2013年10月18日(金)、マニュライフ・インベストメンツ・ジャパンは、同社グループの米国運用拠点である「マニュライフ・アセット・マネジメント(US)LLC」のポートフォリオ・マネージャーの来日に合わせ、東京・丸の内の サピアタワーにあるステーションコンファレンス東京において、メディア、販売会社およびファイナンシャルプランナー向けのセミナー「債券運用 2014 年のメインストリーム ~米国ミューチュアルファンド業界における大潮流~」を開催した。
冒頭に、マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン代表取締役社長 永田 喜英 氏より挨拶を兼ねて、足元で拡大している資金流入額の正しい中身について解説。また、過去から現在を振り返り、金融商品取引法の施行による説明責任の拡大による販売の萎縮やリーマンショックなどによる低迷期や、新たにはじまるNISA(少額投資非課税制度)口座の裾野拡大を背景とした投資環境の変化に触れ、今後の金利上昇の可能性を見据えた高い資産運用能力の必要性を示唆した。
続いて、「フレキシブル戦略の魅力」(グローバル・マルチセクター債券チーム リード・シニア・ポートフォリオ・マネージャー ダニエル・S・ジャニス氏)の講演では、グローバルマクロ経済要因を分析し各債券セクターの魅力度を判断しながら配分をダイナミックに変更、通貨マネジメントとリスク管理によるポートフォリオ構築の手法について解説、2013年の世界の債券市場動向と見通しを示した。
最後に、「バンクローン運用における市場環境と今後の見通し」(バンクローンファンド ポートフォリオ・マネージャー ジョン F.アデオ氏)の講演では、バンクローンの魅力と市場環境、徹底した企業調査を基本としたボトムアップ・リサーチの重要性、社内外のツールの活用と検証、運用チームにおける役割と責任の明確化による積極的な把握と損失の最小化など、バンクローン運用戦略について解説した。なお、それぞれの講演の最後には、来場者との質疑応答も行われた。
マニュライフ・アセット・マネジメントは、2013年6月末時点で運用資産額(約24兆円)、100年以上の資産運用の経験を有しており、専門家による投資アイデア、厳格な投資哲学と運用プロセス、そして徹底的なリスク管理プロセスを駆使しながら超過収益(アルファ)の源泉を追求・運用しているという。
軽減税率の終了に伴い2014年1月から導入される新しい証券優遇税制であるNISAは、1年間の投資金額100万円分までの株式投資や投資信託にかかる値上がり益や配当金(分配金)が非課税になるというもの。一人一口座となるNISA口座は当初4年間は他社に変更できないこともあり、銀行や証券会社など金融機関では、NISAのメリットやデメリットについて正しい理解を促進すべく、数多くの個人投資家向けセミナーが開催されている。NISA口座は特定口座との損益通算ができないこともあり、できるだけリスクを抑えた長期的な視点による商品選択の重要性が唱えられている中、過去の運用成績のみならず、運用会社の投資哲学をはじめ、その哲学にもとづく運用プロセスやリスク管理の具体的なアイデアとオペレーション、そして何よりも、ポートフォリオ・マネージャー自らのプレゼンテーションに目を向けてみたい。
(取材、撮影、記事:藤野 宙志 / 編集・制作:柴田 潔)