【大和総研】私募REITは新たな投資対象になりうるのか
http://www.dir.co.jp/research/report/capital-mkt/20130509_007148.html
サマリー
◆近年、私募REITは、年金基金や金融機関の間で注目されており、積極的な投資への機運が高まっている。この要因として、私募REITは、オープンエンド型で投資口の払戻しができるなど流動性が確保されていること、非上場であるため価格変動リスクが限定的であること、などが挙げられるだろう。
◆本稿では、いまだ商品数が少ない私募REITに対して、投資判断の基準となるガイドラインの作成を試みている。ガイドラインでは、ファンドの基本的な項目、組み入れ不動産などを4つのカテゴリーに分類し、チェックすべき項目を抽出している。また、利益相反やリファイナンスリスク低減の観点からの対策、不動産固有リスクにおける把握なども、特に重要なチェック項目として挙げた。
◆私募REITへの注目が高まっている要因としては、昨今の「アベノミクス」政策による影響もあるだろう。日銀のJ-REIT(上場REIT)買入れを通じた不動産価格の上昇期待、また、長期国債利回りの低下を通じた銀行貸出金利の低下によるリファイナンスリスクの低減など、現状の日銀の金融政策の影響により、私募REITにおいてはより安定したファンド運営が実現できる期待が高まっている。
◆私募REITの市場規模はまだ小さく、将来の姿は不透明と判断する投資家も多い。しかし、価格変動リスク、出口リスクを低減した商品であることへの期待感は強く、今後は市場が拡大する可能性もあるだろう。
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