2014年10月6日(月)、日本株の独立系資産運用会社のパイオニアでもあるスパークス・アセット・マネジメントと大手ネット証券のマネックス証券は、公募投資信託「スパークス・日本株式スチュワートシップ・ファンド」の当初募集を2014年10月14日(火)(予定)より開始すると発表した。
アベノミクスの成長戦略の一環として注目を集めている日本版スチュワードシップ・コードを背景に、投資先の企業経営者との対話を通じて株価と実態価値との乖離を解消すべく、潜在的な企業価値を顕在化していくことでリターンを追及する「目的を持った対話型の投資」に注目が集まった。
スパークス・アセット・マネジメント 代表取締役社長 阿部 修平 氏。「スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド」を開始した背景と狙いについて解説。国内外の高まるプレッシャーに対して株主の声に耳を傾ける経営が求められており、株主を意識した変化への対応としてROE(株主資本利益率)を高めていく企業運営が必要だとした。
スパークス・アセット・マネジメント ファンドマネージャー 服部 英明 氏。「スパークス・日本株式スチュワートシップ・ファンド」がどのようなものなのか、なぜ今、このファンドを展開するに至ったのか、その経緯について事例を交えて説明した。詳しくはこちらを参照して頂きたい。
続いて、マネックス証券 代表取締役社長CEO 松本 大 氏から、阿部 氏への質問形式で会見は進んだ。はじめた理由、なぜ公募か、スチュワードシップ・コードのあるべき役割、経営者に対する対話や要求とはどのようなものか、そして経営者は何をすべきか、投資先のカテゴリーなどについて質問。
阿部氏によると、これからは、ザ・個人の時代。コミュニケーションを通じて一人でも多くの賛同を得て流れを作って行きたいとした。そして、スパークス・アセット・マネジメントの経験と実績を活かし、投資先の経営者に確認すべき大事なポイントについて、割安かどうか、割安な理由は何か、そのギャップを埋めるために何が必要か、という3つを挙げ、これからは企業と株主が対話を通じて企業の価値を高めていく時代になる、ムーブメントを巻き起こしたいと語った。
最後に松本氏によると、今回の商品は、個人が主役となるよう機関投資家向けの水準の運用を個人投資家にも届けるべく、ファンド運用者自らが株価の向上に関わる取り組みを通じて個人投資家とリンクする点が、これまでの商品とは一線を画するものだという。
そして、今回の取り組みを通じて、個人株主の中において自分達が経済の主役だという意識改革が進み、これからの議論の中で発行体と機関投資家のみならず、個人の存在を意識した動きが広がり、資本市場や経済にポジティブな影響を起こすムーブメントにつながるよう、ファンドと個人投資家の間のコミュニケーションを含めて、しっかりと期待を裏切らないよう取組んでいきたいとした。
説明会後、各々質問する記者とのやりとりが暫し続いた。
(取材、撮影、記事、制作:村上 遥 / 編集:藤野 宙志 @株式会社グッドウェイ)