金融&IT業界の情報サイト
 
 
 
写真レポート >> 記事詳細

2021/10/27

【日本CFA協会】持続可能な社会実現に向けて金融が果たせる役割とは?「ジャパン・インベストメント・カンファレンス 2021~Building Better Finance for Better Society」をオンラインで開催!

| by:ウェブ管理者

 2021年10月6日(水)~8日(金)、日本CFA協会は「ジャパン・インベストメント・カンファレンス 2021~Building Better Finance for Better Society」をオンラインで開催した。

 
日本CFA協会(Chartered Financial Analyst:CFA協会認定証券アナリスト)はグローバルに展開するCFA Institute(CFA協会)と協調して教育プログラムを実施することで、投資運用に関する専門知識の普及を目指している。協会のフラッグシップイベントとして毎年開始している今回のコンファレンスでは、「Building Better Finance for Better Society」をテーマに、持続可能な社会実現に向けて金融が果たすことができる役割などについて、内外の多数の専門家が登壇し3日間にわたって様々な議論を行った。

Day1
 
開会の辞
 



 冒頭、総合司会を務める今村 文彦氏
日本CFA協会 理事)は、今回の3日間のコンファレンスでは、1日目に「投資家の視点から見たトピックス」、2日目に「ディスクロージャーの観点からの話題」、そして3日目には「新しい動きと金融の未来」について議論すると挨拶。

 また、マーガレット・フランクリン氏 CFA協会 会長 兼 CEO)は開会の辞として、CFA協会の活動概要や開催意義の他、社会の究極の利益のために最高水準の倫理、教育により投資専門家をグローバルにリードするという使命などを紹介。サステナブルファイナンスとESGの分野での最先端の取組み、環境・社会・ガバナンスの要素を投資プロセスに統合するために、投資専門家が必要とするベンチマークの知識とスキルを提供することで市場の健全性を提供するというCFA協会ミッションなども紹介して開会挨拶とした。

基調講演
 「インパクトを持つ金融:「ESG 後」を見据えた長期投資家の視点」



 基調講演で渋澤 健氏(コモンズ投信 取締役会長・創業者)は、対話をする長期投資、年間収益より持続的成長を重視
する
会社を設立後、同じような投資をするところも多く出てきた中で、4年前に投資を通じて社会的課題の解決を目指すインパクト投資に興味を持った経緯、およびSDGsインパクトを含めたESG後の世界について持論も交えて講演した。

講演
 「我が国におけるサステナブルファイナンスの取り組みと課題」


 講演で林 礼子氏(BofA証券 取締役副社長)は、冒頭に金融庁のサスティナブルファイナンス有識者会議、日本証券業協会のSDGs評議会等に参加している経歴を簡単に紹介後、2050年に向けて温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルに対する官民のイニシアティブ、およびサステナブルファイナンスの現状の取組み、課題について講演した。

パネルディスカッション
 「サステナブルな投資に欠かせないもの~ ESG 情報のサプライチェーンの現状と課題、そして投資行動への示唆」


<モデレータ>
三井 千絵氏(日本CFA協会 理事)

<パネリスト>
サイモン・マクマホン氏(サステナリティクス EVP 兼 ESG リサーチ責任者)
ヘレナ・ファン氏(FTSE Russell サステナブル投資責任者)
鷹羽 美奈子氏(野村アセットマネジメント ESG インベストメントマネージャー)

 パネル前半では、ESGデータの評価や投資家に対するサポート、市場をよくするために何が必要かについて、各パネリストがグローバル、アジア太平洋、日本それぞれの担当エリア毎に自己紹介を交えながらスピーチ。その後、ESGにおける将来の方向性と重要な課題について様々な議論を行った。

Day2
 
基調講演「効果的なサステナビリティ報告に向けた連携の構



 2日目の基調講演でジャニーン・ギリアト氏(バリュー・レポーティング財団 CEO)は、IIRCとSASBでの活動と両者の合併で設立された財団の概要、IFRS (International Financial Reporting Standards/国際財務報告基準)が設立予定のISSB(国際サステナビリティ基準審議会)への財団の貢献などのトピックスに触れながら、情報提供および情報連携の重要性について語った。

講演
 「ESGのトレンド:資産、基準および能力向上



 講演でメアリー・ラン氏(CFA協会 アジア太平洋地域アドボカシー部門責任者)は、サステナビリティ投資およびESGに関する世界と各国地域のトレンド、これらのトレンドが業界にどのような変化を起こしているか、さらに世界のESGにおける規制状況についての情報を参加者に共有した。

