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2016/08/04

【野村総研】投資ファンドに関するデータを自動受信できる金融機関向けサービスを12月に開始

| by:ウェブ管理者
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:此本臣吾、以下「NRI」)は2016年12月に、ファンドに投資している銀行などの金融機関に対して、そのファンドを管理する資産運用会社から、当該ファンドを構成する個別銘柄ごとの残高などの「ルックスルー(資産構成把握)データ」を自動的に受信できるサービス(以下「本サービス」)を提供開始します。開始時には、農林中央金庫ならびに複数の資産運用会社が本サービスを導入し、日々のデータ連携を開始する予定です。
本サービス提供の背景と特長は、以下の通りです。


【金融機関によるファンド投資の拡大とファンドルックスルー管理ニーズの高まり】
銀行を中心とした金融機関は、近年、ファンド投資を拡大しています。それらのファンドについて、銀行バーゼル規制*1対応や、内部リスク管理レベルの向上を目的に、中身の個別銘柄の残高等、資産構成を把握して適切に管理するニーズが高まっています。
具体的には、日々、自社で投資しているファンド全体について、横断的に国別のエクスポージャー(金融資産のうち価格変動等のリスクにさらされている資産)を把握し、毎月ファンドごとの運用ガイドライン(投資方針や制限)に沿っているかどうかをチェックするなど、直接個別銘柄に投資を行う場合と比較して、遜色ないレベルの管理が求められています。


【資産運用会社から金融機関へのルックスルーデータ提供を自動化】
NRIはこうしたニーズに対応し、既に提供しているファンド情報の開示サービス「SYNTAX」※2を拡張することで、本サービスを提供します。本サービスは、金融機関だけでなく、資産運用会社も利用できます。主な機能は、以下の二つです。

(1)金融機関によるファンドのルックスルーデータ受信機能
ファンドに投資している金融機関は、資産運用会社が開示するファンドのルックスルーデータを、日々または月次で自動的に受信できます。資産運用会社から個別に情報を取得する場合と異なり、本サービスを使うことで、統一データフォーマットで結果を受信できます。

(2)資産運用会社によるファンドのルックスルーデータ開示機能
NRIの資産運用支援サービス「T-STAR」ファミリーを利用する資産運用会社は、そこで管理しているファンドの残高や銘柄属性情報を、データ開示先、開示項目、開示頻度を指定して、金融機関に対し自動的に開示できます。個別の金融機関からのデータ開示依頼に対応することに比べて、業務負荷を大きく軽減できます。


【金融機関によるファンド投資のリスク管理レベルを高め、さらなる投資拡大を可能に】
本サービスを利用することで、金融機関は、ファンドのルックスルーデータを自動受信でき、データ品質も向上します。NRIのファンド管理・分析システム「T-STAR/GX」※3とあわせて利用することでファンドのデータ管理ができるデータベース機能も、追加する予定です。
日次でのデータ取得やデータ管理を効率的に行えるようになることで、これまで不可能であった、リスクイベント発生時にリアルタイムでのエクスポージャー把握ならびに機動的な資産配分を行うなど、ファンドに関するより高度な分析やリスク管理が可能になり、金融機関はファンド投資をさらに拡大することができます。

本サービスは、金融業界と資産運用業界にまたがる共通システムインフラとして、金融機関のファンド投資におけるリスク管理の高度化およびそれに伴う業務負荷の軽減を実現します。NRIは、本サービスが両業界において標準サービスとなることを目指します。

*1バーゼル規制:主要国の金融監督当局で構成されるバーゼル銀行監督委員会が、2010年9月に公表した、国際的に業務を展開している銀行の健全性を維持するための自己資本規制を指します。銀行に対し、普通株と内部留保などからなる「中核的自己資本(Tier1)」を、投資や融資などの損失を被る恐れがある「リスク資産」に対して、一定割合以上持つように義務づけるものです。2017年1月以降、銀行のファンド向けエクイティ出資について、ルックスルーの強化などが予定されています。

*2SYNTAX:資産管理会社の管理する信託勘定の運用結果を効率的に開示するためのシステムです。取引、残高をはじめとする各種データを、委託者、投資顧問などにネットワークを用いて開示します。資産管理信託銀行からは、1本の回線で複数の開示先に対してデータを送ることが可能です。また、委託者・投資顧問からも、複数の資産管理信託銀行からのデータを同一環境で取得でき、効率的に運用することができます。ネットワーク参加者間にまたがる情報セキュリティも、暗号化・認証技術などを用いて高度に保たれています。

詳細は、http://fis.nri.co.jp/ja-JP/service/list/P-T/SYNTAX.htmlをご覧ください。

*3T-STAR/GX:バックオフィスシステムやマーケットデータをもとに、時間加重収益率計算および要因分解機能、さまざまな切り口による残高・取引・収益率等の参照機能(資産別/セクター別/銘柄別)、レポーティング支援、コンプライアンスチェック、大手スポンサー向けディスクロージャー資料作成機能などを提供します。資産運用会社(投資顧問・投資信託・信託銀行・年金基金などの資金スポンサー等)におけるポートフォリオ運用にかかわるフロント・ミドル業務を幅広く支援することで、資産運用ビジネスにおけるPLAN-DO-SEEを統合的にサポートしています。

詳細は、http://fis.nri.co.jp/ja-JP/service/list/P-T/T_STAR_GX.htmlご覧ください。


原文はこちら
http://www.nri.com/jp/news/2016/160804_1.aspx

17:04 | IT:一般
 

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