【日本銀行】【講演】黒田総裁「量的・質的金融緩和」(読売国際経済懇話会)
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko130412a1.pdf
1.はじめに
日本銀行の黒田でございます。読売国際経済懇話会でお話しする機会を賜り、誠に光栄に存じます。本席は、私にとって総裁就任後初めての講演です。
本日は、先週決定した「量的・質的金融緩和」についてお話しします。
2.基本的な考え方
日本銀行の総裁を拝命するにあたり、私は、いくつかの基本的な方針を考えていました。
第1は、15 年近く日本経済を劣化させてきたデフレから脱却するため、「できることは何でもやる」ということです。日本銀行はこれまでも、ゼロ金利政策、量的緩和政策、さらには包括緩和政策など、様々な金融緩和を行ってきました。しかし、こうした政策の積み重ねによってもなかなか結果が出なかったことを踏まえ、私はここで、戦力の逐次投入、あるいはgradualismは採らずに、日本銀行の持つすべての力を一挙に動員することが必要だと強く思っていました。
第2に、日本銀行が「物価安定の目標を責任を持って実現する」と強く明確にコミットすることの重要性です。この点、日本銀行は、1月の金融政策決定会合において、自らの判断で「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという画期的な約束をしました。その達成期限についてですが、諸外国の事例をみると、多くの中央銀行は、金融政策の効果が浸透する期間として2年程度のタイムスパンを考えながら、中期的な物価安定を実現する努力をしています。私は、日本においても、この「2年程度」の期間を念頭に置いて物価安定目標を実現するとコミットすることが適当だと考えました。
詳細
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko130412a1.pdf