2015年5月11日(月)、楽天証券は、「2015年3月期 決算説明会」を中央区茅場町の東京証券会館で開催。同社 代表取締役社長 楠 雄治 氏、常務執行役員 矢田 耕一 氏より、決算概要と事業の状況、今後の事業戦略と施策について報道陣向けに説明が行われた。
総合口座数は183万口座(うち楽天会員47.7%)、預り資産残高3.5兆円を突破、営業収益は約457億円(前年同期比+2.6%)と過去最高を記録。ドットコモディティ社合併による人員の増加や取引量の増加に伴う取引関係費・事務費が増加するも、足元では販売費・一般管理費を抑制、当期純利益は約128億円(同+0.7%)と増益を確保した。
国内株式への収益依存度を減らすため、収益構造の多様化/分散化/安定化を図るべく、IFA(金融商品仲介業)、貸株サービス、FXCMジャパン証券の吸収合併(2015年8月1日予定、経営統合後のFX預かり残高は約1,000億円へ)など手がけ、投資信託・債券(8.6% ⇒ 9.6%)、FX(9.8% ⇒ 11.3%)、金融収支(28.6% ⇒ 32.7%)の比率が高まり、委託手数料の比率は低下(48.3% ⇒ 40.6%)した。
特に、投資信託の取扱い本数は1,700本超となり、残高も5,000億円を突破(同+45.9%)、積立設定件数も16万件超(同+33.5%)となるなど順調に増加している。また、主に個人富裕層をターゲットとするB2B2Cビジネス IFAにおいてもIFA顧客数が1万口座(同+58.3%)を突破し、IFA経由の預り資産残高も1,500億円(同+111.9%)を突破するなど、規模が底堅く積みあがっている点に注目したい。
また、9,900万人超えの楽天会員など楽天グループとのシナジーを推進するほか、超割サービスの充実、iSPEED「株アラート機能」、Mac専用マーケットスピード、iSPEED for iPhone による Apple Watch との連携、NISA口座に特化したパフォーマンスレポートの提供、海外株式特定口座の導入、投資教育コンテンツの充実など積極的にサービスを拡充。カスタマーエクスペリエンスの向上を目指し、「お客様の声をカタチに」をスローガンに掲げ、ビジターページのフルリニューアルやメンバーページの改訂など改善を図っていくという。
楽天証券は、2015年7月11日(土)に東京:両国国技館、2015年7月18日(土)に大阪:大阪国際会議場グランキューブ大阪において、「サービス開始16周年記念セミナー」の開催を企画しており、メインセミナーでは、星野 仙一氏(元 東北楽天ゴールデンイーグルス監督)や竹中 平蔵氏などが登壇する予定だという。同記念セミナーに関する詳細の発表を楽しみにしたい。
(取材、撮影、記事、編集・制作:藤野 宙志 @株式会社グッドウェイ )