2014年9月8日(月)、キーポート・ソリューションズは、ビジュアルデータディスカバリーソリューションによる次世代アナリティクスを展開するDatawatchとのパートナー契約の締結に関するプレスリリースを公表した。
グッドウェイは、今回のプレスリリースに先立ち、来日したDatawatchの幹部とのインタビューを、キーポート・ソリューションズ本社・会議室で実施した。今回来日したのは、アジアパシフィック地区担当マネージングディレクター カール・モアントレ氏、製品開発部門ヴァイス・プレジデント ジョン・フィルキングトン氏、品質管理部門ディレクター ボブ・リード氏の3名。
現在、Datawatchは、シンガポールを中心にアジア地区で事業展開を加速しており、米国にある開発拠点とマニラで行っている品質管理・サポートの連携を深めている。今回は、日本で進めているパートナー企業との営業活動や開発の支援、そして導入後のカスタマーサポートまでグローバルに対応できる体制を構築すべく、日本固有の課題やニーズを把握し、パートナーやクライアントとのリレーションを深めるために来日したという。
インタビューでは、Datawatchが提供するビジュアルデータディスカバリーソリューションの概要と市場見通し、今後のビジネス戦略について聞いた。
── 最初に、Datawatchの概要について簡単に紹介をお願いします。
Datawatchは、米国マサチューセッツ州のチェルムズフォードに本社を構え、ニューヨーク、ロンドン、ミュンヘン、ストックホルム、シンガポール、シドニー、マニラに拠点を持ち、世界100ヶ国以上でパートナー企業と連携し、4万を超える企業や団体にサービスを提供しているグローバルカンパニーです。クライアントとしてフォーチューン100企業のうち99社に採用を頂くなど、2013年度は対前年比で16%と大きな成長を遂げています。当初は、1985年に軍事利用の暗号化用コンピュータを提供する企業として設立されましたが、その後のIT業界の変化と共に業容を拡大してきました。直近では、ビジュアルデータソリューションに特化したスウェーデンのPanopticon Softwareを買収し、革新的なビジネスの創出に欠かせない次世代データ分析を実現すべく、ビジュアルデータディスカバリーと呼ばれる分野を主力にサービスを提供しています。
── ビジュアルデータディスカバリーソリューションの活用により、どのようなことが実現できるのですか?
構造型/非構造型を問わず、PDFファイルやリアルタイムストリーミングデータなどあらゆるデータソースを取り込み、内包されている課題やビジネス機会を可視化することで、スピードが求められるビジネスの意思決定に必要なデータをビジュアルで直感的な分析を瞬時に可能とし、多様なビジネス用途でリアルタイムにあらゆる切り口からモニタリングや分析ができるようになります。これにより、競争優位性を確保し、一歩先を行くビジネスを展開することができるようになります。
── 市場規模はどれくらいあるのでしょうか?
このビジュアルデータ関連市場は、これまでのBI(ビジネスインテリジェンス)ソリューションの領域をはるかに凌ぎ、次世代の分析ソリューションとして、今後3~5年間で毎年35%で成長し、120~160億ドル(1兆2,000~1兆6,000億円)規模の市場になると予測されています。そのような中で、現在、業界の上位3社が占める割合はまだ5%に過ぎず、急速に変化する新たなビジネスモデルを根底からサポートし、イノベーションを起こしていくことで、まだ手つかずの広大なビジネス機会を獲得できるチャンスは大いにあると言えます。
── 当面の戦略について教えてください。
先ず、一つでも多くの成功体験となるモデルを実現し、パートナーと共にこのビジネスモデルを広く根付かせ、この新しいビジュアルデータディスカバリーソリューションを使いこなせるエバンジェリスト(伝道者)を育て、より深く理解してもらうための啓蒙活動に力を入れていきたいと思います。そのためにも、これまでのソリューションやサービスと組み合わせてビジネス領域を進化させるためのクロスセル、アップセルプログラムを用意し、Datawatchソリューションのビジネス適用範囲を更に拡大していくことによってパートナー企業とエコシステムを形成し、レバレッジを効かせていきたいと考えています。そのような戦略のもとで、日本市場においてもパートナー企業の拡大に力を入れており、今回発表させて頂いたキーポートソリューションズとのパートナーシップ契約も、その一環として、とても重要な取り組みの一つに位置付けています。
そのため、最近「Datawatch コミュニティ」サイトを立ち上げました。Datawatchに関する意見・情報交換の場として活用が広がることで、ユーザーや開発者に役立ち、サービスの利用シーンが広がることを期待しています。
── 主なクライアント企業を紹介いただけますか。
クライアントの業種は、金融業界、ヘルスケア業界、政府機関のほか、電気通信、医療、小売り、物流、旅行/接客など様々な分野で活用を頂いております。金融業界のクライアントとしては、シティバンク、バンク・オブ・アメリカ、ING、HSBC、AIG、JPモルガン・チェース、バークレイズ、ブロードリッジ、三井住友銀行などが挙げられ、売買状況のモニタリングやリスク分析、取引コストの分析といった活用事例などがあります。
また、エネルギー資源分野の活用事例としては、供給網利用率の監視や設備の予測保守や、電気通信分野におけるネットワークパフォーマンス/利用率、不正利用の監視、コールセンターのキャパシティ分析などがあります。
── パートナーであるキーポート・ソリューションズに期待していることは?
キーポート・ソリューションズは、日本の金融市場や保険会社向けのITサービス領域で多くの実績を持っており、一緒にビジネスを開拓していく上で重要なパートナーだと認識しています。
今後、Datawatchは日本事務所を開設する予定ですが、あくまでも実際にクライアントに提案し、サービスを提供するパートナー企業をフルサポートすべく取組んでいくつもりです。キーポート・ソリューションズは、我々に辛抱強く多くの質問を投げかけ、Datawatchを活用した新しいソリューションを生み出そうと鋭意努力してくれています。キーポート・ソリューションズと共に、日本のスタイルに適合し、日本のビジネスに役立つ日本のソリューションを創り出していきたいと考えています。そして、一般に広く認知されたサービスとして利用いただける機会を増やしていけるようになることを期待しています。
キーポート・ソリューションズはシステムインテグレーターとして、高い信頼性と堅牢性が求めらる証券業界や不動産金融業界のお客様の基幹業務向けに、コンサルティングからシステムの設計、構築、運用、保守までトータルなサービスをご提供しております。
また各方面のお客様のWebサイトのアクセス解析からシミュレーションに至るまで、コンサルティングの実績も豊富にございます。
Datawatchは評価版が無料でダウンロード出来ます。弊社Webサイトより簡単に申し込めますので、是非、お試し下さい。
その他、ご相談等がございましたら、お気軽にご連絡をお願い申し上げます。
(取材・記事: 藤野 宙志 / 撮影・編集・制作:柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )