【Finance Magnates】各国のFXブローカー、システムプロバイダー、リクイディティプロバイダー、IBが一同に集結！「Finance Magnates London Summit 2015」を開催、トレイダーズ証券スタッフによる現地レポート！
2015年11月3日（火）、Finance MagnatesはLondonのThe Brewery on Chiswell Streetにおいて、「Finance Magnates London Summit 2015」を開催した。以下にサミットに参加したトレイダーズ証券スタッフによる現地レポートをお届けする。
11月3日（火）にロンドン・シティにてFinance Magnates社主催のFX業界イベント「Finance Magnates London Summit 2015」が開催されました。同イベントでは、各国のFXブローカー、システムプロバイダー、リクイディティプロバイダー、IBが一同に集まり、各社の商品・サービスの展示と、参加企業によるセミナー・パネルディスカッション、交流会などが行われました。
今回の会場となったThe Breweryはロンドンの金融街・シティの中心に位置する歴史的建造物で、18世紀のビール醸造で名を馳せたWhitebread社の建物の一部を再利用したコンベンションホールです。入口付近の壁には、今回のイベントの参加者数、出展企業数、役職毎の割合、地域別の割合等の統計的データを表したボードが掲げられていました。
イベント前日の登録は、専用の端末に事前に予約を行っていた自分の名前を入力し、入場バッジがプリントされる仕組みとなっています。登録ブースの背後には、欧州を中心とする各協賛企業のロゴが印刷されたボードが設置されていました。
オープニングパーティーでは、会場のグランドフロアに設置された各企業のバーテーブルを囲んでカクテルを片手に再会や新たな出会いを楽しんでいました。また、背景ではコンテンポラリークラシックの生演奏があり、会場は非常に活気のある雰囲気でした。
イベント当日は交流会、展示会、セミナーやパネルごとに３つのフロアを使用し、会場は世界から集まったリテールFXブローカー、リクイディティプロバイダー、システム開発会社など業界関係者で埋め尽くされました。
セミナー： 「How does Research Data Can Save Your Decision Making?」
Justyn Trenner氏 （Global Head of Strategy, EBS BrokerTec）
EBS BrokerTecのTrenner氏による講演ではFXブローカーの意思決定プロセスにおいて、ビックデータ分析に代表される統計解析の重要性は今後さらに増すと話していました。具体的には、ブローカーはこれまでディーラーの裁量で行われていた取引アルゴリズムの選択、および最適化をデータ分析に基づいて行うことで、収益を拡大し、ひいては顧客により良いプライスを提供することができるということでした。
パネルディスカッション： 「The FX Rigging Scandal a Year After: Lesson Learned?」
【司会】
Adil Siddiqui氏（Financial Markets Professional）
【パネル】
David Woolcock氏（Chair of the Committee for Professionalism, ACI）、Gil Neihous氏（Founder & CEO, Fluent Trade Technologies）、Stephen Leahy氏（COO, FXPrimus）、Peg Reed氏（Senior Vice President Business Development, Ayondo Markets）
同パネルディスカッションでは、2014年に市場の注目を集めた、大手銀行によるFX及びLIBORレートの市場操作、そしてこれに対する巨額な罰金制裁から約一年経過した今、銀行やその他金融機関の倫理規定、内部統制がどのように変化し、今後外国為替市場の規制にどのように影響するかが主要テーマとなりました。FX取引業者にとっては顧客保護を第一に考え、特に低レイテンシーを追求すること、ラストルック（提示レートではなく、約定処理時における最新のレートで注文を成立させること。）による約定を行わないこと等により、リクイディティの透明性を確保することが重要という点が指摘されていました。欧州ではディーラーが介在せず、顧客の取引をカウンターパーティーと直接約定させることが主流となっていることもあり、顧客から見えないカウンターパーティーとの取引の透明性を確保し、説明義務を果たせる環境を整えることがFX取引業者の関心を集めています。また顧客保護のために将来規制が厳格化する可能性対しては、テクノロジーの目覚ましい発展が公正な市場形成に大きく寄与し規制に対応できるだろうとの話があり、全体的に楽観している印象でした。
セミナー： 「Compliance - A Guide to Surviving the Tightening of Global Regulation」
Sophie Gerber氏 （Owner, Sophie Grace Pty Ltd）
同社はオーストラリア・ヨーロッパを中心とした金融ライセンス取得のコンサルティングサービスを行っており、金融先進国でのライセンス取得は海外展開を考えるFXブローカーにとって注目度の高いトピックである事が実感できました。近年中国やインドのIB（紹介業者）が顧客に対し営業する際に、提携先のブローカーが金融先進国のライセンスを保有している事が大きな優位性を持つことから、多くのブローカーが英FCA、豪ASICなどのライセンスを取得しようとする動きがあります。Gerber氏は、FCAがこのような動きを嫌ってライセンス付与の基準を引き上げ、取得を難しくするようになってきていることを指摘していました。同社のような専門アドバイザーの需要は今後更に高まるだろうと思われます。
Finance Magnates 授賞式
イベントの締めくくりには恒例のアワード授賞式が開催され、欧州を中心に活動する業者が表彰を受けました。
・ Best Payment Service Provider: SafeCharge
・ Best Binary Service Provider: SpotOption
・ Best Binary Options Broker: Alpari
・ Best Liquidity Provider: CFH Clearing
・ Best Mobile Product: MetaTrader Mobile
・ Best Platform: MetaTrader
・ Best Education Service Provider: FXStreet
・ Best Forex Broker: Saxo Bank
今回のFinance Magnates Summit は世界的な金融の中心地である英国ロンドンでの開催となり、東京、香港と比較して多くの参加者が集まりました。主に欧州の参加企業が多くアジアからの参加企業が少数であった事をみると、日本を含むアジアのFXビジネスは自国から依然脱出出来ていない現状がある一方で、独自の技術やノウハウを持って海外に事業を拡大する余地があるように感じられました。また、今回のイベントのテーマが”FinTech”ということもあり、ペイメントゲートウェイやアグリゲーション・プラットフォームシステムを提供する企業の参加が多数出展していた事に加え、今回新たにFinance Magnates Awardには”FinTech Winners”の受賞枠が設けられました。
参加企業を見てみると、FinTech企業の参加がイベント毎に増加傾向にある事に加え、近年、従来PB業務を行ってきた銀行がクレジットの提供に消極的なことから、より少額の資金でPB契約が可能なPrime of Primeの存在が目立ってきているように思われます。市場環境や、各国の金融規制が刻々と変化を遂げる中、こうした新たなビジネスモデルが次々と生まれ、FX業界全体として今後更に前進する事が期待できると感じました。
（記事、写真提供：トレイダーズ証券 ／ 編集・制作：GoodWayメディアプロモーション事業部 ＠株式会社グッドウェイ）
