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2014/12/04

【野村ホールディングス】2014~2015年度の企業業績見通し

| by:ウェブ管理者
経常利益予想修正(前回予想からの修正額)
【2014 年度予想の概要】
2014 年度の予想経常利益は 19 業種中 8 業種が上方修正、11 業種が下方修正となった。
上方修正が大きかったのは自動車、公益、通信、機械、鉄鋼・非鉄などであった。自動車は、消費増税後、国内の受注回復ペースは引き続き緩慢ではあるものの、逆に主力市場の北米では月次新車販売が堅調に推移している。
着実な原価改善の動きにも変わりはない。公益は、燃料費の削減、円建原油価格の低下にともなう停止原子力発電所の代替燃料費減少、また燃料費調整制度上の差損益改善など、原油安メリットが大きく出た。機械は、設備投資好調の恩恵を強く享受しており、引き続き広範なサブセクターが上方修正となっている。国内は回復傾向が続いており、海外は地域間のばらつきはあるものの、基本的には緩やかな拡大基調にあると判断している。鉄鋼・非鉄は、円安進行による輸入圧力低下や輸出採算改善からくる国内需給改善を通じて、高稼働率、高採算という状況を維持できる可能性が高まっている。足元の決算でも鋼材スプレッド(製品販売価格と原料単価の差)は維持されており、国内鉄鋼メーカーの強い採算重視姿勢が確認できている。

他方、下方修正が大きかったのは化学、商社、電機・精密、小売りなどであった。化学は、サブセクターの石油における在庫評価損の拡大、および石化市況の下落や石油精製マージン悪化の影響が大きかった。他方、事業見直しに取り組んでいる総合化学では、その効果持続により上方修正となっている。1 ドル 115 円以上の円安が定着すれば、アジアの石油化学企業に対してもコスト競争力で負けない体質が維持できる可能性も出てきた。商社は資源市況の低下に加え、一部企業による大型減損が影響した。電機・精密の下方修正も、一部家電メーカーによるものであったが、電子部品の上期決算では iPhone6/6 Plus の量産立ち上げが順調な進展が確認できるなど、好材料も多く見られている。小売りの下方修正には、消費増税後の国内消費回復の弱さに加え、夏場の天候不順も影響した。


【2015 年度予想の概要】
2015 年度の予想経常利益は 19 業種中 8 業種が上方修正、10 業種が下方修正となった。上方修正が大きかったのは自動車、公益、鉄鋼・非鉄、機械など、下方修正が大きかったのは通信、商社、食品などである。

2015 年度の上方修正額は、2014 年度とほぼ同程度の業種が多い。その中で、鉄鋼・非鉄は 2015 年度の上方修正額が 2014 年度の上方修正額を明確に上回っている。前述のような環境変化もあり、業績の先行きが明るくなったことを反映していよう。逆に医薬・ヘルスケアは、少額ではあるものの、2014 年度が上方修正、2015 年度が下方修正となっている。政府による後発医薬品使用促進策により、従来の収益源であった長期収載品が減速してきており、今後の医療費削減策強化の動きが懸念材料である。電機・精密、商社はいずれも一部企業の減損によって 2014 年度は下方修正業種となっているが、2015 年度は電機・精密が上方修正に転じる一方、商社は小幅の下方修正にとどまる。化学も在庫評価損の減少を受けて、2015 年度の下方修正幅は 2014 年度よりも縮小する見通しである。


原文はこちら
http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20141204/20141204.pdf

17:12 | 金融:証券
 

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