2013年7月18日(木)、日本ユニシスは日本テラデータと共催で、金融業界の情報部門担当者や、経営戦略部門、マーケティング部門等の担当者を対象に、金融機関のビッグデータを活用した顧客戦略の一助となるセミナーを東京千代田区にあるステーションコンファレンス東京 サピアタワーで開催した。 昨今、NISA対応での新たな顧客獲得への様々な取組みをはじめ、情報共有・分析による顧客満足度向上に向けた施策など、外部環境の変化を生かせる企業とそうでない企業との差が生まれはじめている金融業界。「ビッグデータ」という言葉が広く一般に浸透し、これまでの海外事例に加え、日本企業での活用事例も徐々に報告され始めている。 こうしたなか、主催の日本ユニシスは2012年6月19日、日本テラデータとデータウェアハウスおよびマーケティング分析分野で協業することを発表。両分野に関する販売・導入活動を共同で推進することで、企業のデータ活用を支援することを表明しており、直後の同年7月12日には第1弾の共同イベントとして、ビッグデータ時代のマーケティング分析によるデータ活用をテーマとした金融機関向けのセミナーをマンダリンオリエンタルで開催(グッドウェイ取材レポ)している。 さらに、日本ユニシスは、2013年1月9日に日本テラデータのビッグデータ分析向けソリューション「Teradata Aster」の販売代理店契約を締結したと発表。同契約の締結は、Teradata Partner Network加入の国内再販代理店の中で日本ユニシスが初めてで、 同社が導入・保守サービスを含めたワンストップの提供を行うことで、金融機関が実店舗、Webサイトなど複数チャネル間で詳細な顧客行動分析を行うことを可能にするという。 講演について少しだけ触れると、マーケティング・エクセレンス マネージング・ディレクターで、同志社大学大学院ビジネス研究科 准教授 戸谷 圭子 氏の冒頭のセッション「金融サービスにおける価値共創マーケティング」では、 「ビッグデータ」と「調査」はまさに車の両輪であり、企業のデータベースに眠る「取引高、取引履歴、接触記録」等の行動の「結果」も踏まえ、サービスを選ぶ際に重視する点や、どこと何を比較したか、何が良かったのかといった、データベースにない行動の「理由」を直接調査することがマーケティングの基本だという。 戸谷氏が語る金融マーケティングの要チェック項目は以下の通り。◎顧客が起点 顧客に対する客観的な分析を戦略構築・施策立案の起点にする。 (経験や勘だけに頼らない。答えを知っているのは顧客だけ。)◎マーケティングを機能させる① 社内に金融マーケターを持っているか。 (専門家の育成を行っているか。2年転勤では不可能。)◎マーケティングを機能させる② データ整備体制は整っているか。 (使用目的を見据えてのデータ蓄積。価値観を示すSNS等の データ収集体制。) また、その他セッション「金融リテールマーケティングの課題を解決するビッグデータ利活用」、「金融機関の将来像とIT戦略」など、様々な興味深い説明・解説、プレゼンテーションが行われた。 高度な技術を用いることで、企業データやWebのソーシャルデータなどを含む膨大なデータから従来よりもインテリジェントな結果を導き出して、データを駆使した企業に売上増加や費用削減といった実益を創出するビッグデータ分析と、それらを可能にするソリューション、アプリケーションの進化には、今後ますます注目が集まりそうだ。 (取材、撮影、記事、編集/制作:柴田 潔)
【免責事項】サイト掲載情報の正確性、および完全性については最善を尽くしておりますが、その内容を保証するものではございません。また利用者が当サイト、およびサイトに関連するコンテンツ、リンク先サイトにおける一切のサービス等を利用されたことに起因、または関連して生じた一切の損害(間接的、直接的を問わず)について、当社、当サイト、投稿者および情報提供者は一切の責任を負いません。Copyright © 2010- GoodWay Inc. All rights reserved.