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2015/12/08

【証券取引等監視委員会】ドイツ証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告~法人関係情報の管理に不備がある状況等

| by:ウェブ管理者
1.勧告の内容

証券取引等監視委員会がドイツ証券株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 桑原 良(くわはら まこと)、資本金727億円、常勤役職員537名、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業及び投資助言・代理業)を検査した結果、下記2.のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

2.事実関係

(1)法人関係情報の管理に不備がある状況

ドイツ証券株式会社(以下「当社」という。)においては、当社に所属するアナリスト(以下「当社アナリスト」という。)が上場会社に関する情報を顧客に提供する場合、
・ア当社所定の形式のレポート(アナリストレポート)として提供しているほか、

・イ当社アナリストから直接又は営業員を介して電子メールや電話等によっても提供している。

今回検査において、当社アナリストが上場会社から取材等で取得した情報に係る管理の状況について検証したところ、以下の問題が認められた。

・a当社は、上記アを行うに当たり、当該アナリスト自身の判断によって報告等が行われない場合、コンプライアンス担当者等による法人関係情報該当性の検討が必ずしも実施されないこととなっていた。

・b当社は、上記イを行うに当たり、法人関係情報該当性の検討が実施されないこととなっていた。

その結果、当社アナリストが上場会社に係る非公表の情報を取得した多数の事例(下記(2)の事例を含む)において、法人関係情報該当性の検討が行われないまま、当該情報の内容が顧客に提供されていた。

当社における上記(1)のような法人関係情報の管理の状況は、法人関係情報に係る不公正な取引の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じていないと認められ、金融商品取引法第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第5号に該当するものと認められる。

(2)法人関係情報を提供した勧誘

平成26年12月頃、当社株式調査部のAアナリストは、上場会社である甲社に対する取材において、公表前の四半期の業績に関する法人関係情報(以下「本件法人関係情報」という。)を取得した当日に、営業を担当する当社職員21名及び1顧客に対し、電子メール等によって本件法人関係情報を伝達していた。

そして、本件法人関係情報の伝達を受けた当社職員のうち2営業員が同日中に、少なくとも上記1顧客を含む3顧客に対し、本件法人関係情報を甲社から公表される前に提供して甲社株式の売買の勧誘を行っていた。

当社における上記(2)のような株式の売買を勧誘する行為は、有価証券の売買その他の取引等につき、顧客に対して法人関係情報を提供して勧誘する行為と認められ、平成26年法律第44号による改正前の金融商品取引法第38条第7号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第14号に該当するものと認められる。

3.その他
上記問題の根本原因としては、当社のガバナンス及びコンプライアンス態勢の弱さが認められ、当社のグローバルな課題として対応が求められる。




原文はこちら
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2015/2015/20151208-2.htm

19:10 | 金融:行政・取引所・団体
 

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