講演
 「資産評価に資する環境開示情報とは?」



 最後のパネルディスカッションの前に、パネリストである岩永 泰典氏(アムンディ・ジャパン チーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサー)、ヒルデ・ジェンセン氏(ノルディア・アセット・マネジメント ファンダメンタル株式責任者)から、ESGが台頭し、特にここ数年間は気候変動に関する取組みが進んでいる中で、気候変動の情報がアセットマネージャにとっていかに重要で役立ってるかという点について、それそれの視点から講演を行った。

パネルディスカッション 「ベストプラクティスを探す~気候関連分野での有益な企業情報を目指す」



 パネルでは佐藤 靖子氏(
日本CFA協会 理事)がモデレータを務め、岩永氏とジェンセン氏に、投資プロセスやポートフォリオにおいて情報開示の規制はアセットマネージャーにどのような影響を与えているのか、EUの取組みが先行する中でコーポレートガバナンスコードの改定による情報開示は投資家にどう見えているのかなどの質問を行いながら、よりよい気候関連の情報開示について意見交換を行った。

Day3
 
講演
 「国際金融センター構想」 ~ 海外の投資運用業者に新たな投資機会を開く



 3日目の最初の講演で中川 彩子氏(金融庁 参事官(資産運用)は、日本の新しい政策パッケージである国際金融センター構想が国際的な金融センターになる上でのメリット、課題についてアンケートを実施したこと、およびこの構想がなぜ日本にとって重要で、なぜ海外のアセットマネージャーが日本で仕事をするべきなのかについて語った後、税金やフィナンシャル・スタートアップ・プログラムといった様々な政府の取組みについて紹介した。

講演
 「日本のプライベートウェルスマネジメントは望まれてきた転換点に到達したか?」


 続いて、シーマ・バヤット氏(ロンバー・オディエ信託 代表取締役 兼 日本 プライベート・バンキン
グ部門 統括責任者)の講演では、パンデミックが大きな変化をもたらした今、世界で3番目の規模で年3%の成長を続ける日本の富裕層約4兆ドルの金融資産を対象としたプライベートウェルスマネジメントは待望の転換期を迎えたのか、プライベートウェルスマネジメント業界のデジタル化とサステナビリティという二つの大きなトレンドに関する考察も交えながら持論を披露した。 

パネルディスカッション 「金融の未来、将来のための重要なスキルと新鮮なアイデア」




<モデレータ >
アリソン・タルディティ氏(コモンウェルス・スーパーアニュエーション・コーポレーション 最高投資責任者)

<パネリスト >
鹿子木 亨紀氏(ニッセイアセットマネジメント ソリューション・リサーチ・ヘッド )
ジョン・スタイン氏(ベターメント 創業者・取締役会会長)

 3日間の最後を飾るパネルディスカッションでは、技術の進化によって金融業界や個人、機関投資家はどのように変化していくのか、金融の未来および必要なスキル、新しいアイデア等について活発な議論を行った。

閉会の辞 


 閉会にあたって出川 昌人氏(日本CFA協会 会長)は、本コンファレンスも今年で13回目を迎え、2016年からESGや気候変動などのトピックに注目して一連のセミナーを開催してきたが、今後も継続的に開催していきたいと挨拶。日本政府が優先的に取組んでいる国際金融センター構想でも、政府と関係者の窓口として貢献していきたいとした。また、このプロジェクトに関連して、CFA協会は大学生など若い世代への金融教育を検討しているとして、学生が英語で株式分析とプレゼンテーションを行う世界的なコンテストについて概要を紹介。最後に丁重に関係者への御礼の言葉を述べて閉会挨拶とした。

 
当イベントのプログラム、公開可能な講演資料および動画には、日本CFA協会のJICウェブページからアクセスが可能となっているので、ご興味のある方は積極的にご利用いただきたい。







(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )








14:36 | 写真:金融・IT業界向け




 

【免責事項】
サイト掲載情報の正確性、および完全性については最善を尽くしておりますが、その内容を保証するものではございません。また利用者が当サイト、およびサイトに関連するコンテンツ、リンク先サイトにおける一切のサービス等を利用されたことに起因、または関連して生じた一切の損害(間接的、直接的を問わず)について、当社、当サイト、投稿者および情報提供者は一切の責任を負いません。

Copyright © 2010- GoodWay Inc. All rights reserved.