2019年10月25日(金)、スマートニッチ同士で交流を深め、希望の持てる社会をつくるべく集った「スマートニッチ友の会」は、茅場町にあるFinGATE KAYABAにおいて「第4回スマートニッチ友の会 勝手にシンポジウム!」を開催した。
スマートニッチとは、(「スマート」=賢い、自律的に動く)+(「ニッチ」=大小問わず世の中の需給のスキマ、ブルーオーシャンの余地)との造語で、企業・プロフェッショナルに関する新たな主観概念としての提案。日本各地、世界各地のスマートニッチ同士で交流を深め、希望の持てる社会をつくろうという思いで活動を行っている「スマートニッチ友の会」は、当初は居酒屋での会話から飛び出し、今回で4回目の開催を迎えた。
第一部では、小林 剛也氏(日独産業協会 特別顧問、政策研究大学院大学 客員研究員、財務省大臣官房勤務)より挨拶。小林氏は自身の提唱する日本の将来像「高度付加価値社会(HVS:High Value Society)」の説明を行い、価格や品質、便利さといった従来の高付加価値に加え、伝統や地域、文化芸術も巻き込んだ本質的な価値創造を可能とする社会を目指していくことが日本の発展の鍵であるとした。スマートニッチはまさにこの高度付加価値社会の主人公である旨の説明を行うとともに、スマートニッチ友の会のこれまでの歩みについても紹介し、今後の活動への抱負を語った。
続いて第二部では座談会が開かれ、テーマごとに識者とのディスカッションが行われた。
テーマ1「スマートニッチとものづくり」では、浜野 慶一氏(浜野製作所 代表取締役CEO)、高野 雅彰氏(DG TAKANO 代表取締役CEO)、羽田 詩織氏(町工場親善大使)、三牧 純一郎氏(経済産業省 クールジャパン政策課長 デザイン政策室長)が登壇。小林氏がモデレータを務め、令和の時代のものづくりの挑戦と高度付加価値社会におけるものづくりの可能性を探った。
テーマ2「スマートニッチと地域」では、西山 直隆氏(一般社団法人giv(ギブ)代表理事)、山本 尚史教授(拓殖大学 政経学部 経済学科長)、浜島 郁人氏(いいだクラフト 代表取締役)、山田 敏夫氏(ライフスタイルアクセント 代表取締役)が登壇。小林氏がモデレータを務め、地域におけるスマートニッチの挑戦と地域を基点として活動することの意義、そして、地域を超えて繋がることの意義などが披露された。 テーマ3「スマートニッチとShinise(老舗)」では、大湊 陽輔氏(大湊文吉商店 代表取締役)、泉 虎吉氏(漆刷毛師 十世 泉清吉)、川上 博之氏(江戸千家 家元後嗣)、柴田 明恭氏(リードアクション 代表)が登壇。小林氏がモデレータを務め、それぞれの家における「易不易」、老舗に共通する「スマートニッチ」的要素について語られた。 また、この日、参加が出来なかった久世 良太氏(サンクゼール 代表取締役)よりメッセージが届けられた。
すべてのプログラム終了後、全員でポーズをとり記念撮影。その後、同会場にてネットワーキングが行われた。
高水準の技術に加え、豊かな地域・歴史、文化、芸術等の土壌の上にこそ豊かな経済社会が育つとし、その中で、時代の荒波をしなやかに乗り越え、世の中に価値を提供し続ける企業と人々を応援するという「スマートニッチ友の会」。今後の活動と展開に注目し、期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )