組み合わせ金融・経済系メディアに特化してオーディエンスデータ集積することにより、さらに高精度のターゲティングを可能としたという。

　サービスの全体像としては、パブリッシャーサイト（様々なメディアサイト）からのオーディエンスデータを取得し、独自ロジックで分析・セグメント化し、広告配信を行うプラットフォームとなっている。

◆配信メソッドの特徴

　田口氏によれば、パブリッシャーサイトから取得したオーディエンスデータからページ遷移動向や滞在時間等のプロファイリングを行うが、ここは同社独自のテクノロジーであり、金融工学で培ったビックデータ解析ノウハウが余すところなく注がれているという。また、配信対象セグメントを200～300程度まで細かく設定でき、コンバージョンレートの予算設定も可能となっていることで、CPA（Cost Per Action＝1件のコンバージョンを獲得するのにかかった広告コスト）の最適化が行えると説明してくれた。

　さらに、｢興味関心｣のセグメントだけでなく、｢位置情報（配信先エリア指定）｣、｢配信時間（曜日、時間帯）」を指定しての広告配信も可能だという。






◆類似の他社サービスとの違いは？

　田口氏は、「まず、金融・経済メディアをターゲットとした取り組みとしては同社が一番規模が大きいというのが強みです。この分野のパブリッシャーの数や分析及びDSP（Demand Side Platform＝複数のアドネットワークに対して、横断的に広告を出稿できるシステム）配信の一連の広告配信においての網羅性は他社事例では見当たりません。現在DSPサービサーは国内で約30社程度事業展開をしていますが、これは汎用的なサービスであり金融・経済に特化したものではありません。ここは当社にとって大きな強みと考えています。また、現在配信可能なDSPは一般的なメディアサイトの95％を網羅しています。」と語る。

　また、｢クライアントは広告予算を当サービスに投下することにより、パブリッシャーコストや配信コスト、広告料金と各機能に配分されることで、広告戦略にリソースを集中させることができますし、費用対効果が高く、より金融に興味があるオーディエンスへリーチすることができます。｣と、その特徴を語ってくれた。

◆サービス展開の手応えは？

　｢ローンチしてまだ一か月ですが、手応えは十分に感じており、既にテストパイロットフェーズに入っているクライアント企業様もいます。金融機関様はまだアフィリエイトやリスティング広告を中心にマーケティングを行っているところが多いと認識していますが、これからはまさに｢Centillion オーディエンス｣のようなエッジの効いた運用型が広告の主流となってくると考えています。｣と田口氏は語る。

　また、今後の課題として｢現在、月間1,000万UU（Unique User＝ユニークユーザー数）のオーディエンスデータ収集は可能ですが、これをさらに増やしていく必要があると考えており、具体的には、現在の倍、つまり2,000万UUのオーディエンスデータの取得を目指すつもりです。｣と先々の抱負にも触れた。

（インタビュー、撮影、記事、編集・制作：柴田 潔　他　＠株式会社グッドウェイ）