【日本銀行】G20 白川総裁記者会見要旨
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2012/kk1211a.pdf
―― 於・メキシコシティ 2012年11月5日(月) 午後3時44分から約30分間(現地時間)
【冒頭発言】
私からは、日本経済について、海外経済の減速した状態が強まっているもとで、輸出や鉱工業生産は減少し、内需にもその影響が一部及び始めており、わが国の景気は弱含みとなっていることを説明しました。
こうした状況のもとで、日本銀行の金融政策運営については、金融緩和を一段と強力に推進するため、10月30日の決定会合において、①資産買入等の基金を91兆円程度へ11兆円程度増額するとともに、②金融機関の一段と積極的な行動と企業や家計の前向きな資金需要の増加を促す観点から、新たな措置として「貸出増加を支援するための資金供給」の枠組みを創設したこと、を説明しました。
また、政府と日本銀行が、デフレからの脱却と物価安定のもとでの持続的な成長経路へ早期に復帰するという課題の達成に向けて、これまでも共有していた認識を改めて明確に示すため、文書を公表し、それぞれが果たすべき役割について明確にしたこともあわせて説明しました。
金融規制改革については、3点指摘しました。第1に、G20やFSB(金融安定理事会)に対する信認を維持していく上でも、バーゼルⅢ等の金融規制改革を適時適切に実施していく必要があること、第2に、いわゆる「シャドーバンキング」に対する規制の導入に関しては、新しい分野でもあるので、定量的影響度調査等を通じて、市場機能に与える影響を慎重に把握しながら検討していく必要があること、第3に、新しい規制の導入に当たっては、自国だけでなく、他国の金融システムの安定に対しても、思わぬ形で影響を及ぼす可能性があるため、前広に各国当局間で対話をしていく必要があること、を説明しました。
詳細
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