売買審査業務では、まず不公正取引に該当する可能性のある注文を一定の基準によってシステム的に幅広く抽出し、それらについて個別に売買状況を審査担当者が分析します。この初期段階の調査で不公正取引の可能性を判断し、次の段階で詳細な本格調査を行っています。 両社の持つ人工知能技術(NEC:RAPID機械学習、日立:Hitachi AI Technology/H)をこの初期段階の調査に適用した際の有効性を検証した結果、人工知能が高い精度で不公正取引の可能性を判断できることが実証されました。人工知能は、あらかじめ設定したパターンによって抽出する現行のシステムとは異なり、自ら学習し、不公正取引の可能性について判断します。人工知能技術は初期段階の調査に活用し、最終判断は審査担当者が行うことに変わりはありませんが、人工知能を活用することで、審査担当者が詳細な調査に注力でき、更に深度のある精緻な売買審査が可能となることが見込まれ、JPX市場の公正性が一層高まることが期待されます。