「財政教育プログラム」は、地域社会や大学の支援のもと、附属学校のプラットフォームを利用し、財務省と連携、全面協力を得て「財政教育」を全国の附属学校で実施しており、各地域における先進的な学習のモデルとして国家財政の現状と仕組みを学び、次世代の豊かな日本の形成に貢献しようという取組みだ。
冒頭の挨拶に立った宮下 一郎氏(内閣府 副大臣(金融担当))は、「税金の使い道である予算決定は国会の重要な仕事だが、政治家や役所の人だけでなく、これからは皆さんが主役なので関心を持ってもっとこうすべきだという視点で意見を出して頑張ってほしい」と、挨拶の最中に生徒達に歩み寄るなどフレンドリーな仕草も交えながら挨拶を行った。
講義「自分の将来のために日本の未来を考える」では、阿保 達巳氏(東北財務局 財務局総務部 財務広報相談室)が、身近な公共サービスに必要なお金に関するクイズを入り口にして、日本の財政の現状と課題について分かり易く解説。生徒達はその後のグループワークに向けて真剣な表情で講義を聴講。この日は、NHK青森放送局などメディアも取材に訪れた。
グループワーク「財務大臣になって国の予算を作ろう!」では、生徒たちが4名ずつのグループに分かれて予算案のテーマを設定。それを実現するために予算や税金をどうするべきか、議論を重ねた。結果発表では、発表する側と聞く側に分かれて交代で発表を繰り返し、それぞれ質疑応答が行われた。各グループによる発表の後、再び阿保氏より総括、補足講義が行われた。
全てのプログラムを終え、宮下副大臣と参加した全生徒による記念撮影。弘前大学教育学部附属中学校での実施は2018年12月に続いて2回目となる。今回、生徒が自分たちで国の予算案の編成に挑戦した経験が教育成果につながることに期待したい。
続いて、金融庁は、金融経済教育の課題と解決策について語り合う「車座ふるさとトーク」を開催。地元の教育関係者や学生を中心とした参加者、宮下副大臣、金融庁関係者が車座になり、テーマに沿って地域の人々と少人数で対話を行った。各地の生の声を政策に活かすことを目的とした取組みで、2013年から年に1~2回のペースで開催されている。
今回は「金融経済教育」をテーマに、昨今の環境変化や個々人のニーズを踏まえた安定的な資産形成と自立した生活を如何に実現させるか、また、デジタライゼ―ションの進展を踏まえた情報・金融リテラシーを如何に向上させるかについて、それぞれの考えや意見を出し合った。
この日の進行役は、和田 良隆氏(金融庁 総合政策局 総務課 統括企画官 兼 広報室長)が務め、来賓の後に挨拶した宮下副大臣は、変わりゆく環境の中で、資産形成や金融リテラシー向上が必要となることの背景や開催主旨などを述べた後、金融庁の取組みとして実施している出張授業の受講者が約16,000名(96校)まで拡大している実績なども紹介しつつ、広く全国に金融経済教育の機会を提供するため、教員との連携など、取組みを更に進めていく考えを表明した。
各参加者から、お金や資産形成に関する経験談をベースにした様々な意見が出され、宮下副大臣が2~3人ごとに引き取って自身のコメントを返す。やり取りの内容は後日、金融庁HP「車座ふるさとトーク」に掲載予定、過去の実施内容も閲覧できる。
座談会終了後には全員で記念撮影を行い、地元のメディアによる囲み取材も行われた。
国や地方自治体の活動と共に、官民共同での金融経済教育による金融リテラシー向上が重要とされる中、こうした取組みが若い世代のお金というものの役割・本質の理解につながり、安定した国・生活創りの実現に寄与することを期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )