(2011/01/04)
大発会を開催しました
http://www.ose.or.jp/news/19178
社長年頭あいさつ
新年,明けましておめでとうございます。新しい年の取引を開始するに当たり,一言ご挨拶申し上げます。
昨年は,米国経済の減速懸念や欧州の財政危機等といった海外の経済状況や急激な円高の影響を受けて,わが国経済そして証券市場は,引き続き低調な1年となりました。一方,世界の成長の中心は欧米先進国から新興国に移り,この間,伸び悩む日本市場の世界における存在感が急速に薄れていることが強く懸念されます。
このような中,政府の成長戦略において,総合的な取引所の創設や新興市場の活性化等,様々な金融活性化と国際競争力強化に向けた取組みが検討されております。金融インフラの一端を担う当社としても,強い意思と覚悟をもって積極的にその役割を果たして参りたいと思います。
当社における今年の最大の課題は,2月に予定している新売買システムJ-GATEを無事に安定的に本番稼動させることです。J-GATEは,当社の主力商品である先物・オプションの基幹システムとして極めて重要な役割を担っており,市場関係者のご理解とご協力を得ながら,全社一丸となって安定稼働に取り組んで参ります。
時代の変化に伴って,市場参加者のニーズは大きく変わってきています。昼間のみならず夜間の取引を求め,また,一つの市場・一つのルールで株式のみならず金利・為替・商品も取引できる利便性と効率性を求めており,既にそういった形で動き始めています。
当社は,これまでも,国内では他の取引所に先駆けて,先物・オプションについて取引時間の夜間への延長を行い,またFXの導入や金・原油など商品系のETFの品揃えの強化を図る等,取扱商品の多様化に向けて可能な範囲で様々な取組みを進めてきました。
本年は,政府の成長戦略との平仄をとり,また市場参加者の様々なニーズを十二分に踏まえつつ,当社の強みを活かした形で,内外を問わず他の取引所と積極的に連携,一段と存在感のある総合的な取引所を目指して参る覚悟でございます。
また,新興市場につきましては,市場参加者の皆さまのご協力を頂き,昨年10月に新JASDAQ市場として新たなスタートを切ることができました。今後とも,新興市場が日本経済そして証券市場の重要なインフラであるとの認識の下,既に打ち出している各種施策を着実かつ速やかに進めることにより,信頼性と利便性のある魅力ある市場を早期に実現して参ります。
さらに,取引所の根幹業務である自主規制や市場運営の面では,市場環境が大きく変わる中,市場監視,上場審査・管理,そして清算リスク管理など各種の機能を更に向上させ,引き続き,投資家の皆さまが安心して参加できる,公正かつ透明な運営を徹底して参ります。
最後に,皆様の本年の益々のご活躍をお祈りし,また大阪証券取引所に対するさらなるご支援をお願い申し上げまして,簡単ではございますが,新年のご挨拶とさせて頂きます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社大阪証券取引所
代表取締役社長 米田道生