2016年2月25日(木)、ICSコンベンションデザインは、(G-MAC Conference)シリーズとして『第17回日本国際金融システムフォーラム2016』を、東京・日本橋にあるロイヤルパークホテルで開催した。
開演前の講演会場の様子。今回は、日本市場トレーディングの現状と今後、最新テクノロジーによるマルチアセット投資を行うグローバルな資産運用会社の変革、FRTB規制と金融機関への影響、サイバーセキュリティーの求められる情報共有と分析、その金融機関への影響といったテーマを基にプログラムが構成され、会場へは多くの金融・市場関係者が訪れた。
開演後の基調講演には、東京証券取引所 代表取締役社長 宮原 幸一郎氏が登壇し、「日本市場の課題と展望 -JPXの取組み-」と題する講演を行った。冒頭で国内株式市場の現況を語った後、新たな日本株市場の創造、 売買システムのリプレースについてを説明。最後に個人投資家の資産形成活発化に対するJPXの取組や拡大するETF市場についてを紹介して講演を終えた。
基調講演の後は、「金融サービス業界におけるサイバーセキュリティー:サイバー攻撃と情報共有の必要性」をテーマとしたパネルディスカッションで、パネリストは以下の通り。(写真左から)
<モデレーター>
FIAジャパン テクノロジー委員会 委員長、FIS サンガード・ジャパン Institutional and Wholesale,SVP,営業ディレクター ブルーノ・アブリユ氏
<パネリスト>
・プライスウォーターハウスクーパース パートナー ショーン・キング 氏
・ FIAジャパン 代表理事 プレジデント - CEO、オムジオ代表取締役、DTCC エグゼクティブディレクター、セールス & リレーションシップ マネジメント ジャパン マイケル・ロス 氏
・楽天証券 常務執行役員 IT本部長 平山 忍 氏
・エクイニクス・ジャパン シニアディレクター デイビッド・ウィルキンソン氏
続いては、チャールズリバーデベロップメント リージョナルセールスエグゼクティブ 高崎 泰宏氏による「最新テクノロジーによる、マルチアセット投資を行うグローバルな資産運用会社の変革」。クラウドベースソリューションを活用して資産運用業務を転換したグローバルな投資顧問の事例を交えながら、アセットマネージャーやウェルスセクターにおけるチャレンジとトレンドを紹介。また、運用するマネージャーが、最新のテクノロジーソリューションにより、複数アセットクラスの効率的運用を行い、コストも削減した事例も案内した。
三菱UFJフィナンシャル・グループ リスク統括部 副部長 勝藤 史郎氏による講演、「FRTB規制と金融機関への影響」では、新バーゼル規制「トレーディング勘定の抜本的見直し(FRTB)」は、金融機関のリスク計測モデルのほか、所要自己資本、リスク管理プロセス、組織体制、ビジネスモデルの抜本的変更をもたらす可能性があるとして、この規制に適切に対応して内部リスク管理にも活用し、金融機関のリスク管理高度化を実現する取組について解説した。また、講演の終盤には新日鉄住金ソリューションズ 金融ソリューション事業本部 上田 忠人氏が登壇して、FRTBに対応するソリューションTSSummitについて紹介した。
「Corvilが考えるトレーディングのインフラ管理における革新的なアプローチについて」には、Corvil テクニカルプロダクトマーケティング ディレクター
ジェイムズ ワイリー氏が登壇。可視化され透明性が有り信頼出来るデータのやりとりがより一層求められるようになるなか、今後トレーディングのインフラ管理で必要となる要件とCorvilのアプローチについてを紹介した。
フォーラムも最後のセッションを迎え、ステージ上には各パネリストが登壇して「日本市場トレーディングの現状と今後を考える」をテーマにパネルディスカッションが行われた。パネリストは以下の通り。
<モデレーター>(写真上部の切り抜き写真)
日本FIX委員会 共同委員長、フィデッサ マーケティング部 統括部長 松原 弘氏
<パネリスト>。(写真左から)
・三菱UFJ国際投信 トレーディング部 部長 住本 保朗氏
・日本FIX委員会 共同委員長、ブラックロック・ジャパン 運用部門トレーディング&リクイディティー戦略部長 梅野 淳也氏
・野村證券 エグゼキューション・サービス部 エグゼクティブ・ディレクター 柏原 悟志氏
・ゴールドマン・サックス証券 証券部門 GSET部 ヴァイス・プレジデント 渡部 哲也氏
・クレディ・スイス証券 CTE統括本部 AES エレクトロニック・トレーディング ヴァイスプレジデント 東海林 裕 氏
展示会場は協賛企業のブースが並び、休憩時間には多くの来場者で賑わいを見せた。出展社は以下の通り。
【チャールズリバー】44の国と地域において機関投資家の資産運用、プライベートウェルス、オルタナティブ投資、保険、銀行および年金市場の350以上のお客様にサービスを提供
【Corvil】Corvilのネットワークデータアナリティクスソリューションと各種BI/データツールとの連携により、遅延などのテクノロジー性能に対する受注充足率といったビジネス上の業績の対比が可能
【新日鉄住金ソリューションズ】TSSummitは大手金融機関の市場リスク・信用リスク・カウンターパーティリスク・流動性リスク・リスク規制・ALMを管理
【A10ネットワークス】SSLインサイトソリューション、FIXアプリケーション最適化ソリューション、マルチベクトル型DDos攻撃対策ソリューション等を提供。
【アット東京】金融・証券業界をはじめとして、様々な業界のお客さまから高い評価と信頼を得ているデータセンター業界のリーディングカンパニー
【Solarflare】ネットワークの「高速化」、「トラフィック監視」、「セキュリティー監視」を可能にし、アプリケーションの最適化を実現するネットワークI/Oソリューションのリーディングカンパニー
【丸文】ハイエンド取引ネットワークで有用なアプライアンス製品を紹介
【MISATO SYSTEMS】革新のデータコンポジット&デリバリープラットフォームMISATO Data Hub(MDH)を紹介
◎G-MAC Conference
ICSコンベンションデザインの主催する国際会議(G-MAC Conference)は金融機関、上場企業の役員・上級管理職・役職者を参加対象として開催。企業経営にとって重要なテーマや時勢に合った関心の高いテーマについてその専門家であるスペシャリスト、企業経営者、部門最高責任者等による講演やソリューションのブース出展により、参加者へ情報収集、学習の場を提供している。一方、協賛企業に対しては、企業の製品・サービスに関心を持つ購買決定者というセグメントされた層に対しての製品・サービス発表の場を提供、良質のセールスリード獲得を目的としたターゲットマーケティングをサポートしている。
(取材、撮影、記事、 編集・制作: 柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )