金融&IT業界の情報サイト
 
 


 
【金融業界ニュース】 >> 記事詳細

2014/06/17

【日本証券業協会】株式投資型クラウドファンディング及びグリーンシート銘柄制度等に代わる新たな非上場株式の取引制度のあり方について~『非上場株式の取引制度等に関するワーキング・グループ』報告書~」を掲載

| by:ウェブ管理者
はじめに
我が国では、長引くデフレからの早期脱却と経済再生を図るため、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」及び「民間投資を喚起する成長戦略」を「三本の矢」する、いわゆるアベノミクスの効果が、株価、GDP、企業業績、雇用等の改善という形で表れつつある一方で、その景気回復の実感は、中小企業や地域経済には未だ十分に浸透していないとされる。

こうした状況において、金融資本市場においては、例えば、起業や新規ビジネスの創出を促すため事業者が技術やアイデアを事業化する段階において必要とするリスクマネーの供給を促進したり、地域に根差した企業がより簡易な手続で資金を調達したりその株式の換金を可能にしたりすることを通じて、これらの事業や企業に対する投資を促進することが、将来に亘っての持続的な経済成長に不可欠であると考えられる。
例えば、海外では2006 年(平成18 年)頃に誕生したと言われ、我が国では2011年(平成23 年)の東日本大震災を契機に急速に広がりを見せている「クラウドファンディング」1については、現在は、その大宗が、寄付として資金を提供したり、資金提供の見返りに事業化の成果物である製品等を受け取ったりという、従来の投資のような金銭的リターンの追求とは異なる、いわば資金調達者への共感をモチベーションとするものとなっている。この状況は、多数の者から少額ずつ資金を集めることが、インターネットを用いることにより、低コストで実現することが可能となったことによるところが大きいと言える。

それに比べると、クラウドファンディングが有価証券の発行を通じた資金調達に用いられる事例は、これまでのところ、全世界で見てもあまり多くなっていない。これは、有価証券を通じた資金調達には投資者保護等を目的とする様々な規制が存在するため、クラウドファンディングはマッチしないことも影響していると考えられる。このことは、適切な規制緩和を図ることで、投資者保護を確保しつつ、取引所金融商品市場に上場されていない株式(以下「非上場株式」2という。)をはじめとする有価証券の発行を通じたクラウドファンディングを活用するこ1 「クラウドファンディング」は、「群衆(crowd)」からの「資金調達(funding)」の語を用いた造語であり、一般に、新規・成長企業等と資金提供者をインターネット経由で結び付け、多数の資金提供者から少額ずつ資金を集める仕組みを意味する言葉として用いられている。
2 いわゆる青空銘柄。本協会の自主規制規則においては「店頭有価証券」と表記している(「店頭有価証券に関する規則」(以下「店頭有価証券規則」という。)第2条第1号)が、この報告書では、一般的なイメージを表し、本WGの名称としても用いている、「非上場株式」の用語を用いることとする。


原文はこちら
http://www.jsda.or.jp/katsudou/kaigi/jisyukisei/gijigaiyou/houkokusyo_0617.pdf

18:14 | 金融:行政・取引所・団体
 

【免責事項】
サイト掲載情報の正確性、および完全性については最善を尽くしておりますが、その内容を保証するものではございません。また利用者が当サイト、およびサイトに関連するコンテンツ、リンク先サイトにおける一切のサービス等を利用されたことに起因、または関連して生じた一切の損害(間接的、直接的を問わず)について、当社、当サイト、投稿者および情報提供者は一切の責任を負いません。

Copyright © 2010- GoodWay Inc. All rights reserved.