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2015/02/06

【QUICK】NIKKEI QUICK投信実力ランキング2014-2015解説 総合部門 投資家の利回り志向鮮明。総合上位はすべて毎月分配型

| by:ウェブ管理者
※本文は2014年12月30日時点のデータに基づき解説。リターン(騰落率)は課税前分配金再投資ベースで計算

■高利回り債券、高配当株、REITで運用する毎月分配型が上位のキーワード

2014年の長期総合評価と短期総合評価のランキング上位10本はすべて毎月分配型です。評価ランキング上位には、相対的に高い分配金ができる高利回り債券、高配当株、REIT(不動産投資信託)で運用する投信が並び、投資家の利回り志向の根強さが浮き彫りになりました。分配金をもらわずに資産を膨らませていくという複利運用の効果をあきらめてでも、毎月の分配金受け取りを優先する投資家層の厚さを示しています。

低金利通貨のユーロを高金利通貨に切り替えて、短期金利差相当の収益を分配金に上乗せする仕組みの通貨選択型も上位に入っています。運用期間が長い投信が健闘しているのも評価ランキング上位の特徴の一つです。長期評価、短期評価ともに上位投信のリターン(騰落率)は堅調でした。

■「フィデリティ・US・ハイ・イールド」、長期と短期で2冠達成

こうした中、2014年のランキングでは「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(32315984)」が長期評価、短期評価ともに総合首位になり2冠を達成しました。利回りが高い半面、経営破綻による債務不履行(デフォルト)のリスクも高い米国の低格付け社債(ハイ・イールド債券)に投資。長期評価で総合首位に立ったのは2012年から3年連続です。

1998年に運用を開始。実力と人気を兼ね備えた長寿投信を指す「ロングセラー・ファンド」の定番の1本です。過去3年間には6800億円を超える資金が流入、過去1年では1300億円近い資金が集まりました。3年リターンは約91%、1年リターンは約17%と堅調ぶりを発揮。対米ドルの円相場が3年間で約55%、1年間で約14%の円安・米ドル高となったことが効きました。70円(1万口当たり、税引前)の毎月分配を2011年5月から3年半以上継続中です。

一方、米国のハイ・イールド債券市場の過熱感が警戒され、昨年8月頃からは資金流出に転じています。足元では原油安によるエネルギー関連企業の経営不振が表面化し、ハイ・イールド債券市場への影響を懸念する見方も出ていますが、2015年1月末時点では運用成績への目立った影響は見受けられません。ただ、ハイ・イールド債券は景気敏感性が強く、米ハイ・イールド債券価格の値動きは米国株式相場との連動性が高い点には目配りが必要です。

その他、長期総合評価では連続上位継続が目立ちます。2位の「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)毎月分配型(0131410A)」は2年連続、3位「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型、02313043)」は4年連続、7位「アジア・オセアニア好配当成長株オープン(毎月分配型、0931105A)」は3年連続で、長期総合上位10位内に入りました。

■「野村テンプルトン・トータル・リターンD」など運用実績を積んだ投信が人気化

短期総合上位10本のうち、運用期間が最も短いのは2位の「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコリラコース、5831211A)」の2011年10月設定であり、2012年や2013年設定の投信は上位には見当たりません。

新興国を含む世界各国の債券で運用し短期総合6位の「野村テンプルトン・トータル・リターンDコース(01314118)」は2011年8月に登場。資金流入が目立ってきたのは2014年半ば以降です。10位の「アジア好利回りリート・ファンド(79312119)」も同年9月の設定です。米国を中心とする海外の資産で運用する投信が上位を占める中、唯一国内資産で運用し短期総合7位に入った「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型、64311051)」は2005年の設定。2003年に運用を始めた「高金利先進国債券オープン(毎月分配型、02311038)」は短期総合9位。

投資家の間で、運用実績のない新規設定投信を購入するのではなく、運用成績や分配金の状況をじっくり見定めたうえで実績を積んだ投信を選ぶという姿勢が定着してきたのかもしれません。


原文はこちら
http://corporate.quick.co.jp/original/fund_r/kaisetsu_01.html

17:21 | 金融:証券
 

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