スタートアップワールドカップは、米Pegasus Tech Venturesが主催する、世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンスで、今回が4回目の開催。東京を含めた世界各地で地域予選が行われ、予選で優勝した企業は、2020年夏にサンフランシスコで開催される優勝投資賞金約1億円の世界決勝戦に招待される。
東京国際フォーラム Bホールが満席で多くの立ち見客が出る中、オープニングステージでは、光り輝く衣装をまとったパーカッショニスト達によるエンターティーメントショーで幕が開けた。
開会の挨拶には、竹本 直一氏(内閣府 特命担当大臣)が登壇。 竹本氏は、「スタートアップの皆さんが東京にこれほど集結してくれて嬉しい。持てる能力を発揮して世界の人が驚く発明をしてほしい。内閣府でもスタートアップ・エコシステム拠点都市の形成プランを公募しており、世界の起業家や投資家などを引き寄せて、世界のエコシステム拠点と切磋琢磨して世界経済に貢献したい。」と挨拶した。
パネルディスカッション「大手企業のイノベーション、スタートアップとの協業の必要性」には、島谷 庸一氏(資生堂 代表取締役副社長 チーフイノベーションオフィサー)、林野 宏氏(クレディセゾン 代表取締役会長CEO)、香山 誠氏(アリババ 代表取締役社長 CEO 兼 アリペイジャパン 代表執行役員 CEO)がパネリストとして登壇。米倉 誠一郎氏(法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科教授、一橋大学 名誉教授、Pegasus Tech Ventures アドバイザー)がモデレーターを務め、イノベーションに対する大企業の考え、提携や連携、強みなどについてそれぞれに質問した。
講演の合間に挨拶したアニス・ウッザマン氏( Pegasus Tech Ventures 共同代表パートナー 兼 CEO 兼 スタートアップワールドカップ会長 )は、スタートアップワールドカップの概要を改めて紹介し、開催規模や意義をPRした後、今後のもう一つの事業として「学生向けの無料奨学金制度」に取り組んでいくことをこの日初めて発表。手始めに、25名の学生をシリコンバレーでのワールドカップ世界大会に招き、1週間勉強してもらうことを計画しているという。
安倍 晋三氏(内閣総理大臣)からの激励の手紙が紹介された後、東京予選審査員の紹介と、日本代表決定までの流れが紹介され、いよいよエントリー各社のピッチがスタートした。審査員は以下の通り。
・平野 洋一郎氏(アステリア 代表取締役/CEO) ・堀口 雄二氏(Spiral Ventures Pte Ltd CEO&Founder)
・内海 州史氏(セガサミーホールディングス 上席執行役員 ライブエンタテイメント・オープンイノベーション担当 投資マネジメント部長) ・伊藤 健吾氏(D4V General Partner)
エントリー150社以上のスタートアップの応募の中から、書類審査で選ばれた10社のファイナリストが順に登壇した。
1社目は、サウンドファン(難聴でも聞こえるスピーカーの開発)が、2社目は、シナモン(人工知能エンジンを開発)が登壇した。
3社目の登壇は、ムスカ(リサイクル循環システムの開発)、4社目にはハチたま(猫トイレと連動した猫管理アプリ開発)が登壇してアプリの強みをPR。
5社目としてノルミー(非接触型の認証プラットフォームを提供)が、6社目には、トイメディカル(塩分を輩出するサプリメントを販売)が登壇した。
9社目の登壇は、フローディア(不揮発性メモリのIPライセンスを販売)、最後の10社目の登壇は、Looop(太陽光発電システム開発と電力の小売販売)が務めた。
審査中は、早稲田大学チアダンスチームがパフォーマンスを披露し会場を盛り上げた。また授賞式前の挨拶には、麻生 泰氏(実業家、東予五輪組織委員会理事)が登壇して挨拶。
そしていよいよ 審査結果発表を迎え、まず特別賞枠から発表。日本マイクロソフト賞は、ノルミーが受賞した。
こうして第4回目を迎えたスタートアップワールドカップは無事閉会した。
第1回世界大会の優勝企業は、ロボットやIoTを活用した園児の見守りサービスなどを手掛ける日本代表のユニファが受賞しており、日本のスタートアップ企業の優秀さを世界にアピールした。2020年世界大会での検討を祈ると共に、起業を支援する環境がさらに整備され、チャレンジする企業が拡大してワールドカップ東京予選が益々盛りを見せることを期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )