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2017/11/29

【野村総研】2023年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望

| by:ウェブ管理者
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、このほど2023年度までのICT(情報通信技術)・メディア関連の主要5市場(デバイス/ネットワーク/コンテンツ/プラットフォーム/xTech※1)について、国内および一部に関しては世界における動向分析と市場規模の予測を行いました。

ICT・メディア市場は個々の技術やサービスの普及が進むとともに、さらにそれらを複合させた新しい用途や市場が生み出されています。また、これらの技術やサービスを活用して、企業や社会の根本的な変革が始まっています。「デジタル変革」「データ経営」というキーワードは、まさにこのような動きを示しています。
このような変革の本質は、①製品・サービス、業務そして業界そのものにおける「アンバンドル化(既存のビジネスモデルや製品アーキテクチャの依存・結合関係の分裂)の進展」、および、②「サブスクリプションモデル※2前提によるビジネスプロセスの再編」の2つです。NRIはこれらの変化を、「Software is eating the world(ソフトウェアがすべてを飲み込んでいる)」の最終仕上げの状態にあると捉え、来年以降5年先の2023年度に向けて、各市場がどのように変化していくかを分析しました。
主要5市場の特徴的な動向と予測結果は、以下のとおりです。各市場で取り上げている個別の分野については、【ご参考】の「各市場・分野の定義と説明」をご参照ください。

デバイス市場

新たな発展ステージを迎えるデバイス市場

デバイス市場を牽引してきたスマートフォンの販売台数は、2017年度に世界全体で20億台を超える。新興国向けの低価格機種が台数ベースでみた成長を牽引するとともに、ハイエンド端末の機能向上により、デバイスの平均単価は上昇傾向にある。その結果、2023年度には、世界で23.3億台に増加すると予測される(図1)。iPhoneXでは、新たに搭載された顔認証向けのロミオモジュールやジュリエットモジュールが品薄となったため、端末出荷が遅れるなど、機能拡張に伴うデバイスの需給バランスの問題は今後も課題となろう。また、スマートフォンの平均価格が1,000ドル(約11万円)の大台に乗ったことで、今後買い替えサイクルへの影響なども注目される。
また、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)やAI(Artificial Intelligence、人工知能)の領域で進展している技術革新とデジタル変革の大きな潮流の中で、ドローンや音声エージェント端末の出荷台数の高い成長が期待される。センサーデータを始めとする実世界データの収集、蓄積、およびその分析に向けて、ビッグデータのさらなる革新に、各種のデバイスがさらに貢献していくことが期待される。

ネットワーク市場

5Gによるコンテンツのリッチ化が光需要を下支え

日本国内における固定ブロードバンド回線の加入件数は、2017年度末の3,630万件から、2023年度末には3,900万件に達すると予測される。過去3年、「光コラボレーションモデル」を活用した大手携帯電話事業者による光ファイバー回線とスマートフォンとのセットサービスが、光ファイバー回線が大半を占めるこの市場の拡大要因となってきたが、早晩スマートフォンの買い替えは一服する。一方で、2020年頃からサービス開始が見込まれる5G(第五世代移動通信システム)の普及に伴い、携帯電話端末で利用されるコンテンツがますますリッチ化する。データ通信料金を抑えるために、利用者のWi-Fiを通じた固定回線へのデータオフロードニーズが高まり、それが今後の光ファイバー回線の需要を下支えする。
携帯電話・PHSの契約回線数は、タブレット端末やIoT機器など通信モジュールが組み込まれた機器の増加、多様なMVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)の登場などにより、2017年度末の1億7,099万回線から、2023年度には1億8,316万回線に増加する(図2)。
認知度と利用が着実に高まっている格安スマホは、2017年度末の2,031万回線から、2023年度末には約2倍の4,070万回線まで拡大する。しかしその半分強は、既存携帯電話事業者のサブブランド(Y!mobileおよびUQmobile)が占めると予想され、MVNOは、ますます価格以外の要素による差異化が求められる(図3)。

コンテンツ市場

コンテンツ産業においては付加価値を巡る競争が進展

動画配信市場は、月額固定料金で豊富な映像コンテンツを視聴できるサービスの利用が拡大することにより、2017年度の1,826億円から2023年度には2,200億円近くの市場になると予測される(図4)。動画配信事業者が、多額の費用をかけてオリジナルコンテンツの製作・配信を強化することで、従来の放送局による一体的な提供構造から、 動画配信事業者も含む制作と流通の分離・多様化構造へと変化することが予想される。
音楽配信市場は、「利用者が選曲できるオンデマンド再生機能」「邦楽を中心とする収録楽曲の充実」「利用者一人ひとりの嗜好(しこう)に合わせたレコメンド(推奨)機能」を備えたサービスへの加入が市場を牽引し、2017年度の793億円から2023年度には891億円まで拡大すると予測される。


原文はこちら
http://www.nri.com/jp/news/2017/171129_1.aspx

15:05 | IT:一般
 

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