2014年10月31日(金)、出版や映像等の事業を展開するKADOKAWAは、最新のスタートアップ業界やエンジニア事情がわかる有料セミナー「勝てるキュレーションメディアの作り方」を開催した。当日はハロウィンにちなみ、仮装する姿の登壇者も見られた。
「大江戸スタートアップアカデミー」は、週刊アスキー・週アスPLUS、アスキークラウドなどスタートアップ・ベンチャーを支援する企画で最新のスタートアップ業界とエンジニア事情がわかるイベント。第1回目は「ニュースキュレーションメディアのエンジニアリングとビジネス」をテーマに開催された。
当日は、『NewsPicks(ニューズピックス)』、『Kamelio(カメリオ)』、『Gunosy(グノシー)』、『ヤフーSmartSearch』で開発や事業推進に携わるキーマンを講師やパネリストとして招き、週刊アスキー編集部デスク 北島 幹雄氏が司会を務め、新サービスがいかに開発され、技術や課題などアプリをサービスにつなぐための最新事情やトレンドに迫った。
最初の講演は、ユーザベース NewsPicksチーフエンジニア 杉浦 正明氏が登壇。AARRR(海賊指標)モデル、デザイン指向、ビジョンの3つを挙げ、KPIの整理と弱点の把握、ユーザニーズの把握、志と執着心で壁を乗り越えていくことの大事さについて語った。
(参考)ASCII.jp記事 アプリ事業を失敗させない3つの要点=NewsPicks
続いての講演は、白ヤギコーポレーション代表取締役CEO 柴田 暁氏が登壇。キュレーションメディアを総合型と特化型で解説、時間帯別のアクセス数やフォローテーマ数の推移と超ロングテールなどカメリオの特性に触れ、ニッチコンテンツの共有体験やコミュニティーの形成が重要とした。
(参考)ASCII.jp記事 レッドオーシャンでも生き残る方法はある=カメリオ
レクチャー後、KADOKAWA デジタル事業課 課長 Web Professional 編集部 編集長 中野 克平氏がモデレーターを務め、杉浦氏、柴田氏に加え、ゲストとして、グノシー取締役COO 竹谷 祐哉氏(写真上)、ヤフー 検索サービスカンパニー SmartSearchサービスマネジャー 佐野 岳人氏(写真下)の4名がスピーカーとなり、スペシャルトークセッションが行われた。
与えられたテーマはオペレーションとステップアップ。アプリのタイトルコピーとロゴデザインに込めた想いと狙いなど、中野氏の視座、切り口による質問に各スピーカーがそれぞれの私見を披露。テンポ良くトークセッションが進行。
トークセッション終了後、会場からは優秀なエンジニアの採用方法、マネタイズの手法や目論見、モチベーションの保ち方など質疑応答が行われた。
昨今、ユーザー数を急速に伸ばしているニュースアプリの数々。今回、登壇した4社以外にも、Yahoo!ニュース、LINEニュース、Antenna(アンテナ)、Huffington Post(ハフィントンポスト)など、市場シェア(マジョリティ)を獲得すべく、それぞれがサービスの特徴を打ち出しながらも、その成長を持続的かつ加速させるための資金調達と開発/広告宣伝など先行投資を急いでいる。一方で、溢れる情報やニュースの中から有機的かつピンポイントに届けるべく、存在の本質価値であるキュレーターとしての目利き力やレコメンデーション・アルゴリズムの進化も欠かせない。始まったばかりのニュースキュレーションメディア競争の行方から目が離せない。
(取材、撮影、記事:藤野 宙志 / 編集・制作:村上 遥 @株式会社グッドウェイ)
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